楢俣川        平成17年8月4日〜7日

コース

1日目 楢俣林道ゲート6:30〜8:40狩小屋沢8:55〜入渓9:10〜マス止ノ滝9:50〜11:07日崎沢〜15:50テン場
2日目 テン場6:00〜南沢〜10:30 1850m稜線11:00〜15:00テン場
3日目 テン場6:30〜日崎沢〜狩小屋沢出合13:00〜15:50林道ゲート〜水上温泉(泊)
4日目 水上温泉〜水上駅


マス止の滝
左側を登る
三鷹駅に8時半集合が都合で9時少し過ぎてしまった。高城さんの車で関越自動車道を水上ICへ向かう。楢俣林道ゲートには12時半頃着く。高城さんは車に、私と永沢さんはテントで仮眠をする。今回は久しぶりに高城さんの奥さんも参加で、4人です。1日目、6時半に長い林道歩きを開始する。小楢俣沢を渡り、先々週、熊と遭遇した場所を過ぎると、楢俣湖の湖畔に出る。ここからは湖の風でいくらか涼しいかと思ったがヤッパリ暑い。ヘイヅル沢の手前で、岩壁に落ちる冷たい水で喉を潤す。20分もすると狩小屋沢へ入る広場に着く。しっかりとした踏み跡と刈払いもされた道を行くと狩小屋沢に出た。渡渉部にはロープが張られている。その先でと楢俣川に降りる。かっては橋があったそうで、名残の鉄柱が残っている。本流を横切った先には矢種沢への踏み跡が見られたがここから遡行を開始した。久しぶりの本流遡行で緊張する。膝下くらいの渡渉もあるが水は思いのほか温かで気持ちがいい、矢種沢を過ぎるとマス止滝に着く。左から超えるとその先は薄茶のナメ床に白波が波打つ,こんなところを歩くと、一気に沢モードに飛び込んでしまう。


日崎沢出合
日崎沢の壁を登る
右に深沢の切れ込みを見て先に進むと、平らな岩を人工的に積み重ねたような滝が出てきた。滝上に3人の若者がいて会釈を交わす。釣の帰りで、巻き道をで下るようだ。左の直登を試みた諦めて右のコーナーを登った。その先で右に日崎沢が7m滝を架けて出会う。本流には4mが懸かる。右壁を登り、日崎沢を渡って、巻き道で本流に下りた。左に3m滝の懸かる枝沢を過ぎたあたりで夕立に会い、丁度テン場があったので高城さんのタープで雨宿りをする。長休みをすると歩き出すのが億劫になってしまうが明日の行動を考えて、予定どうりの処まで進む事にする。5m滝では中央の水勢の強いところを渡り、超えた。左に奥矢種沢がはいると、右に裏日崎沢が入り、その先右の高台に広いテン場を見つけた。ここをベースキャンプと決める。今回は各自泊まり用具を持参した。それぞれ寝場所を確保、設営を済ませ、一休みした後、釣に出かける。私と高城さんは初挑戦です。永沢さんに要領を教えてもらい出かけた。私は下流に向かい2匹釣ることが出来た。永沢さんの28cmを筆頭に8匹が塩焼きとなって酒のつまみとされた。テントは暖かくシュラフは要らないくらいでした。


酒の肴
2日目、テン場を6:00に15分ほどで南沢と沖や種沢の十字路に着く。この右側台地にこじんまりとした綺麗なテン場があった。4mの滝を越えると雪渓の残骸が現れてきた。その先から谷は狭まりゴルジェとなる。3m、2条4m、5mの滝が続く。水際にはいい足場があり、あまり濡れる事も無く通過できた。ゴルジェを抜けると右に中沢が出会う。正面には赤倉岳の稜線が見えてくるがまだ遠い。狭いゴルジェが出てくる右のバンドを行く。見た目よりフリクションが効くので助かる。しばらくすると左にオミキスズ沢が会う。中央に大岩があり目印になる。ゴルジェが始まり4m樋状滝を越えると左に2段4m滝を持つ枝沢が落ちている。谷の前方に霧が立っている、雪渓がありそうです。ゴルジェが曲がった先に崩壊した雪渓の塊が、更にその先には崩壊寸前のスノーブリッジが見えてきた。ブリッジの先には5mの高さに崩壊雪が詰まっている。壁に沿うように超えると、5m、3m樋状と続く。瀞の先で5m滝を架けて右に屈曲する。しばらくすると右に枝沢が会い、引き続きゴルジェを行くと先ほどより大き目のスノーブリッジが現れた。下には3mの滝が見える、一人づつ急いで通過する。雪渓に気を取られてこのあたりの滝と枝沢は確認出来ませんでした。


スノーブリッジ
崩壊寸前です
その先の6m滝は右壁を登り滝口にトラバースするが足場が細かくいやらしい。ここを過ぎると右から細い滝を持つ枝沢が入る。しばらく行くと左に10mの垂直滝の枝沢が落ちていて、飛び散るしぶきの下で写真を撮る。その先で黒岩の滝8mにぶつかる。右壁に取り付き、中ほどで左にトラバースして水流を超えて登ると意外とスムースにクリヤーできた。水も減ってきたので早めに水取りをして藪のトンネルを突き進みついには沢形がなくなると来い藪に突入した。ネマガリダケが下方に槍のように向かってきて顔を背けてしまう。我慢の限界かなと思ったら視界の開けた草地にでた。一息入れて、薄い踏み跡を拾い稜線にと頑張ると、キンコウカが咲く草原にでた。赤倉岳は眺めるだけにしてここで終了とした。ゴールデンウイークに登ったススガ峰〜平ヶ岳の稜線を眺められて満足です。11時には下山を開始する。登りには邪魔だった竹も下りには味方になってくれる。黒岩の滝は残置シュリンゲを使わせてもらい懸垂下降する。雪渓の手前6mは潅木にビレーをとり懸垂下降をした。スノーブリッジも注意して無事通過する。後はザイルを出すことも無くクライムダウンでき、テン場に戻る。お約束の夕立が心配されたがパラパラ棲んでしまい、2日目も焚き火とイワナで夜を過ごした。


源頭部の草原
赤倉岳を背に写真を撮って遡行終了
3日目、6:30テン場を出て、のんびり釣をしながら下降をする事にした。釣が始まると、つい夢中になり移動が出来ない。5匹ゲットしたところで下降に専念する。滝上に立っては、降りられそうなルートを探しながら歩く。巻き道を見逃して後続に注意もされ戻ったりもした。難所と思われた日崎沢出合も巻き道で急下降して本流に降りた。そこで釣り人に会う。21年、通い詰めていると言う、ここの主のような釣り人でした。この先で昼食休憩していると、この方が降りてこられ、以降、貴重な話を覗いながら一緒に下った。とても沢を歩いているとは思えない速さでまるで整備された登山道を行くような足取りにビックリです。ちょっと離れると待っていてくれます。林道に出るまでご一緒させていただきました。釣り人とはモンキーバイクでお先にとお別れする。ヘイズル沢橋の先で冷たい水で顔を洗い、水取りをして、地獄の林道歩きをする。洗の沢橋を渡ると最後の坂道を頑張り、ゲートに着く。湯の小屋温泉で泊まりゆっくりとお風呂に入れたらいいなと期待したが、案の定、何処も満室、8月の土曜日ですから仕方がありません。観光協会に教えてもらい水上温泉の笹の井ホテルにご宿泊決定。立派なホテルで沢の帰りに寄るには気が引けるのでザックは車に置き着替えだけもってチェックインした。翌日、水上駅で解散した。味噌漬けにして持ち帰った岩魚は美味でした。