カリウムナトリウム合金

別名:ナック
NaK
劇物:(カリウムナトリウム合金)
(性状) 金属光沢を持つ銀白色の液体。カリウム含量が44%又は78%の2種類がある。水と激しく反応し、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム及び水素を生成し、反応熱により水素が発火する。カリウム、ナトリウムより反応性に富む。
カリウム含量   44%  比重 0.905  融点 19℃
78%  比重 0.867  融点−11℃

措  置
漏 え い 時
漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止し禁水を標示する。作業の際には必ず保護具を着用する。風下で作業をしない。
漏えいした液は、速やかに乾燥した砂等に吸着させて、灯油又は流動パラフィンの入った容器に回収する。汚染された場所の土砂等も同様に回収する。この際発火の可能性が大きいので周囲の水、可燃物は速やかに取り除く。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。
(着火した場合)
粉末(金属火災用)、乾燥したソーダ灰又は砂等でカリウムナトリウム合金が露出しないよう完全に覆い消火する。作業の際には必ず保護具を着用する。
消火後の措置は、燃焼物が完全に冷却したことを確認した後、空容器に回収し、その上を乾燥したソーダ灰、砂等で覆い安全な場所に移す。
(消火剤)
乾燥砂、乾燥ソーダ灰、膨張ひる石(パーミキュライト)、粉末(金属火災用)
暴 露・接 触 時
人体に対する影響
(吸入した場合)
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(皮膚に触れた場合)
やけど(熱傷と薬傷)を起こす。
(眼に入った場合)
粘膜に激しい炎症を起こす。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
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(皮膚に触れた場合)
直ちに汚染された衣服やくつを脱がせる。直ちに付着又は接触部を乾燥した軟かい布等でふきとった後、多量の水で十分に洗い流す。特に発汗時は少量でも発火するので直ちに多量の水で十分に洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
1.燃焼すると生成した酸化カリウム、酸化ナトリウムが空気中で水酸化カリウム、水酸化ナトリウムとなり、皮膚、鼻、のどを刺激するので注意する。
2.カリウムナトリウム合金は液体であり、カリウム及びナトリウムと比較して、水二酸化炭素、ハロゲン化炭化水素等とより激しく反応するのでこれらと接触させない。
3.保管に際しては、十分乾燥した鋼製容器に収め、アルゴンガス(微量の酸素も除いておくこと)を封入し密栓する。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、難燃性保護衣、空気呼吸器