二硫化炭素

別名:
CS
劇物:(二硫化炭素)
(性状) 無色又は淡黄色の液体で特異臭がある。蒸気は空気より重い。二硫化炭素ガス比重2.64(空気を1とする)、引火点−30℃、爆発範囲1.3〜44%、沸点46.2℃、比重1.26、水に溶けにくい(22℃で水100mlに0.22g溶ける)。アルコール、エーテル、ベンゼンその他の有機溶剤と任意の割合で混合する。ゴム、樹脂、イオウ、リン、ロウ、脂肪などをよく溶解させる。

措  置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。付近の着火源となるものを速やかに取り除く。作業の際には必ず保護具を着用する。その際、特に保護具の材質に注意すること。風下で作業をしない。
(少量) 漏えいした液は水で覆った後、土砂等に吸着させて空容器に回収し、水封後密栓する。そのあとを多量の水を用いて洗い流す。
(多量) 漏えいした液は、土砂等でその流れを止め、安全な場所に導き水で覆った後、土砂等に吸着させて空容器に回収し、水封後密栓する。そのあとを多量の水を用いて洗い流す。
この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないように注意する。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能の場合は、容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
十分な水を用いて消火する。消火作業の際には必ず保護具を着用する。
(消火剤)
暴 露・接 触 時
人体に対する影響
(吸入した場合)
興奮状態を経て麻ひ状態に入り意識がもうろうとし、呼吸麻ひを起こし、死亡することがある。回復期に猛烈な頭痛を伴う。
(皮膚に触れた場合)
皮膚を刺激し、皮膚からも吸収され、吸入した場合と同様の症状を起こす。
(眼に入った場合)
粘膜を刺激して炎症を起こす。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移す。
呼吸困難又は呼吸が停止しているときは直ちに人工呼吸を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに汚染された衣服やくつを脱がせる。直ちに付着又は接触部を石けん水又は多量の水で十分に洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
1.非常に蒸発しやすく、その蒸気は空気と混合して爆発性混合ガスとなるので火気は絶対に近づけない。
2.引火点−30℃、発火点100℃の極めて燃焼しやすい液体で電球の表面に触れるだけで発火することがある。
3.静電気に対する対策を十分考慮する

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋(合成ゴム)、保護長ぐつ(合成ゴム)、保護衣(保護前掛は合成ゴム)、有機ガス用防毒マスク(火災時:空気呼吸器)