五弗化砒素

別名:
AsF
毒物(砒素化合物及びこれを含有する製剤)
(性状) 無色、刺激臭の気体。湿気があると白煙(弗化水素ガス)を生じる。比重2.47。融天−79.8℃、沸点−52.9℃。水で分解する。アルカリ、エタノール、エーテル、ベンゼンに可溶。

措  置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。作業の際には必ず空気呼吸器その他の保護具を着用し、風下で作業をしない。
漏えいしたボンベ等を多量の水酸化ナトリウム水溶液に容器ごと投入してガスを吸収させ、処理し、この処理液を処理設備に持ち込み、毒物及び劇物の廃棄の方法に関する基準に従って処理を行う。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には、しやへい物の活用等容器の破裂に対する防護措置を講じ、容器及び周囲に散水して冷却する。容器が火炎に包まれた場合には爆発の危険があるので近寄らない。火災時には漏えいしたガスが強熱されると分解して有毒な酸化砒素( V )の煙霧及び弗化水素ガスを発生するので、消火作業の際には必ず空気呼吸器その他の保護具を着用する。
(着火した場合)
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(消火剤)
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暴 露・接 触 時
急性中毒と刺激性
(吸入した場合)
鼻、のど、気管支等の粘膜を刺激し、頭痛、めまい、悪心、チアノーゼを起こす。はなはだしい場合には血色素尿を排泄し、肺水腫を起こし、呼吸困難を起こす。
(皮膚に触れた場合)
しばらく後に、接触部位に湿疹、水疱、炎症又は潰瘍を起こす。はなはだしい場合には激しい痛みを感じ、皮膚の内部にまで浸透腐食する。
(眼に入った場合)
粘膜を刺激して結膜炎を起こす。はなはだしい場合には失明することがある。医師の処置を受けるまでの救急方法
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移す。呼吸が困難な場合又は呼吸が停止している場合には直ちに人口呼吸を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに汚染された衣服やくつ等を脱がせ、付着部又は接触部を石けん水で洗浄し、多量の水を用いて洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
1.空気中で発煙し、刺激性が強い。
2.火災等で強熱されると酸化砒素( V )の煙霧及び弗化水素ガスが発生する。煙霧及びガスは有毒なので注意する。
3.五弗化砒素のガス及び酸化砒素( V )の煙霧は少量の吸入であっても強い溶血作用があり、危険なので注意する。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、空気呼吸器