ぎ 酸

別名:メタン酸
HCOOH
劇物:(ぎ酸及びこれを含有する製剤。90%を超えるもの。)
(性状) 無色で刺激臭の液体。比重1.2202。沸点100.8℃。融点8.4℃。水に極めて溶けやすい。引火点42℃(100%)、50℃(90%)。腐食性が強い。強酸性。還元性あり。

措  置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。
作業の際には必ず保護具を着用し、風下で作業をしない。漏えいした液は土砂等でその流れを止め、安全な場所に導き、密閉可能な空容器にできるだけ回収し、そのあとを水酸化カルシウム等の水溶液で中和した後、多量の水を用いて洗い流す。この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。
出 火 時
消火作業の際には、必ず空気呼吸器その他の保護具を着用し、風下で作業をしない。
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
消火剤又は多量の水を用いて消火する。
(消火剤)
粉末、泡(耐アルコール泡が望ましい)、二酸化炭素、水、乾燥砂、強化液
暴 露・接 触 時
急性中毒と刺激性
(吸入した場合)
鼻、のど、気管支等の粘膜を激しく刺激し、炎症を起こす。はなはだしい場合には肺水腫、呼吸困難を起こすことがある。
(皮膚に触れた場合)
皮膚を激しく刺激し、炎症を起こす。
(眼に入った場合)
粘膜を激しく刺激し、炎症を起こす。はなはだしい場合は失明することがある。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、鼻をかませ、うがいをさせる。呼吸が困難な場合又は呼吸が停止している場合には直ちに人工呼吸を行い、心臓が停止している場合には直ちに心臓マッサージを行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに付着部又は接触部を多量の水を用いて洗い流した後、汚染された衣服やくつ等を脱がせる。更に付着部を石けん水で洗浄し、多量の水を用いて洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
1.酸化物、過酸化物、強酸、酸無水物と接触すると発熱、発火、爆発することがある。
2.アルカリと接触すると激しく反応し、発熱する。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、酸性ガス用防毒マスク(火災時:空気呼吸器)