DDVP

別名:ジクロルボス、ジメチル−2,2−ジクロルビニルホスフェイト
劇物:(ジメチル−2、2−ジクロルビニルホスフェイト及びこれを含有する製剤)
(性状) 無色又はごく薄い黄色のエーテル様臭気のある透明な液体。沸点140℃(20@Hg)。比重1.42。蒸気圧1.2×10−2@Hg(20℃)。水にやや溶けにくい(20℃で水100mlに1g溶ける)。有機溶剤に溶けやすい。水中で徐々に加水分解する。

措  置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。付近の着火源となるものを速やかに取り除く。作業の際には必ず保護具を着用し、風下で作業をしない。漏えいした液は土砂等でその流れを止め、安全な場所に導き、空容器にできるだけ回収し、そのあとを消石灰等の水溶液を用いて処理した後、多量の水を用いて洗い流す。洗い流す場合には中性洗剤等の分散剤を使用して洗い流す。この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないよう注意する。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合には容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
消火剤、水噴霧等を用いて消火する。消火作業の際には必ず保護具を着用する。
(消火剤)
水、粉末、泡、二酸化炭素
暴 露・接 触 時
急性中毒と刺激性
(吸入した場合)
倦怠感、頭痛、めまい、嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、多汗等の症状を呈し、はなはだしい場合には、縮瞳、意識混濁、全身けいれん等を起こすことがある。
(皮膚に触れた場合)
軽度の紅斑、浮腫等を起こすことがある。放置すると皮膚より吸収され中毒を起こすことがある。
(眼に入った場合)
粘膜を激しく刺激し、はなはだしい場合は、全身けいれん、縮瞳等を起こすことがある。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移す。
呼吸が困難な場合又は呼吸が停止している場合には、直ちに人工呼吸を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに汚染された衣服やくつ等を脱がせ、付着部又は接触部を石けん水で洗浄し、多量の水を用いて洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
1.アルカリで急激に分解すると発熱するので、分解させるときは希薄な消石灰等の水溶液を用いる。
2.中毒症状が発現した場合には、至急医師による2−ピリジルアルドキシムメチオダイド(別名PAM、プラドキシムヨウ化メチル)製剤又は硫酸アトロピン製剤を用いた適切な解毒手当てを受ける。ただし、2−ピリジルアルドキシムメチオダイド製剤を使用しても効果が認められなかった場合には、硫酸アトロピン製剤にかえること。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、有機ガス用防毒マスク(火災時:空気呼吸器)