ヨウ化水素酸

別名:
HI・aq
劇物:(沃化水素、沃化水素を含有する製剤)
(性状) ヨウ化水素は無色の刺激性、腐食性のガスである。沸点−35.4℃。水に極めて溶けやすい(25℃で水100gに128g溶ける)。ヨウ化水素酸は普通ヨウ化水素の58%水溶液で、褐色又は淡黄色の液体で激しい刺激臭がある。腐食性が強い。強酸性である。

措  置
漏 え い 時
風下の人を退避させる。漏えいした場所の周辺にはロープを張るなどして人の立入りを禁止する。
作業の際には必ず保護具を着用する。風下で作業をしない。
漏えいした液は、ある程度水で徐々に希釈した後、消石灰、ソーダ灰等で中和し、多量の水を用いて洗い流す。
この場合、濃厚な廃液が河川等に排出されないように注意する。
出 火 時
(周辺火災の場合)
速やかに容器を安全な場所に移す。移動不可能な場合は、容器及び周囲に散水して冷却する。
(着火した場合)
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(消火剤)
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暴 露・接 触 時
人体に対する影響
(吸入した場合)
毒性が強く、濃厚な蒸気を吸入すると肺水腫で死亡することがある。
(皮膚に触れた場合)
刺激性が強く炎症、かいようを起こす。
(眼に入った場合)
眼の粘膜が激しく刺激され炎症を起こし失明することがある。
医師の処置を受けるまでの救急方法
(吸入した場合)
直ちに患者を毛布等にくるんで安静にさせ、新鮮な空気の場所に移す。
呼吸困難又は呼吸が停止しているときは直ちに人工呼吸を行う。
(皮膚に触れた場合)
直ちに汚染された衣服やくつを脱がせる。直ちに付着又は接触部を石けん水又は多量の水で十分に洗い流す。
(眼に入った場合)
直ちに多量の水で15分間以上洗い流す。

注 意 事 項
1.大部分の金属、コンクリート等を腐食する。
2.ヨウ化水素酸は爆発性でも引火性でもないが、各種の金属と反応して水素ガスを発生し、これが空気と混合して引火爆発するおそれがある。
3.直接中和剤を散布すると発熱し飛散することがある。

保 護 具
保護眼鏡、保護手袋、保護長ぐつ、保護衣、酸性ガス用防毒マスク