2000年3月24日(金) 新宿LOFT
前回のVOL.1からちょうど1ヶ月後にまた同じ時間、同じ場所でのライブ。前回と同じようにステージと客席の一体感がまた味わえるかと思うと期待が高まる。前回が先着順の入場だったので少し早めに家を出たのだが、新宿に着いてから区役所通りの大渋滞で結局前回と同じ21:50頃に会場着。着いて見ると並んでいる人がいなくて拍子抜け。と思ったら今日は整理番号順の整列入場であった。ホール側に並んでいると中でリハーサルの音が聞こえてくる。開演30分前を切ってもリハやってることにちょっと驚き。でも考えて見れば、今日は19:00からホールで別のライブがあったハズなので仕方がないのかも。ステージと客席の配置は前回と全く同じ。小さなステージのフロアに置かれた20個ほどのパイプ椅子の最前列をキープして着席。これはステージと異様に近い!
22:30を過ぎてすぐ、パーカッションの2人が登場。続いて森若さんがギターを抱えて現れる。今日は黒のタンクトップに黒の革パンツ。胸には「Kaolyrics 2000 Vol.2 Unplugged」と金のロゴ。首は革のネックレス状のもの(あれはなんと呼んだらよいのだろう?)。「みなさん、こんばんはぁ」といいながらイスに着席。客席の女のコから「カワイイ!」と声が飛んで「どうも。」と応える。客席のすぐ脇からほとんどお客をかき分けて入ってくるので、「なんかここから出てくるのってスゴイ(笑)。そういうライブなんで、あんまり気合入れないで、楽しんでください。ここからも全部見えるんで。そういう状態なんで〜。」 ここでヴォーカルマイクの高さをスタッフに調整してもらっていたら、森若さんの顔面にマイクが激突。「そんなに憎い?何なの?挑戦的?」といって笑わせたところで、「じゃあ、その挑戦をお受け致しますわ。アルファベッツ。」といって1曲目へ。
アルファベッツ アレンジは前回と同じだろうか。前回はラストに演奏したので、客席も本人もかなりテンションが高かったが、今日は様子を伺いながらのスタート。
「どうもありがとう。今の曲はアルファベッツという曲で、『あいをいのろううたおうえいこうにおどろう』と五十音順になっているんです。『あいうえおかきくけこ』で、これは友だちのイラストレーターの下条ユリという女がいるんですよ。ある雑誌で彼女があいうえお何とかとかいって書いたんですよ。それを面白いなと思って、やりたいなと思って『あいうえお同盟』を作って広めようと思ったんだけど、全然広まんなかった(笑)。『あいうえお』詩を書くのはすごく面白くて、ユリちゃんはいっぱい書いているんですけど、私はこれしか書いていないんです。で、私の場合は詩だけじゃなくてメロディーもつくんですけど、どう考えても、『わいうえを』だけが入らなかったんですね。変な歌になっちゃいそうで。『やりたいゆめをよぼう』でしょ、あ、ラ行も結構大変だったんだ。ラリルレロも入れなきゃいけないと思って、『ラブリールビーレッド』、最後は『ロック』だなこれはと(笑)。それで終わっちゃった、どうしようと、それで『ワーォイェーイ』と(一同爆笑)。それをね、レコーディングのときに、『W RainboW』っていうアルバムなんですけど、プロデューサーのアイゴン、会田くんが、『いきなりワーォはないんじゃない』っていうことでちっちゃい、50'sっぽくカワイイ声で入っているので、アルバム持っている人はお家に帰ってもう一度聞いてみてください。」と、言ったところで、ギターのコードを弾き始めるものの、このへんでおしゃべりが止まらなくなったご様子。「次の曲は、えーとね。そうだ、ちょっと今日は話したい気分なので、話していい?ぎゃはは。」と結構好調。「あんまり話すと、だんだん、さだまさし?ああいうフォークの人になっちゃうけど(爆笑)。もう深夜だし、公開深夜ラジオってことで。ぜんぜんラジオじゃないんだけど。じゃ、曲の説明なんかしながらやってこうかなと。」
