三硫化二砒素

別名:
As
毒物(砒素化合物及びこれを含有する製剤)
(性状) 黄色の粉末又は赤色の結晶。融点300℃。水にほとんど溶けない(18℃で水100mlに5.2×10−5g溶ける)。エタノールに可溶。

措  置
漏 え い 時
飛散した場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。作業の際には必ず保護具を着用し、風下で作業をしない。
飛散したものは空容器にできるだけ回収し、そのあとを硫酸第二鉄等の水溶液を散布し、消石灰、ソーダ灰等の水溶液を用いて処理した後、多量の水を用いて洗い流す。この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
初期の火災には粉末、二酸化炭素、乾燥砂等を用いて消火する。大規模火災の場合には水噴霧を行う。火災時には有毒な酸化砒素( III )の煙霧及びガスが発生するので、消火作業の際には必ず空気呼吸器その他の保護具を着用する。
(消火剤)
粉末、二酸化炭素、乾燥砂、水
暴 露・接 触 時
急性中毒と刺激性
(吸入した場合)
鼻、のど、気管支等の粘膜を刺激し、頭痛、めまい、悪心、チアノーゼを起こすことがある。はなはだしい場合には血色素尿を排泄し、肺水腫を起こし、呼吸困難を起こす。
(皮膚に触れた場合)
しばらく後に、接触部位に湿疹、水疱、炎症又は潰瘍を起こすことがある。
(眼に入った場合)
粘膜を刺激して結膜炎を起こす。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、鼻をかませ、うがいをさせる。呼吸が困難な場合又は呼吸が停止している場合には直ちに人工呼吸を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに汚染された衣服やくつ等を脱がせ、付着部又は接触部を石けん水で洗浄し、多量の水を用いて洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
1.酸化剤と混合すると爆発性を有するようになるので注意する。
2. 火災等で燃焼すると酸化砒素( III )の煙霧及びガスを発生する。煙霧は少量の吸入であっても強い溶血作用があり、危険なので注意する。
3. 酸と接触すると硫化水素ガスを発生する。ガスは有害なので注意する。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、防じんマスク(火災時:空気呼吸器)