ジボラン

別名:ボロエタン

毒物:(ジボラン及びこれを含有する製剤)
(性状) 無色の特異な不快臭のある気体。比重0.95(空気を1として)。沸点−92.5℃。融点−165.5℃。蒸気圧100@Hg(−120.9℃)。発火点38〜52℃。爆発範囲0.8〜98%。水により加水分解し、水素のガス及び硼酸を生成する。40〜50℃に加熱すると自然発火する。

措  置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。水で漏らした手ぬぐい等で口及び鼻を覆う。漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。付近の着火源となるものは速やかに取り除く。作業の際には必ず空気呼吸器その他の保護具を着用し、風下で作業をしない。漏えいしたボンベ等を多量の水酸化カルシウム水溶液と酸化剤(次亜塩素酸ナトリウム、さらし粉等)の水溶液の混合溶液中に容器ごと投入してガスを吸収させ、酸化処理し、その処理液を多量の水で希釈して流す。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合にはしゃへい物の活用等容器の破損に対する防護措置を講じ、容器及び周囲に散水して冷却する。容器が火災に包まれた場合には爆発・破裂の危険があるので近寄らない。
(着火した場合)
噴出したガスに着火し、かつ、噴出を容易に止められない場合には消火せずに燃焼させる。消火作業の際には必ず空気呼吸器その他の保護具を着用し、風下で作業をしない。
(消火剤)
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暴 露・接 触 時
急性中毒と刺激性
(吸入した場合)
鼻、のど、気管支等の粘膜を刺激し、炎症を起こす。はなはだしい場合には肺水腫を起こし、呼吸困難を起こす。
(皮膚に触れた場合)
直接液に触れると皮膚を激しく刺激し、炎症を起こす。
(眼に入った場合)
粘膜を刺激し、炎症を起こす。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移し、呼吸が困難な場合又は呼吸が停止している場合には直ちに人工呼吸を行い、心臓が停止している場合には直ちに心臓マッサージを行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに汚染された衣服やくつ等を脱がせ、付着部又は接触部を多量の水を用いて洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
1.アルコール類及びハロゲンと接触すると発火することがあるので注意する。ハロン系消火剤を使用してはならない。
2.火災等で燃焼して酸化ホウ素の煙霧を発生する。煙霧は有害なので注意する。
3.ジボランは少量の吸入であっても危険なので注意する。
4.可燃性の気体であるので注意する。
5.40〜50℃で自然発火するので注意する。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、空気呼吸器