酢酸トリフェニル錫

別名:トリフェニル錫アセタート
(CSnOCOCH
劇物:(水酸化トリアリール錫、その塩類及びこれらの無水物並びにこれらのいずれかを含有する製剤。2%を超えるもの)
(性状) 白色粉末。融点120〜125℃。水に不溶。キシレン、メタノールにやや溶けやすい。

措  置
漏 え い 時
飛散した場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。作業の際には必ず保護具を着用し、風下で作業をしない。
飛散したものは空容器にできるだけ回収し、そのあとを多量の水を用いて洗い流す。
洗い流す場合は、中性洗剤等の分散剤を使用する。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には、容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
多量の水を用いて消火する。消火作業の際には必ず保護具を着用する。
(消火剤)
粉末、泡、水
暴 露・接 触 時
急性中毒と刺激性
(吸入した場合)
鼻、のど、気管の粘膜を刺激し、頭痛、めまいを起こす。はなはだしい場合には肺水腫を起こすことがある。
(皮膚に触れた場合)
皮膚を刺激し、炎症を起こすことがある。
(眼に入った場合)
粘膜を刺激し、炎症を起こす。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
1.鼻をかみ、うがいをさせる。
2.はなはだしい場合には患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移す。呼吸困難を起こしているときは人工呼吸を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに汚染された衣服やくつ等を脱がせたのち、付着又は接触部を石けん水で洗浄し、多量の水を用いて洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
1.火災時など、加熱されると122℃付近で熔融し、流れ出し、有機錫の蒸気を発生するので注意する。
2.燃焼すると酸化錫( IV )の煙霧及びガスを発生する。煙霧及びガスは有害なので注意する。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、防じんマスク
(火災時:空気呼吸器)