とにかく電球を点燈してみる

 電気は目に見えませんが、とにかく何らかの「仕事」をしてくれることはご存知の通りです。電子レンジなら食べ物を暖める、洗濯機なら洗濯する、といった具合です。電気通になろうでは、まず、目に見えない電気に目に見える仕事をさせることにしましょう。


 とにかく、乾電池と電球を下の絵のように接続してみましょう。下の絵は次のようなことを表現しています。

(1)電池の突起のついた部分(+極)に電気が流れる経路(導線)が電気的に接続されている。

(2)その導線は電球の片方の電極に電気的に接続されている。

(3)電球のもう片方の電極にはさらに導線が電気的に接続されている。

(4)その導線は電池の突起の無い方(−極)に電気的に接続されている。

 「導線」とは、電気が流れることができる経路のことでここでは金属でできた糸状のものと思いましょう。また、「電気的に接続されている」とは、きれいな光っている金属と金属が接触していることだと思ってください。

 もっとも、私たちは手は2つしかありませんから1箇所か2箇所くらいなら手で支えて金属同士を接触させておくこともできますが、それ以上になるとそんな器用なことはできなくなってきます。そこで、「わに口クリップ」あるいは「みの虫クリップ」などとよばれるクリップが先端についた導線を使用することにします。みの虫クリップは、次のように使用します。

 

 左はもちろん2本の導線は接続されていません。片方の導線の金属部分を右のようにみの虫クリップでつまむことで2本の導線を接続します。これで、手を離しても大丈夫というわけです。ところで、電球や電池はみの虫クリップでもなかなか上手につまめません。そこで、電池や電球を専用のケースに収めて、電池や電球もみの虫クリップで接続できるようにします。

 結局、始めの絵の通りに接続すると次の写真のようになります。

 ごらんのように、電球が明るく点燈しました。これは、電池が持っているエネルギーが導線を通って電球に伝わり、電球がこのエネルギーを光に変えているという現象が見えているのです。

 とにかくここでは、次のように理解してください。

(1)電池には電気エネルギーを発生する働きがある。

(2)導線(金属線)には電気エネルギーを伝達する働きがある。

(3)電球は電気エネルギーを光に変換する働きがある。(というか、電気エネルギーを光に変換する部品が電球なわけですが。)

 [2001/05/14追記]さて、実験を終了したら、電池をケースからはずしておきましょう。電球をつけっぱなしでは電池はすぐに弱ってしまいますし、感電事故などを防止する観点からも使用していない電気回路はつねに電源を切っておくことが重要です。(もっとも、電池2本で感電などするわけ無いですけど。)


 [以下2001/05/14追記]ところで、KamiSimを用いて上記の実験をシミュレートするには次のようにします。KamiSimを起動して、Deviceメニューの中を探して「接地」「電球」「直流電源」「Y型分岐」を選択するとそれぞれの部品が配置されます。そして、下の図のようにおのおのの部品を配線します。配線は、部品パネルに表示される黒四角をクリックすることで行えます。さらに、電池の電圧を3V(電池の電圧)にするために直流電源に「3」と入力します。また、電球は3Vで光る1Wということで電球「3」「1」を入力します。

[Aug.1, 2001]※KamiSimのバージョンアップに伴って、画像を差し替えています。

 準備ができたら、「Simulate - 直流解析」メニューを選択します。すると、回路解析が実行されて電球が光ります。

[Aug.1, 2001]※KamiSimのバージョンアップに伴って、画像を差し替えています。

 基本的にははじめに出てきた図の通りですが、実際の実験では接続しない接地という部品が出てきました。これは、今のところシミュレーションを実行する際には必ず接地を配置する必要があるのだ、とだけ覚えておいてください。現実にも、電気回路を設計するときには感電事故などを防止する観点からも接地を常に意識しなければならないのですが、今のところは気にしなくてもかまいません。

 接地を配置しなければ、KamiSimはエラーメッセージを表示しますが、これはちょっと不親切でしたね。接地を配置しなければならない旨を表示するように、近いうちに改めるようにします。

[Aug.1, 2001]KamiSimのバージョンアップに伴う修正: 接地を配置しなければ、KamiSimは接地を配置するようにメッセージを表示しますので、接地を配置・接続して再度解析を実行してください。


電気通になろうへ戻る