【冷淡な上役を避ける】

心底からの冷酷な管理者とはビジネス社会においても希な存在です。
その数少ないうちの一人に当たるとは、自分も不運である。抵当物件の土地を欲しいばかりに返済日に自宅を留守にする高利貸しのような、エセ紳士をわざと避けていたかも知れません。

上役を避けるということは、別に珍しいことではありません。友好的な上役と仕事をした方が、自分のためになると考えるのは当然のことなのです。しかし、上役が冷酷な人物だとなると、話は別です。誰が好き好んでそんな人間に冷たくあしらわれたいと思うでしょうか。

このタイプの上役を避け始めたときには、自分はSOS(救難信号)を発信しているのです。挫折したのです。自我を傷つけられはしないか、左遷されはしないか。拒絶されはしないか、威厳を失いはしないか、と、いった恐れのために上役とのほんのちょっとした対決さえも避けようとするのです。どんな仕返しをされるかも知れないので、意見を言うのにも遠慮する始末です。

こうした上役が、前にも何か仕返しをするのを、自分でも見たり聞いたりしてみていたのかも知れません。恐れや不安にとらわれて、その二の舞になるのがいいの か、それとも、よりよい地位につくために、何をするのがいいのか、考えてみるべきです。上役も、一応人間なのだと考えて、次のような行ないについて考えを進めてみたいと思います。

これが皮切りです。不平不満を次から次へとまくし立てるのでなく、どうしてそう感じるのか不思議で仕方がないという風に持って行くと、上役に、部下達を ちゃんと扱っていなかったと分からせるチャンスも生まれるかも知れないのです。自分はチャンスがあるかも知れない、といった。冷酷な人間が必ずしも変身が早 いとは限らないからです。それは自分は少なくとも、上役との関係を改善することに賭けているのであるからです。

上役が、男性であれ、女性であれ、正面攻撃をかけることは容易なことではありません。それには、勇気が必要です。成功することもありますが、失敗することも十分に考えられます。けれども、試してみなくては、どちらともいえません。もし成功したら、状況はずっと良くなる筈です。失敗したら、失敗したときのことです。いつも上役を避けなくてならないような、精神的に良くない環境で働くには、人生は、余りにも短すぎるからです。

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