「次の曲は、あの、そうだ。たとえばよく恋愛っていうけど『恋を失くす』っていうけど、『ハートブレイク』とかいって。『失くすってどういうこと』って、考えて、あたしは今まで『正しい』って字書いたら、かなり、失くしまくり?『失くすってどういうこと』って考えたら、最初のころ小学生っていうか10代くらいの頃は、すごく素直に『恋を失くしてしまった』と。だんだんだんだんこの歳になると、『また失くしちゃったよ』みたいな(笑)だんだん慣れてきちゃって。『まいったなぁー』と思って。『まいったなぁー』と思ったことは必ず歌にするんです。それで、次の曲は、『失くす』どころかほとんど、『殺人』ならぬ『殺ハート』?『殺し合い』?だなっと思って。『殺し合い』みたいなタイトルで。シリアルキラー」
シリアルキラー 曲の最後の「いつか大きな愛になりたくて生まれた恋は」の後で歌詞忘れで鼻歌状態に。最後の最後のところの「ごめんなさい」は歌詞を歌ったというより、歌詞忘れを客席にあやまっているようなホントの「ごめんなさい」になってしまって、客席も一同爆笑。
歌い終わった瞬間、「ごめんなさい(笑)」と再度。「これはね、私ちょっと近いでしょ。だからね、フッとね、色んな、ライブじゃないことまで考えちゃうんですよ。この歌詞の最後のところは、『こんな小さな愛も育てられない女が、一番偉大なものは愛だ、とかほざいています。ごめんなさい』って言おうとしたんですけど、その前に一回『手拍子』とか『やりませんか?』って言った割には『この曲で手拍子って何』って思って。みんな楽しく歌うんじゃなくて、『恋を殺す』とかいう歌で手拍子っていうのもなぁとか思ってたら、歌詞忘れちゃった。ごめんなさ〜い。」
「ちょっとこのライブ異常です。なんかね、私も今までライブ、13年やってんですけど、こういうライブほんと初めてで。どうかなぁ、ついに私もイルカか、なんて(爆笑)。でもいいや、誰かっていうんじゃなくて、あんまりいないってところで、やっていきたいと思います。」
「じゃあ、次の曲は、これは、ちょっとコワイ曲で。またね、恨みつらみの曲です。すいません、多いんですけど。恨みつらみがすごくてね。とにかく自分はもういないんです、この世に。だけど思い入れが、成仏できないんですよね。成仏できなくて、約束の場所にずっとこもっていて、心霊写真のような怖い話なんですけど。まぁ、現実というよりもちょっとフィクションがかった感じで、怖い。ま、『リング』でも見に行ったつもりで、そういう感じで楽しんでください。ブルーミントの橋の上。」といってカウント取ったところで、「あ、まちがえちゃった(笑)」といいて一回リスタート。
ブルーミントの橋の上 「12段目で、階段を、歩道橋の階段を、こっち側とこっち側が...コワイ曲を書こうと思って。なんだろうなぁ。成仏できない人がすごい可哀想だなと、何かのときに思ったことがあって、そのときにこういう曲書こうとか思って。歩道橋のこっち側とこっち側に階段があるじゃないですか。それで、何かの本で読んだときに、よく13という数字がコワイって言われるのは、13番目からは向こうの世界だって、本で読んだことがあって。それで、彼女はこっちで降りようとして12段目まで来て、もうそこからいけないんですね。13段目でふっと思い出して、こっち側に来てしまうという、そういう歌です。」ここで、森若さんのお友達がステージそばまできて挨拶。それを見て森若さんが一瞬ビビル。「ごめんなさい、今、アブナイ人かと思って。怖すぎる!」
「じゃあ、次の曲はお花の名前の曲があるんですけど、その中から、ガーベラ。」
ガーベラ 「お花のタイトルの曲は何曲かあるんです。最初にね、お花を見てたら、タイトルだけ浮かんで、ガーベラって曲にしました。その花を見てたら、花言葉辞典とか持ってるんだけどそれを見ないで自分で考えて見るんです、大体違うんですけど(笑)。お花って何か、こんなこと言うとね『フシギ女』って思われていやなんですけど、お花って本当に話しかけたりするとすごいきれいに咲いてくれたりするんですよ。お花と会話、フシギっぽいんですけど、この曲は、ガーベラって花を見ているときにね、書いた曲です。じゃ、次なんですけど、夢見るROCK。」
