那珂川 苦土川大沢右俣      平成16年10月27日〜28日

コース 黒磯駅ー深山湖林道終点駐車ー大沢林道終点ー入渓ーテン場7;15ー西沢出合7;20-二俣10;00ー右俣遡行
ー2段25m滝下11;05ー下降14;10-車18;00


右の空き地に駐車、この橋を渡ってしまう。
三斗小屋に行く道でした。
黒磯駅12時に着き、駅弁を食べていると、高城さんが駅まで来てくれた。早速、高城さんの車で移動する。板室温泉の手前から深山ダム方向への案内板に沿ってダムの最奥まで行くと、橋から先で法面工事中でした。三斗小屋まで行くことを告げると、快く通過させてもらい助かった。林道終点に車を止めて、何の躊躇も無く、その先の橋を渡り、林道の続きを進んだ、この道が三斗小屋温泉
に行く道だと気付いたのは案内標識が出てきて初めてわかった。不注意で、だいぶ時間をロスした。引き返して、七千山橋を渡り大沢沿いの林道に入った。終点から踏み跡を行くと直ぐに堰堤の下に出る。右から超えて、西沢出合の手前でビバークする。天気は良いとの、予報でしたが、小雪がちらつく寒い夜となった。例によって、焚き火を囲んでの飲み会をする。1日目はこの焚き火のための日です。

ナメの連漠帯
翌朝、寒い朝です。テントを撤収して7時15分行動開始する。西沢を過ぎて、ゴーロ帯を通過する。寒いので、水に浸からないように、飛び石を拾って歩く。このゴーロが長い。正面に真っ白のなった大倉山が朝日に光ってきれいです。後ろ側には大佐飛山だろうか、北斜面が白い。ゴーロが切れると沢はナメに急変する。20m滝、釜に1本枝沢が右に入る。ここは左にはっきりした巻き道がある。垂直4mは右を巻くと3段15mが出てくる。ここは左を巻き滝上に懸垂でスラブの下の樋状のとこらまで降りた。支点が手前過ぎたため振り子になりそうで苦労する。続く8mは右壁を登り、後続にザイルを出す。支点を岩の一角にもとめたが、終了後、滝口の右壁にボルトの残地があるのに気がつく。

3段10m滝、左を巻き懸垂で下りた
その先の4mは右壁を斜上して滝口にトラバースするが滝口がつるつるでお助け紐を出す。黒くなった苔は磨かれた岩より滑りやすく怖い。高度も上がり、雪が所々ついていて、よくすべる。二俣に着く。左俣には30mのスラブ滝が架かりどのようなルートを取るかわからない。右俣に入ると沢は狭まりサイドの壁もスラブっぽくなる。3m滝は右壁をヘツルように超えると左岸上部に垂直の岩壁がそそり立つ処に出る。その先に20mスラブ滝が現れる。ここは右のルンゼを詰めて巻くことにして、小尾根まで上がってみたが藪が濃く下降して滝口に近いところでトラバースして滝口に下りたが、一部、雪で泥壁が危うかった。後続にはザイルを出す。
2段20m滝には11時過ぎに着いた。下の滝でシャワークライムした高城さんは雨具を着て水流を登るルートを提案したが、私が濡れるのを嫌って高巻きを主張したのが間違いの元となった。右のブッシュを簡単に高巻けると思っていたが上部で滝口に下りられず敗退する。(懸垂のビレー点は潅木が1本あるが絶壁の真上で垂直懸垂となる)今度は左の乾いた壁に取り掛かったが、エネルギー切れで昼食を済ませてから再挑戦する。気休めの潅木に中間ビレーを取る、その先に残置にもう一つ、その上は一歩が厳しいので1本打ち込む。その先のテラスに残置があり利用する。これが2本打ってあるがどちらも古く、怪しい。その先はややハングしているのでトラバースしたいが泥壁の僅かな土に頼るしかない。その勇気は無く、怪しい残地を頼りに懸垂下降して敗退。左のルンゼを巻くことにして登りかけるが笹薮の抵抗に気力をなくしてこれも敗退。

敗退した滝、水流を行く勇気が欲しかった
この時点で残されるのは水線突破だけとなるが時間も14時となってしまい、登りきっても下山道の長さも考えて、下降することに決定する。20m滝は潅木に2本シュリンゲにカラビナを使い(カラビナを介さないと濡れたザイルの流れが悪く、回収不能になると恐れを考えて)懸垂下降でザイルいっぱいのところまで下り、再度潅木に支点を取り下る。登るときヘツリでお助け紐を出した4m滝は潅木に支点を取るが足元がつるつる上、斜め下への懸垂で振られるのを気にして下りる。8m滝は滝上のしっかりした残地があるのを登るとき確認していたので迷うことな懸垂できた。3段10mは登るときに右のスラブを懸垂で超えてきたところです。このコースに戻るのはスラブをトラバースするしかありません。スラブの上部の笹藪に踏み跡らしく見えたので、そこに出るつもりで上がってみるが道は無く、更に登り、潅木を頼って渡りきる。朝に懸垂した場所までたどり着く事が出来た。後は踏み跡を下りきる。その先の滝は右岸の笹薮を利用して下降する。ゴーロまで下りきり一安心する。
ヘッデンを点けてゴーロを歩く、まさか通るとは思いもしなかったビバーク地を懐かしいような思い出通り過ごして、林道を車に戻る。
緊張が切れたのか、無性に腹が減ってきた。風呂に入れるか心配しながら「大正村幸の湯温泉」に寄って見る。9時まで大丈夫だそうで助かる。500円でした。那須塩原の駅まで送っていただいた。1時間の待ち時間がありホームの待合室で飲みながら過ごし、新幹線の最終便に乗って帰る。疲れと安心感でやけにアルコールの周りがいい。11時には家に着いた。