無水クロム酸

別名:酸化クロム( VI )
CrO
劇物:(無水クロム酸)
(性状) 暗赤色結晶。潮解性がある。196℃で融解、酸素を放出して分解し、250℃で酸化クロム( III )になる。水に極めて溶けやすい(20℃で水100mlに167.37g溶ける)。酸化性、腐食性が大きい。強酸性である。

措  置
漏 え い 時
飛散した場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。皮膚に触れると薬傷を起こすので素手、素足で作業をしない。
作業の際には必ず保護具を着用し、風下で作業をしない。
飛散したものは空容器にできるだけ回収し、そのあとを還元剤(硫酸第一鉄等)の水溶液を散布し、消石灰、ソーダ灰等の水溶液で処理したのち、多量の水を用いて洗い流す。
この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には、容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
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(消火剤)
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暴 露・接 触 時
急性中毒と刺激性
(吸入した場合)
鼻、のど、気管支等の粘膜が侵され、呼吸困難となることがある。
(皮膚に触れた場合)
薬傷を起こし、皮膚炎又は潰瘍を起こす。
(眼に入った場合)
粘膜を刺激して結膜炎を起こす。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、鼻をかみ、うがいをさせる。
呼吸困難又は呼吸が停止しているときは、直ちに人工呼吸を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに付着又は接触部を石けん水で洗浄し、多量の水を用いて洗い流したのち、汚染された衣服やくつ等を脱がせる。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
1.潮解している場合でも可燃物と混合すると常温でも発火することがある。
2.潮解し易く直ちに薬傷を起こすので、その取扱いについては皮膚に触れないように注意する。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、防じんマスク