夢見るROCK
ブルーベリーデイズ 「ブルーベリーデイズも、ブルーベリーとかストロベリーとかすごい独特な果物の歌です。何でもそうだけど見かけってスゴク大事だと思います。見かけすごいですよね、果物も、お花も。『人は見かけによらない』っていうんだけど違うと思うんですよね。そういのを果物と話したときに思ったんです。だって変なこと言う人って、変な服着てると思いません?絶対、テレビとか見てても、『何かこいつ変なこと言ってる』と思うと何か変な服着てるような気がするのね。あってると思うんですよ。やっぱり勘だから、頭いい人っておしゃれなんですよね。で、おしゃれじゃないとダメっていうんじゃなくて、やっぱり見た目っていうのは気にするかしないか、っていうので、人生大きく変わりますね。それは。みんなでおしゃれしましょうね。見た目は大切っていうのは、やっぱり。とりあえず『清潔』アンド『ロック』ってことで(笑)。」
「次の曲は、LOVE SONG。」
LOVE SONG 「どうもありがとうございました。この曲、私ソロになって一番目に作った曲です。なので、自分としてもすごく大切な曲なんです。これはちょっと大切にします。これは、っていうか、全部大切なんですけどね、自分の曲は。アルバムに入っているのも入っていないのも、自分だけの曲も全部大切なので。あの、そうだな、アルバムに入っていない曲とかも、このライブでやろうかな、今度。いいですかね?今、『やります!』って言う前にちょっと聞いた方がいいかなって思ったんですけど。じゃあ、私はアルバム作るために曲を作るのが苦手で、割と自分で、さっきのガーベラとかブルーベリーの話もそうなんだけど、ブルーベリーとかストロベリーとか『カワイイ!』と思って歌にするのが好きなんですよね。昔からそうなんですけど。いっぱいあるんですよ。ホントはね、みんな知らない曲が。あたしだけしか知らない、誰も知らない曲とか。そういうのもやっていきたいと思います。」
「そういえば。『そういえば』じゃないですね(笑)。みなさんご紹介しますね。パーカッション及川浩志、おいちゃんです。セントラルというラテンのバンドやってます。いつだっけ、ライブがあります。4月5日にセントラル。ラテンの夜をあなたに(笑)。ということで、及川君です。」
「アンドもう一人。ワックワックリズムバンドからお越しいただきました、サニーです。ワックワックて何?ワックワックってどういう意味?ワクワクするってこと?違うの?」
(サニーさん)「『だめ』ってこと」
「『だめ』ってこと?ダメダメじゃん。ダメダメバンドから来た、サニーです。」ここでギターのチューニングを開始。
「そうだよね、こうやって、何気なくMCして、チューニングしますね。みなさんギター弾きます?チューニング得意ですか?あれ、あたしの笛は?ちょっとみなさんお茶でも飲んでてください(笑)チューニング見られるのやなんですよ(笑)。何でかって言うと、無言じゃないとできないじゃないですか。」
「そう、チューニングっていうのがね、昨日もイシバシ楽器にいたんですけど、『これ弾いていいですか?』なんて。大体、そういうときにね、あの、楽器屋さんって、みなさんも楽器やるとしたら、鏡が必要だと思いません?思うよ!!だって、もちろん音もそうだけど、自分に合うかどうかってあるじゃないですか。あたし、だってでっかいギター持ってんですけど、あれが鏡がないっていうから、ガラスに映して買ったんですけど、うち持ってかえったらでかいでかい。こんな...みたいな。自分にぴったりフィットするってあると思うんですよね。皆さん、イシバシ楽器の人は、チューニングが上手で。」
ここで唐突に「じゃあ、今日ドラえもん見ました?」客席からは「見てないよ〜」そりゃそうだ、みんな仕事帰りにライブ来てんだから。「7時からやってたんですけど、そこでは、なんとか風船につかまって、しずかちゃんとドラえもんとのび太くんが花見をしに行ったんですねぇ。ああ春ネタかと思って。あたしも春ネタをやろうと思って。今日また、春の曲をやります。春ル・ラ・ラ。」
