ホルムアルデヒド水溶液

別名:ホルマリン
HCHOaq
劇物(ホルムアルデヒドを含有する製剤。1%を超えるもの)
(性状) 無色の催涙性透明液体で刺激臭がある。ホルマリンはホルムアルデヒドを36.5〜37.5W/W%含有し一般にメタノール等を13%以下(大部分は8〜10%)添加してある。低温ではパラホルムアルデヒドとなって析出するので常温で保存する。

措  置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。必要があれば水でぬらした手ぬぐい等で口及び鼻を覆う。漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。作業の際には必ず保護具を着用する。風下で作業をしない。
(少量) 漏えいした液は多量の水を用い、十分に希釈して洗い流す。
(多量) 漏えいした液はその流れを土砂等で止め、安全な場所に導いて遠くからホース等で多量の水をかけ十分に希釈して洗い流す。
この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能の場合は、周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
直ちに消火剤で消火する。水が一番有効である。
(消火剤)
水、粉末、泡、炭酸ガス
暴 露・接 触 時
人体に対する影響
(吸入した場合)
蒸気は鼻、のど、気管支、肺などを激しく刺激し炎症を起こす。のど等を刺激するので多量吸入はまれである。
(皮膚に触れた場合)
皮膚炎を起こす。たびたび接触すると、人により炎症が激しくなることがある。
(眼に入った場合)
眼の粘膜を激しく刺激し催涙する。濃い液が入ると失明するおそれがある。
救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、速やかに医師の手当てを受ける。
呼吸が停止しているときは、人工呼吸を行う。呼吸困難のときは、酸素吸入を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに付着又は接触部を多量の水で十分に洗い流す。汚染された衣服やくつは速やかに脱がせる。速やかに医師の手当てを受ける。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分以上洗い流し、速やかに医師の手当てを受ける。

注 意 事 項
ホルマリン自体は引火性ではないが、溶液が高温に熱せられると含有アルコール(メタノール等)がガス状となって揮散し、これに着火して燃焼する場合がある。

保 護 具
保護手袋(ゴム)、保護長ぐつ(ゴム)、保護衣、保護眼鏡、有機ガス用防毒マスク