キノリン

別名:2,3−ベンゾピリジン

劇物:(キノリン及びこれを含有する製剤。)
(性状) 無色又は淡黄色液体で、特有の臭気を有する。吸湿性あり。比重1.09。蒸気圧15.97KPa(20℃)。融点−19.5℃。蒸気は空気より重い。水にやや溶けやすい(25℃で水100mlに約6g溶ける)。アルコール、エーテルに可溶。

措  置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。
作業の際には必ず保護具を着用し、風下で作業をしない。漏えいした液は土砂等でその流れを止め、安全な場所に導き、密閉可能な空容器にできるだけ回収し、そのあとを多量の水を用いて洗い流す。洗い流す場合には中性洗剤等の分散剤を使用して洗い流す。この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には、容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
消火剤又は多量の霧状の水を用いて消火する。消火作業の際には、必ず保護具を着用する。
(消火剤)
粉末、泡、二酸化炭素、水、乾燥砂、強化液
暴 露・接 触 時
急性中毒と刺激性
(吸入した場合)
鼻、のど、気管支等の粘膜を刺激し、炎症を起こす。咳、めまい、感覚麻痺、息切れ、チアノーゼを起こすことがある。はなはだしい場合は、呼吸困難、意識不明になることがある。
(皮膚に触れた場合)
皮膚を刺激し、炎症を起こす。皮膚からも吸収され、吸入した時と同様の感覚麻痺やチアノーゼ等の中毒症状を起こすことがある。
(眼に入った場合)
粘膜を刺激し、炎症を起こす。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、鼻をかませ、うがいをさせる。呼吸が困難な場合又は呼吸が停止している場合には直ちに人工呼吸を行い、心臓が停止している場合には直ちに心臓マッサージを行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに汚染された衣服やくつ等を脱がせ、付着部分又は接触部を石けん水で洗浄し、その後を多量の水を用いて洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
1.火災等で燃焼した場合、キノリン蒸気を含む多量の黒煙を発生する。キノリン蒸気を吸入した場合、中毒症状を起こすので注意する。また、燃焼時、窒素酸化物等のガスを発生する。ガスは有害なので注意する。
2. 酸化剤と混合すると発火又は爆発することがある。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、有機ガス用防毒マスク
(火災時:空気呼吸器)