春ル・ララ イントロのギターを弾きながら「これは、手拍子を!」と叫んだのはイイんだけど、これがバラバラ(笑)歌いながら「バラバラやぁ!」。客席が小さいから、一人一人の手拍子の音がちょっとずれても、めだっちゃうんだよね。森若さんも自分で手拍子を求めておきながら、ズレズレなのに大苦笑。思わず歌詞もぶっとんで真っ白になってしまったという。
「ありがとうございました。すごいね。普通あってなかったら途中でやめるんだけど。ごめんなさいね。これ手拍子難しかったですね。みなさん、でも最後まで自分の道を(笑)。これはね、こういうリズムってなんていうのかな。」といってギターのボディーをタン・タン・タッタタンとたたき出す。「フォービート?ボ・ガンボ?ブルース系の、こういうリズムを聞いてどこで感じるかっていうのが、ぜんぜん違うんだなというのが、すごい思ったんですよね。最後に『チャッチャ』って入る人もいるし。」→(これは私でした。(笑))「みんなそれぞれスバラシイですよね(笑)。そんな感じがしました。」
「あたしもね、これを自分でやりたいと言った割には、どうなるのか分からなかったんですが、あまりきめないでやっていいですか。あんまりきめないで、皆さんも別に『さあ手拍子』とかって、全員がやるまで『まだまだ』とかって最後までやらせる人いるでしょ。あれはあたしは恥ずかしいんですよね。ディズニーランドとかだったらいいんだけど...帰りの電車で自分の家が近づくにつれて、だんだんね。ここは全部『カオス』?」
といってウクレレをハードケースから取り出す。じゃウクレレで、さっきはブルーベリー・ストロベリーってあったんですけど、今度は、ドレンチェリー。」
ドレン・チェリー ウクレレ一本で聞かせる曲は本当に素敵。パーカッションは「波の音と星の音」。
「また来月以降もやります!私も割と、毎回毎回『どうなるのかな』とか思いながらやってるんですけど、でもなんかね、こういうのもね、毎月やってくと何かが見えたり、『今度これやろう』とか、色々考えたら、その場で言って来月やります。今月のお約束は『来月新しい曲をやる!』。新しい曲を何曲かそうだな、わからないけど、持ってきてみるので。それで、分かった。アンケートをやります。それで、今の曲はいいとか悪いとか人気投票をする!それで、あまりにも評判が悪かった曲は、次にレコーディングする機会とかあったら、もうやらない、とか。ちょっといいっていう評判があったら、やります。それとか『サビがちょっと』とかいうのだったらサビを直すとか。そんな感じなんで、来月はですね、4月の20日にまたここでやりたいと思いますので、よかったら、新曲でも、遊びにまた来てください。」
「どうなってくるんでしょうね、毎月同じ人だったらやだよね(笑)。全員同じ人だったら(笑)。出欠取っちゃったりして(笑)。でもね、毎月やってたらね、ここで友達とかできてね、アットホームとかなったりしてね(笑)。ま、それはそれでいいか。合言葉とか決めちゃったりね。グループとかできてね、『あの人新しい人じゃない?』なんて(笑)。それもまた、なぞですよね。学校でもないし、何だこりゃ、コワイわ(笑)。ま、学校でも何でもいいけど、ここは音楽で楽しむKaorerics2000ってことなんで、また。」なんて森若さんは言ってたけど、実際に結構カオリリックスでお友達集団もできてたりする(笑)。
「じゃぁ今日は最後の曲になります。Happy Fine Day。」
Happy Fine Day 春ル・ララでバラバラだったこともあり、客席も遠慮がちに、でも参加せずにはいられず手拍子。歌い終わって「どうもありがと〜う。」と大きな声で。「どうもありがとう。じゃぁ、また来月。会いましょう!宿題やってきます!さよなら〜。」といいながら退出。先月に引き続きどこに帰っていいのかわからない様子だが、客席の間を通って楽屋へ。