硫酸ヒドロキシルアミン

別名:
(NHOH)・HSO
劇物:(ヒドロキシルアミン塩類及びこれを含有する製剤)
(性状) 白色結晶。融点170℃(分解)。水に溶けやすい。(25℃で水100mlに63.7g溶ける)。アルカリと接触するとヒドロキシルアミンを生成する。ヒドロキシルアミンは不安定であり、59℃以上で爆発的に分解する。

措  置
漏 え い 時
飛散した場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。作業の際には必ず保護具を着用し、風下で作業をしない。
飛散したものは空容器にできるだけ回収し、回収物を直ちに水に溶かし、回収しきれなかった分は、そのあとを多量の水を用いて洗い流す。この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には、しゃへい物の活用等容器の破損に対する防護措置を講じ、容器及び周囲に散水して冷却する。容器が火炎に包まれた場合には爆発・破裂の危険があるので近寄らない。
(着火した場合)
消火剤又は多量の水を用いて消火する。消火作業の際には必ず空気呼吸器その他の保護具を着用し、風下で作業をしない。
(消火剤)
暴 露・接 触 時
急性中毒と刺激性
(吸入した場合)
鼻、のど、気管支等の粘膜を刺激し、悪心、嘔吐、下痢、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青黒くなる)を起こす。はなはだしい場合には肺水腫を起こし、呼吸困難を起こす。
(皮膚に触れた場合)
皮膚を刺激し、炎症を起こす。皮膚からも吸収され、吸収した場合と同様の中毒症状を起こす。
(眼に入った場合)
粘膜を刺激し、炎症を起こす。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、鼻をかませ、うがいをさせる。呼吸が困難な場合又は呼吸が停止している場合には、直ちに人工呼吸を行い、心臓が停止している場合には直ちに心臓マッサージを行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに汚染された衣服やくつ等を脱がせ、付着部又は接触部を石けん水で洗浄し、多量の水を用いて洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
吸入した場合、皮膚に触れた場合には、メトヘモグロビン血症(血液毒性)を起こすことがある。中毒症状が発現した場合には、至急医師による適切な手当てを受ける。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、防じんマスク
(火災時:空気呼吸器)