別名:弗酸
HF・aq
毒物(弗化水素を含有する製剤)
(性状) |
黄弗化水素の水溶液で無色又はわずかに着色した透明の液体。特有の刺激臭がある。不燃性で濃厚なものは空気中で白煙を生じる。
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比重 |
融点 |
沸点 |
濃度55% |
1.195 |
−32.3℃ |
95.9℃ |
濃度71% |
1.230 |
−71.0℃ |
65.8℃ |
共沸点(濃度38.2%)112.4℃。水に極めて溶けやすい。 |
措 置 |
風下の人を退避させる。必要があれば水で濡らした手ぬぐい等で口及び鼻を覆う。 漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。作業の際には必ず保護具を着用し、風下で作業をしない。
漏えいした液は土砂等でその流れを止め、安全な場所に導き、できるだけ空容器に回収し、そのあとを徐々に注水してある程度希釈した後、消石灰等の水溶液で処理し、多量の水を用いて洗い流す。
発生するガスは霧状の水をかけて吸収させる。この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。 |
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には、しゃへい物の活用等容器の破損に対する防護措置を講じ、容器及び周囲に散水して冷却する。この場合、容器に水が入らないよう注意する。
(着火した場合)
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(消火剤)
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(吸入した場合)
鼻、のど、気管支、肺等の粘膜が刺激され、侵される。はなはだしい場合には肺水腫を起こし、呼吸困難を起こす。
(皮膚に触れた場合)
激しい痛みを感じ、皮膚の内部にまで浸透腐食する。薄い溶液でも指先に触れるとつめの間に浸透し、激痛を感じる。数日後につめがはく離することがある。
(眼に入った場合)
粘膜等が激しく侵され、失明することがある。
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(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、直ちに酸素吸入を行う。呼吸が困難な場合又は呼吸が停止している場合には直ちに人工呼吸を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに付着部又は接触部を多量の水を用いて洗い流した後、汚染された衣服やくつ等を脱がせる。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。 |
1.大部分の金属、ガラス、コンクリート等を激しく腐食する。
2.水と急激に接触すると多量の熱を発生し、酸が飛散することがある。
3.弗化水素酸は爆発性でも引火性でもないが、各種の金属を腐食して水素ガスを発生し、これが空気と混合して引火爆発することがある。
4.直接中和剤を散布すると発熱し、酸が飛散することがあるので、ある程度希釈してから中和する。 5.火災等で強熱されると弗化水素ガスが発生する。ガスは有毒なので注意する。
6.1〜2%の低濃度であっても皮膚に付着するとその場では異常がなくても数時間後に痛みだす。
7.皮膚に接触した場合には至急医師による傷害部の皮下及び周囲に8.5%グルコン酸カルシウム液の注射を行い、更にヒアルロニダーゼと塩酸ブロカイン液を用いた手当て等を受ける。
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保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、空気呼吸器 |
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