朝日岳〜雪倉岳〜白馬岳     平成17年8月14日〜17日

コース
1日目 白馬駅6:10〜栂池高原〜天狗原8:50〜風吹大池10:40〜13:25蓮華温泉(泊)
2日目 蓮華温泉5:30〜五輪尾根〜朝日岳11:50〜12:30朝日小屋(泊)
3日目 朝日小屋5:20〜朝日岳6:10〜雪倉岳9:25〜12:30白馬岳14:20〜14:40村営頂上宿舎(泊)
4日目 頂上宿舎4:45〜白馬岳5:45〜白馬大池7:20〜8:50蓮華温泉〜平岩駅


人影が全くない
風吹大池
前日、立川駅17:51の松本行きに乗る、例によって青春18キップを使用する。お盆の帰省ラッシュが嘘のように空いていて、4人掛けボックス席には松本駅まで一人でした。松本駅から白馬行き最終便(臨時)に乗るがこれもガラガラです。白馬駅で仮眠場所にと、観光案内所の軒下に行って見ると、学生の自転車組でいっぱいです。

仕方なくその奥の空き地にシートを敷き、寝たが、雨のときはどこかに移動しなくてはいけない。星空と雲行きではその心配も無さそうです。1日目、5:20頃起きると、駅前では登山案内人や警察官がテーブルを出し登山者に対応していた。11日に起きた大雪渓の崩落が気になったので様子を聞いてみると、今朝の6時から別ルートで通行可能となったことを知る。すばやい対応にビックリ、白馬村もドル箱ルートで必死なんでしょう。

今回は栂池コースで行くことにする。ロープウエーとゴンドラを乗り継ぎ栂池自然園まで登ると早朝でももう沢山の人たちがいる。1時間あまり登ると、天狗原の湿原に出る、乗鞍岳に登る道には登山者が列を成しているのが見える。


蓮華温泉
薬師の湯
湿原の奥で分かれて千国揚尾根を行く、こちらは行く人も少ないのか木道も痛んでいるし、刈払いもされていないため、少々藪が気になる。だらだらと下り、上りなおすとフスブリ山の先で蓮華温泉へ分岐となる。風吹大池は登山客もいない静かなところでした。風吹小屋まで行って見たが人の気配がありません。

少し戻って静寂な湖畔で朝食を食べる。笹目尾根は溝に石が転がる、歩きにくい道です。車道に出て、左の岩壁に落ちる沢水で泥だらけとなった靴とズボンのすそを洗ってから歩く。13:25、蓮華温泉ロッジに着いた。

部屋には先客が1人いた。その後、2人が来て4人が同室となった。8人部屋ですからゆっくりです。ザックを置いて早速、念願の露天風呂に行ってみる。一番上の「薬師の湯」に入った。五輪山〜朝日岳の山並みは雲に隠れていたが野趣豊かな露天風呂は良かった。帰りに「黄金の湯」にも寄って見た。泉源がちがうのか薬師は白濁していたがこちらは透明でした。内風呂は透明で熱めの温泉です。


2歩くらいで渡れる枝沢も
濁流でこの状態
2日目、昨夜の天気予報では午前中30%、午後50%の雨予想でしたので早く出た。早朝は少し明るくなる事もあったが雨は止むことも無く、強くなる一方です。瀬戸川手前の枝沢が増水し、飛び石は見えない。

瀬戸川、白高地沢と橋で越えられるので問題なく通過できたが青ザクを過ぎた頃からすべての枝沢は濁流となってきた。周りの山肌のいたるところに白く泡立った水流が落ちているのが見える。普段は涸れ沢も濁流が流れて行く手を塞ぐ。幸い、1っ箇所を除くと、1〜2歩で渡れる小沢ばかりで助かった。後で聞くとこのあたりでビバークした人たちもいたようです。千代の吹上を過ぎるとガレ場となり雨具の下もびしょ濡れのため、風が体温を奪い、寒い思いで頂上に到着した。

