平ヶ岳〜景鶴山          平成17年4月29日〜5月1日

コース 鳩待峠5:15ー6:10山の鼻6:30ー10:50ススヶ峰(泊)
6:15−7:00県境尾根7:15ー白沢山8:40ー平ヶ岳10:05ー白沢山ー13:00大白沢山鞍部(泊)
6:00−6:30大白沢山ー8:25景鶴山8:40ー大白沢山ー猫又川二俣出会12:10ー13:00山の鼻13:20ー14:40鳩待峠


取り付きの尾根
28日、三鷹駅で高城さんと待ち合わせをして、8時過ぎに関越道に向かって出かける。ゴールデンウィークの始まりで、高速道もかなり混んでいたが3時間ほどで鳩待峠の駐車場に着いた。思ったほど車も少なく、寝酒を少々飲んで仮眠をする。朝起きてみると駐車場の周りの雪もまだ1m以上もある。朝食は途中で食べる事にして5:15には歩き出す。雪の状態も良く歩きやすい。

トレースに沿って歩くと、山の鼻の手前でこの先の橋が崩壊しているんので迂回するように指示があった。我々は山の鼻までこのまま進んだ。テン場にはスキーヤーのテントが2張りあった。水場で休憩していると小屋泊まりの人が散策をしていた。ムジナ沢をすべると言うスキーヤーの後を追うように柳平に向かう。

一面の雪原には、ほんの少し湿地が顔を覗かせているところも見られるが水芭蕉などは全く見られない。猫又川の二俣でこれから中間尾根を行くという、スキーヤーに会う。下山はここに下りることになった。


ススヶ峰から平ヶ岳を望む
左俣を少し進んで、1470m付近の枝沢、左岸の尾根に取り付く、見た目より急斜面ですがすぐに尾根上に出てしまう。緩急の繰り返すブナ林の斜面が続き、最後の急斜面を登りきると至仏山からの主稜線1800mに出た。

ここには赤布が黒桧に附けられている。スキーヤーの下降点のようだ。尾根はシラビソの疎林の広い尾根が続くようになり、やがてススヶ峰に到着するがはっきりとしたピークではない。少し前より雲が厚くなり薄暗苦なってきていたのがここに来て雨が降り出しガスもかかってきて、視界が殆ど効かなくなってきた。

ススヶ峰で北東に方向を変えるが視界のない広い尾根で慎重に方向を確認しながらしばらく進んでみた。下降地点で雪庇の尾根が出てきてこれ以上進むのは自重してピークの樹林の中にテントを張ってビバークをした。強い風と雨で寒い一晩を過ごした。




ススヶ峰より県境尾根に向け
翌朝、は雪面はアイスバーンとなっていた。早朝、重装備の単独者が通り過ぎて行った。アイゼンを履いて出発する。前方には平ヶ岳が見えているがちょっと貧弱な山頂に見えて、この時点では同定出来ませんでした。

昨日のホワイトアウトのなかでのルートが正しかったか楽しみにトレースをたどるり、雪庇の上に立つと、直ぐ先には大白沢山が、そして、その先には景鶴山と燧ケ岳が重なって朝日の逆光に浮かび上がって見えている。昨日のルートファインディングは正しかったのだ。雪庇の上は避けて右の斜面をトラバースするように下り、県境尾根にでた。ここでデポ用の荷物を整理している間に3人が通り過ぎて行った。

いずれも猫又川の中間尾根を利用して登ってきたそうです。単独の方は今朝、鳩待峠をたち平ヶ岳を日帰りすると言う健脚にビックリさせられました。この後、数人に会うが皆さん中間尾根ルートでした。



平ヶ岳頂上、後ろは燧ケ岳
ポールが山頂標識
起伏のある雪庇を急下降して、更に幾つかのアップダウンを繰り返して白沢山に着く。ここで先行していた2人に追いついた。ここから少し下った鞍部で腹ごしらえをして平ヶ岳直下の斜面に向かった。

見た目より傾斜があり、何回か立ち止まり、息を整えて登ると、その先の雪原に鉄のポールが見えた。何も書かれていないが山頂の標らしい。360度すばらしい眺望です。風が強く寒いので10分くらいで下山をした。下山開始まもなく、山スキーヤー2人と会った。その後単独行、2人組(今日、山の鼻のテントサイトを出て、景鶴山と平ヶ岳に登り山の鼻に戻る、強行軍です)と人気の山を感じた。

最後に雪庇の大登りを終えてようやくデポ地点までたどり着いた。明日、景鶴山に行くことを考慮して大白沢山直下の鞍部をテン場とした。西日がいっぱに当たるテン場は昨日と違い暖かく、外で水つくりと食事の仕度が出来て快適です。


大白山鞍部のテン場を出て直ぐ
ススヶ峰(左)と赤倉岳(右)
翌日は大白沢山の南中腹を巻くように付いたトレースを進み、この踏み跡が南下するようになったところを更に直進すると岩壁のヘリに出た。。ここから大白沢山の東端ピークに登りると、景鶴山と燧ケ岳の特徴ある2山が重なるように見えている。

今日下山予定の中間尾根の確認をすると、カッパ山と背中アブリ山と平地が目安になりそうです。ここに余分なものをデポして景鶴山に向かう。いったん下降して樹林の中を進むようになり、1892mのピークは南側を巻き、鞍部から広い樹林帯を1898mピークに登る。

なだらかな樹林帯の先、恵鶴山の肩に出ると、急に開けて眼前に尾瀬ヶ原の雪原が広がる。左手には恵鶴山の岩壁が垂直にそそり立つ、その先に燧ケ岳を望む、絶景ポイントです。北側を巻くようにしばらく進むと、右に直上する踏み跡が出てきたのでこれを行くのですが急傾斜と藪に悩まされる。飛び出した先は岩壁のやせ尾根の上で一瞬踏み出すのを躊躇してしまう。


大白沢山より恵鶴山と
その奥に燧ケ岳を見る
やせ尾根の上を恐々と渡るが、気持ちがいいものではありません。この先、雪は無く、藪の中の踏み跡を拾って頂上に出ることが出来た。

眼下の尾瀬ヶ原もすばらしいが、平ヶ岳、燧ケ岳、至仏山の3名山の真ん中に立つ気分は最高です。オマケの1座でしたがきてよかった。大白沢山に戻り又思い荷物を背負って中間尾根を目指して下山する。沢の源頭部は複雑に入り組んでいて迷いやすいところもトレースを拾って行くと尾根に乗ることが出来た。

何組もの人が水場もありテン場として使っている岩頭盆地を探してみたが確定できませんでした。猫又川右俣に降りた付近かもしれない。なだらかな尾根をひたすら下り二股出会に付いた。猫又川のスノーブリッジも何とか渡る事が出来た。ここからは長い雪原を山の鼻に向かって歩くがすごく長く感じた。水場で顔を洗い、歯を磨いてすっきりして鳩待峠へと登った。最後に登りがあるのは辛いものです。

途中下の方から声が聞こえて不思議に思っていたらスノーボーダーの一団が沢筋を歩いていた。その多さにビックリする。駐車料金5000円弱を払い道路に出てみると路肩にずらりと駐車をしているではないか。これはOKなのか。鎌田集落の水芭蕉の湯でゆっくりと汗を流して沼田ICから関越自動車道に入って無事帰宅する。まだゴールデンウィークが4日も残っている、どうしようか。

景鶴山、岩壁の上を渡る

景鶴山