2000年2月25日(金) 新宿LOFT
今日のライブは22:00開場、22:30開演予定。区役所通りの駐車場にクルマを置いてハナ金の歌舞伎町を歩くと、パブや風俗店の看板、キャバクラやホストクラブの呼びこみ、やたらとデカイ外車がひしめいている。会場のロフトに着いたのは21:50。B2の階段にすでに人が並んでいて、22:00を2〜3分過ぎたところで入場開始。前回の「W POPPERMOST TOUR」で使用したホール側ではなく、今回はバーの側のステージを使用。会場に入って見ると、小さなステージに森若さん用のイスとアコースティックギターとマイク、後ろにずらっとパーカッションとイスが２つ。フロアには意外にもパイプイスが２０脚ならべてあってその後ろをバーカウンターと立ち見スペースで取り囲むというセッティング。イス席の３列目を確保して着席。とてもステージとの距離が近く、こじんまりした感じで、限られた人のために森若さんが歌ってくれるんだと思うとなかなかぐっとくるものもある。
定刻の22:30を５分ほど過ぎた頃に、開場の後ろの方でややざわめきがあって、なんと立ち見客の間を縫って森若さんが登場。ステージの後ろの洋楽のプロモフィルムは流れているし、フロアの照明も落ちていないのでほんとに唐突にやってきて意表を突かれる。森若さんは、茶髪の肩までのソバージュを前髪だけ髪留めで頭の後ろで留めて、白のタンクトップにジーンズというスタイル。「こんばんはぁ」と挨拶すると、客席の女性から「カワイイ！」と声が飛び「ありがとう」とニッコリ。ステージのイスに座ってギターを構えると、パーカッションの２人がまだスタンバイできていないのを見て、「なんか、私一人やる気出してる（笑）。ふつうこう言うのって、私が最後に出てくるんだよね。」。２人のセッティングを待ってから、１曲目へ。
ハッピー・マニア この間も背後のスクリーンのフィルムは流れつづけ、この曲の後のＭＣで消える。ステージ左上のモニター画面にはステージ上の森若さんの映像が流れる。ステージも強烈なスポットがあたっているわけでもなく、客席の照明も一部ついているので、ステージ上からも客席の表情がよく見えるようで、「なんか、いつにない緊張感。心地よいんですけど。」と。「寒くて雪が降るとかいっているけど、もうスグ春なんで、無理やり春にしちゃいましょう！春の歌があるんで聞いてください。」と２曲目へ。
春ル・ララ パーカッションの２人、「おいちゃん」「サニーさん」を紹介。サニーさんのスタイルがタンクトップにキャップとヒゲなのをみて「今日はヴィレッジ・ピープルもどきでホモっぽいんです。」と紹介して、おいちゃんから「どんな紹介してんの」と突っ込みが入る。「もうすぐ春になって入学式とかある季節なんだけど、こういうスタイルのライブをやるのは初めてなんで、今日はなんか入学式の日みたいな感じ。はじめてあった人ばかりなんだけど、まわりの人をキョロキョロ見て、『どっちの組に入ろうかな』って緊張しているみたいなそんな感じです。」といって「シリアル・キラー」へ。
シリアル・キラー
ブルーベリーデイズ
FREEDOM 客席からじっくり座って観察（？）できるので、ブルーベリーデイズとFREEDOMはどちらも２曲ともＤ-Ｇ-Ａのスリ−コードなんだ、と改めて気付いて、コード簡単でもメロディーきれいな曲作って、やっぱこの人は才能あるよなぁと思って聞き入る。今日はアコースティックギター一本なので、音量もおとなしく、ボーカルもはっきり客席に伝わってくる。
「今歌ってて、『自由って何のことだ？』って、そうか私はこんなこと言っるんだ、って改めて気付いちゃた。バンドでやっている時はバックの音が大きいから、歌っていても歌詞は意味より音として耳に入ってくるんだけど、今日は意味まで考えながら歌ってて、曲作ったのは何年か前なんだけど、自分の言ってることに責任持たなきゃいけないんだって思ってしまいました（笑）。今回はタイトルはKaolyricsですから。」
「毎年テーマを考えていて、去年は『MORIWAKA CHAOS』でなんでもまざっちゃうのがイイって思ってやりました。ことしは当初『モリワカカタリ』って考えてたんだけど、カオスはまだいいけど、カタリは音の響きがどうかと思って、『Kaolyrics』にしたんですよ。」といって、自分の着ている白のタンクトップにピンクで書かれたロゴを示す。「ほら、『Kaolyrics 2000 VOL.1』でしょ。『VOL.1』ってことは『VOL.2』もやるってことで、今年は毎月こういうライブをやります。」と聞いて客席から歓声が上がる。「来月は24日。だっけ？」とスタッフに確認してから「24日です。みなさんまた来て下さいね。」と告知。客席からどこでやるの？と聞かれて「ここです！ここはもう私のホームグランドですから。・・・って今勝手に私決めちゃった。ここで初めてやるクセに（笑）。すみませ〜ん、みなさん。」。やや長めのＭＣで和んだところで次の曲へ。イントロのパーカッションを２人が並んで演奏しているのを森若さんが振返って見て「やっぱりホモっぽいよ！」と爆笑して、一回中断。「途中で自分で腰を折っちゃいました、済みませ〜ん！」と本当に演奏開始。
夢見るロック 夢見るロックに続いて次の曲HEAVENを歌い始めるが、「あれぇ！違うよねぇ！」といって演奏中断。「これはイントロからちゃんとやろうって言ってたんだよねぇ」とパーカッションの２人に確認。おいちゃんが「ヘンだと思ったんだよね。」と答えて、イントロからやりなおし。
HEAVEN ここでギターを置いて、かがみこんで床に置いてあったハードケースからウクレレを取り出す。「アルバムに１曲づつウクレレで作った曲があるんですけれども、一番新しい歌『おおきな月』を。みんなのうたね。」といってウクレレを爪弾きだす。
大きな月 ウクレレをハードケースにしまいながら、「もっとやりたい、とかもっと聞きたいっていうところでやめるのがいいと思いまして。今年は毎月やるので、一回のライブでは少しづつやって、のこりは次回ということでやりましょう。こんな時間に始めて朝までやるわけにも行かないし、まだ電車のある時間に終わらせようということで。来月も気軽な感じで来て下さい。」といって最後の曲へ
アルファベッツ 歌い終わると客席に手を振って立ち上がり、「あれ？どうやって帰るのかな？」と笑いながら、登場してきた時と同じように、立ち見客と握手をしながらその間をかき分けて、バーの奥のほうに設けられた特設楽屋に消えて行ってライブ終了。ライブ開始から１時間弱、演奏曲数9曲。
演奏する方も気軽、客席も座りっぱなしで気楽、お互いの表情もよく見え、距離感も近くてなかなか楽しいライブ。来月も気軽に行ってみたいという気になる。
外に出ると、まだ０時前の歌舞伎町。相変らずいろんな空気が交じり合った混沌とした光景が広がっていた。