大谷コルまでの下り道は濁流で埋まって木段があるらしいが殆ど見えません。足で探りながら下りた。水平道の分岐を過ぎると少し登り朝日小屋に着いた。早出のお陰で12:30には着く事が出来た。濡れたものを入り口の土間にぶら下げてから受付をした。3人の先客がすでに場所取りをしていた。早速、一番隅の場所を確保して、シートの上にすべてのものを並べて、着替えをして、やっと一息つくことが出来た。小屋の夕食はとてもおいしかった。下山後、この日は飯山地方が豪雨で被害が出たことを新聞で知った。


朝日岳山頂
3日目、有り難いことに5時には朝食が食べられ、5:20には歩き出す事が出来た。昨日の濁流が嘘のように水が引いた登山道を登りなおして、朝日岳に登ってみるが曇りで360度の展望は何も見えなく残念、山頂のマツムシソウを写真に撮り、先に進む。下りきると水平道の木道に合流しする。

尾根に入ると登りが続き息切れがする頃には雪倉岳に到着する。ここで昨夜同室だった単独者2人と会ったので白馬岳までご一緒する。20分ほど下ると雪倉避難小屋がある。中は昨日の雨を避け、逃げ込んだ人たちが沢山いたのでしょう、床も毛布もびしょ濡れで使える状態ではありません。

小屋の脇で昼食を作りながらのんびりと休憩をした。鉱山道の分岐を過ぎると急登が連続するようになる。ラッキーな事にハイマツの中から沢山のライチョウが出てきて休む口実を作ってくれたし、初めて見るコマクサの群生が癒しとなって、ようやく三国境に着く事が出来た。最後の1時間を上りきると白馬岳山頂に出た。先客は2人とこんなに静かとは予想していませんでした。ヤッパリ、大雪渓の崩落が影響いているのでしょうか。風も無く日も差してきた山頂でザックの中身を全部広げて干す。靴も靴下も脱いでしまう。

 

2時間弱、コーヒーブレイクを過ごす。この間、多くても5人が出入りするくらいで相変わらず静かな山頂でした。村営の山荘の裏で初めてウルップソウを見た。上のほうではもう花が終わっていたのでラッキーでした。40人くらいの蚕棚部屋に、たったの3人、全宿泊者が50人弱と寂しい限りです。食事はバイキングと聞いて泊まったのですが普通の夕食でした。


手前から杓子岳、鑓ヶ岳、鹿島槍ケ岳
4日目、5:05の日の出に合わせて起きたつもりがちょっと遅く、山頂手前の松沢貞逸碑のところで一人、ご来光を迎える。山頂より良かったかも知れない。小屋で作ってもらった朝食弁当を山頂で食べるがご飯が硬くおいしくなかった。

昨日登った道を三国境まで下り、ここから小蓮華山への尾根を歩く。左には雪倉岳〜朝日岳の尾根に続き栂海新道の山並みが日本海に向かって延びる。いつの日か歩きたいものだ。谷間は鉱山道があるはずですが確認できません。この雨で更に荒れたことでしょう。白馬大池山荘手前で蓮華温泉の道を行く。所々、ゴーロで滑りやすい道ですが五輪尾根道より歩きやすいようだ。8:50蓮華温泉に戻った。

バス時間を調べてから風呂に入ろうとしていたら宿の人が「今日から10:10だけですよ」云われた。予定ではここに12:00までに降りる予定でしたので早く降りて、結果、大正解でした。ゆっくりと風呂に入り、風呂上りのうまいビールをグイッと飲んでからバス停まで歩く。バス停には15人ほど並んでいました。

バスは途中、乗り降りする客もなく終点の平岩駅に着いた。心配された乗り継ぎもスムースに松本駅に出ることできた。豪雨がなかったら、温泉を起点とした花の周回ルートは期待通りのコースだと思う。


イワギキョウ

ウルップソウ