硫酸ジメチル

別名:
(CHO)SO
劇物(ジメチル硫酸)
(性状) 無色油状の液体で、わずかににおいがある。水と反応して硫酸水素メチル(モノメチル硫酸)とメタノールとを生ずる。沸点188℃、比重1.335、引火点83.3℃。

措  置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。
作業の際には必ず保護具を着用する。風下で作業をしない。
(少量) 漏えいした液はアルカリ水溶液*で分解した後、多量の水を用いて洗い流す。
(多量) 漏えいした液は土砂等でその流れを止め、安全な場所に導いてアルカリ水溶液*で分解した後、多量の水を用いて洗い流す。
この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。
*(注)水酸化ナトリウム水溶液(5〜10%)、アンモニア水(約10%)が適当である。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能の場合は、容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
消火剤で覆って消火する。その後漏えい時の処置を採る。
(消火剤)
炭酸ガス、水
暴 露・接 触 時
人体に対する影響
暴露接触してもすぐには症状が現われず、数時間から24時間後に次のような影響が現れる。
(吸入した場合)
のど、気管支、肺などが激しく侵される。又中枢神経に作用して睡気、麻ひ、けいれん、こん睡などを起こす。はなはだしい場合は肺水腫を起こす。
(皮膚に触れた場合)
発赤、水ぶくれ、痛覚喪失、やけど(薬傷)を起こす。また皮膚から吸収され全身中毒を起こす。
(眼に入った場合)
眼、まぶたを刺激し、重い障害を起こす。
救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、速やかに医師の手当てを受ける。呼吸困難のときは酸素吸入を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに付着又は接触部を多量の水で十分に洗い流す。汚染された衣服やくつは速やかに脱がせる。速やかに医師の手当てを受ける。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流し速やかに医師の手当てを受ける。
なお、症状の発現は遅いので一見無症状を呈するようであっても、又障害が軽微にみえても一昼夜安静にさせる。

注 意 事 項
湿気及び水と反応してモノメチル硫酸を生じ、これが鉄などを腐食する。

保 護 具
保護手袋(ゴム)、保護長ぐつ(ゴム)、保護前掛(ゴム)、保護眼鏡、酸性ガス用防毒マスク