狩小屋沢ー至仏山          平成17年7月24日

コース  水上駅16:46〜湯の小屋バス停17:30〜ゲート18:10〜18:50小楢俣沢の先(泊)4:35〜5:50狩小屋沢橋
6:15〜最後の滝(15m2段)9:30〜稜線11:30〜11:40至仏山12:10〜13:45鳩待峠〜片倉〜沼田駅


2段7mの美滝
来月、楢俣川に入るかも知れない。その際、下降路として狩小屋沢を使うこともある思い下見に出かけた。土曜日、仕事を終わったあと、在来線で水上に行く。16:46の湯の小屋行きバスに乗れた。17:30、湯の小屋で降りたのは3人です。

2人は温泉客のご夫婦でした。車道を少し進むと左に笠ヶ岳、至仏山、楢俣方面登山道と標識が見えてくる。廃校の宿、葉留日野山荘がたっている。空き室有と書かれていた。ここから登山道に入る。小沢に沿って登るので水取りが出来る。綺麗かどうかは分からない。しばらくすると、林道を横断する。雑木林の中で、風が無く、蒸し暑いのに閉口する。虫も気になるのでネットを被って歩く。

平坦になり少し下ると楢俣湖から登ってくる林道にでる。林道と言っても舗装された車道です。ここから少し車道を歩くとゲートにぶつかる。変則の十字路になっている。手前は広場となっていて10台くらいは駐車できそうです。1台だけ止まっていた。このゲートは脇までしっかりとガードされているので跨いで通過する。


中段をシャワークライムした滝
洗ノ沢に沿ってだらだらと下り、洗ノ沢橋を渡る。小楢俣沢橋を渡る頃には薄暗くなってきて、足元を見ながら歩いていた。ちょっと顔を上げたら前から黒い塊が近づいてくるではないか、立ち止まって見ると、熊です。相手もまだ気がつかないようで近づいてきます。20mに接近、大きな声を出すと、熊はしばらく立ち止まり様子を見て、直ぐに脇の林の中に入っていった。

ホイッスルを吹きながら通過するが気持ちが悪く、時々振り返りながら歩いた。そこから500mも行くと今度は反対の林の中から熊が林道に出てきた。このあたりは熊さんの住みからしい。この熊は警笛で直ぐもとの方向に引き返していった。暗くなってきたのでそろそろテン場を決めたいのですが熊さんのご機嫌を損ねては一大事です。

少し歩いたら前が開けて楢俣湖の湖畔に出た。ここなら見晴らしが良く熊も近寄りがたいと、テン場に決定する。天気予報を聞くためにラジオのスイッチを入れたら東京では震度5の地震があり交通機関が混乱していると報道されていた。このニュースばかりで天気予報はなかなか聞けなかった。熊よけにラジオのボリュームをいっぱいに上げて鳴らしながら寝るが音が気になって寝られない。結局ラジオは消して寝たが熟睡できず。


8m幅広滝
もう少し水量が欲しい
翌朝、4時35分には歩き出し、狩小屋沢橋には5時50分に付いた。この間に4人の釣り人に追い抜かれた。皆さんゲートまで車で来て、そこから単車や自転車でこの林道を移動しているようだ。

狩小屋沢橋のネームが付いた手すりが落ちていて名前が見えません。確認のためその先まで行って見てから入渓した。藪っぽいゴーロを25分ほど歩くと第1の滝2mが出てきて、ここからは小滝にナメ床が続くようになる。横向きのナメ滝が出てきてその先で左に枝沢が会う。この枝沢には7m滝が、そして本流には6m滝が合流滝になっている。

ナメ床を快適に進み10m3段滝、7m2段滝と美滝が連続してでてくる。この先で右に枝沢が入り、二俣となっている。ここから水が減る。ナメ滝を越えてしばらく行くと12m3段の滝が現れる。右の壁から取り付き中段部は水心をシャワークライムする。ホールドはしっかりとしていて問題なく超えられた。小滝を幾つか越えると5m樋状の滝となる。ツッパリで行かなくても水流を登れた。ここを超えると至仏山の稜線が見えてくる。

その上に8m幅広滝が出てくる。水量が多いともっと見応えのある滝だろう。8mCS滝も水量不足で筋状になっている。これを超えると岩がゴロゴロとした斜面となる。頻繁に休憩を入れながら登る。振り向くと巻機山、兎岳あたりの山並みが綺麗に見える。足元の草花に励まされるように一歩一歩進むと10m滝に着く。二筋の流れが見えるが岩は黒光りして本来はもっと水が多い事を示している。


最後の15m2段滝
右のスラブが滑りやすい
この先、まっすぐに岩場が続く感じです。最後が15m2段滝です。黒くぬめった岩は滑りそうでつい右の乾いたスラブに登ってしまい失敗でした。何とかトラバースして水流に戻った。ここは水流のクラックを登ったほうがやさしいかも知れない。

この大滝を越すと、もう滝はありませんが急斜面になったのと疲れから足が前に進みません。忠実に沢筋を詰めて最後はハイマツの藪の踏み跡を拾って稜線に出た。目の前にロープの張られた登山道があり、途切れることなく登山者が過ぎてゆきます。登山道を踏みはづして歩いている悪者のようで気が引ける。

次回の下降時のため確認写真をとって急いで登山道に入った。10分ほどで至仏山の頂上につく。超満員です。その中でこの格好は異様な存在のようです。急いで靴とヘルを山仕様に変更して何とかなじむようにして食事休憩にした。
 


下山は小至仏で僅かにアップダウンがあるものの、ほぼ下るだけで鳩待峠に到着する。小屋前の広場は人人人です。乗り合いタクシー900円で片倉のバス停まで行き、乗り継ぎバスの待ち時間の間にバス停の脇の旅館で風呂に入った(700円)上毛高原行きバスは満員で大きなザックを抱えたまま沼田駅まで辛抱した。沼田駅で殆ど降りました。各駅停車の電車の待ち時間に駅前の蕎麦屋さんで定食とビールで一人乾杯した。寝不足のため車中は爆睡してしまった。