燐化アルミニウムとその分解促進剤とを含有する製剤

別名:燐化アルミニウムくん蒸剤
AlP+NHCOONH
特定毒物(燐化アルミニウムとその分解促進剤とを含有する製剤)
(性状) 黄燐化アルミニウム(AlP)とカルバミン酸アンモニウム(NHCOONH)の分解促進剤とを主成分とする淡黄褐色錠剤。通常、流通しているのは燐化アルミニウム56〜57%を含有するものである。なお、燐化アルミニウムは空気中の湿気に触れると徐々に分解して燐化水素ガスを生じる。比重2.9。

措  置
漏 え い 時
飛散した場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。作業の際には必ず保護具を着用し、風下で作業をしない。
飛散したものの表面を速やかに土砂等で覆い、密閉可能な空容器に回収して密閉する。燐化アルミニウムで汚染された土砂等も同様な措置をし、そのあとを多量の水を用いて洗い流す。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
初期の火災には土砂等で覆い、空気をしゃ断して消火する。大規模火災の場合には霧状の水を多量に用いて消火する。火災時には有毒なホスフィン(燐化水素)ガスを発生するので、消火作業の際には必ず空気呼吸器その他の保護具を着用する。
(消火剤)
土砂、水
暴 露・接 触 時
急性中毒と刺激性
(吸入した場合)
頭痛、吐き気、嘔吐、悪寒、めまい等の症状を起こす。はなはだしい場合には肺水腫、呼吸困難、昏睡を起こす。
(皮膚に触れた場合)
直接皮膚に触れると炎症を起こす。
(眼に入った場合)
異物感を与え、粘膜を刺激する。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、鼻をかませ、うがいをさせる。呼吸が困難な場合又は呼吸が停止している場合には直ちに人工呼吸を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに汚染された衣服やくつ等を脱がせ、付着部又は接触部を石けん水で洗浄し、多量の水を用いて洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
1.火災等で燃焼すると有毒なホスフィン(燐化水素)を発生する。
2.酸と接触すると有毒なホスフィンを発生する。ホスフィンは少量の吸入であっても危険なので注意する。
3.水と徐々に反応してホスフィンを発生する。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、空気呼吸器