東黒沢〜ナルミヅ沢〜ウツボギ沢    平成17年9月22日〜24日

コース
1日目 土合橋駐車場9:40〜東黒沢〜鞍部13:30〜ウツボギ沢支流〜14:15広川原(泊)
2日目 テン場6:30〜ナルミズ沢右俣〜登山道10:20〜ジャンクションピーク12:00
〜朝日岳12:20〜14:40広川原(泊)
3日目テン場6:50〜ウツボギ沢左俣〜10:25登山道10:50〜白髪門11:50〜14:30土合橋駐車場


ハナゲノ滝
1日目、今回は1日1本3日で3本の沢旅を計画した。石神井公園駅に7;00集合、目覚ましの設定を間違えて、危うく遅刻するところでした。駅に着くと高城さんの奥さんが改札口で待っていてくれた。怪しい雲行きの中を出発する。高崎を過ぎると雨も本降りとなってきて、今回は温泉旅行に変更かと思いながら土合橋の駐車場に着く。小雨が降り続いてはいるが大雨にはなりそうもない。誰も中止、停滞の言葉も無く直ぐに沢仕度に替えて歩き出した。橋の上から東黒沢を眺めてから左岸の踏み跡を行き堰堤の上で入渓した。最近の台風のためか流木が多く見られ、沢は荒れている。しばらくすると白いナメが出てきて上越の岩の感じとなる。ハナゲの滝下で写真を撮ってから左側を登るスラブだが緩傾斜で問題なく登り、最後の左に曲がるところだけ巻き道を使った。ハナゲの滝を越えて10分もすると白髪門沢の出会いについた。ミニゴルジェが現れ、水に浸かるのを嫌って右側をヘツルように巻く。右のスラブ岩に4:1の枝沢が落ち、その先右に砂が堆積した、一見テン場かと見えるところを通り過ぎる。

東黒沢のナメ
4m、3mのナメ滝を越えて900mの枝沢が入る。940mで比較的大きい枝沢が右に出会うと、その先はナメの連続する。1080mで左に枝沢が会う。ここにはケルンが積まれていた。右を進み、1170mで右に枝沢が入る。ここには赤テープがあった。しばらくすると、おにぎり形の三角岩が出てきて目印になる。最後の二俣を右に取ると笹藪に突入し、左に僅か下ると鞍部に着いた。笹薮に覆われて、休憩するような空き地も無く、直ぐに下降を開始する。直ぐに沢形が現れてきた。小さな滝も順層のお陰で階段を下りるように下る事が出来る。ウツボギ沢に合流するともう直ぐに広川原のテン場に着く。相変わらずシトシト雨が降る中、急いでテントを張る。秋田の大雨を教訓に今回はタープを持参した。出入り口にちょっとした雨よけ空間が出来、コンロを使うのに便利でした。早めの夕食を済ませると、6時には寝る体制になった。

ナルミズ沢
魚止の滝
2日目、必要品だけを持ち6:30にテン場を発つ。夕方には雷雨との予報ですが何とか持ちそうな感じです。帰りの登山道を確認しながら入渓する。10分もするとミニゴルジェとその奥に5m滝が出てきた。突破するには泳ぐ事になりそうです。ここは右を巻く。やがて大石沢の出会に着く。小さなテン場が見られた。この辺りから日が差すようになってきた。はるか前方には詰め上げる大烏帽子岳の稜線も見えるようになる。右に枝沢が3本入ると魚止滝に出た。ここは右側を登り超えた。左に枝沢が入り、その先で二俣となる。1540mの枝沢が左に入って、樋状滝をツッパリで越えると1610mの二俣に着いた。左に進む、岩の色が茶色に変わってきた、そこに黒い苔がついたナメ床とナメ滝続く。快適な遡行もやがて草原入り、踏み跡のしっかりしたところを選んで進むと笹薮に変わってきた。先ほどまで僅かにさしていた日も霧にさえぎられて薄暗くなってしまった。錯綜する踏み後をやや左よりに進むと稜線に出た。


ナルミズ沢
天国へ続くナメの廊下
高城さんはウオーキングシューズに履き替え、奥さんは前後のピンソールを、私は後ろだけのピンソールを付けて下山を開始する。大滝で打った膝が思いのほか痛むので膝に負担のかかる下山が心配です。笹原の薄い踏み跡を進む。足元が笹で見えないため倒木や段差に足を取られる。ピンソールのお陰で滑りやすいところは安心です。晴れていたらすばらしい眺めだろうが全く展望のない稜線を黙々と歩き、ジャンクションピークに出る。ここからは一般登山道となる。宝川への分岐を過ごして木道を朝日岳に登った。白髪門から登ってきた単独者がいたので記念写真のシャッターを押してもらう。生憎、全く眺望の望めない頂上を早々に後にして宝川への分岐まで戻る。木道もしばらくするとなくなり急に荒れた登山道となってきた。岩場のトラバースもあり、濡れた岩を注意深く超える。急傾斜の溝のような道を下ると、今度はぬかるみの道になる。途中清水峠まで行く単独者とすれ違う。やがて広川原に着く。この手前にも2箇所ほどテン場があり昨日あたり使ったような所もあった。薄日も差すテン場は一転物干し場となった。薪がないので焚き火を諦めて食事を準備していたら4人グループが来て焚き火をはじめた。我々も少しの薪を集めて、ささやかな焚き火をした。痛む膝に高城さんから頂いた瞬間冷却スプレーをして寝る。



物干し場となったテン場
3日目、朝方に雨が降ったが起きてみると曇り空です。夕方には雨と言う予報なので早く下山をしたい。昨日、来た4人グループは撤退とのこと、挨拶をして、6:50テン場を出発した。ウツボギ沢は一昨日、下降したときより水が少ない気がする。直ぐに下降した沢に出会う。ナルミズより川幅が狭いが似たような渓相で綺麗なナメの沢です。20分もすると2段25m滝に着く。逆くの字で下段は扇形広がっている。下段は右の岩場を巻くようにのぼり、上段は藪の巻き道を使って滝上にでた。連爆帯になってくると潅木が邪魔になりザックにひっかる場面がしばしば出てくる。1225mの二俣を過ぎ、左の台地で休憩をする。1375m枝沢を過ぎた先に2m樋状の滝が出てきた。右に残置シュリンゲが有ったので振り子で超えようとしたがうまく行かず草につかまり、超えた。シャワークライムで超えた滝もあった。きつい傾斜のスラブも出てきて走るように通り過ぎる。1540m奥の二俣、1575mの奥々の二俣とも左にとって、後は本流と思われるところを詰めた。1750m付近の笹薮を左に寄ると10:25従走路にでた。



ウツボギ沢
2段25m滝
ここで、ちょっと早いが雨の降らないうちに昼食を取ってしまった。休暇中に単独者が白髪門に向かって降りていった。この天気では登山者も少ないようです。このところ恒例になった下山用ピンソールを装着して下山する、昨日、痛めた膝が疼く。冷却用スプレーを時々かけてだましながら歩く。細かいアップダウンにうんざりする頃、白髪門に着く。先ほど降りていった単独行の人が休憩中でした。ここからの急降下は膝には負担が多い。段差が大きいときは後ろ向きに下りて行くほうが楽です。この天候の中7〜8人の中年グループが登ってきた。お元気です。ペースも落ちたが何とか東黒沢の橋に降り立つ事が出来た。丁度キャニオニングの人たちが大勢沢に入ってゆくところでした。川原で洗濯を終えた頃、雨が降り出してきた。急いで車に戻り、「ホテル湯の陣」のお風呂に浸かった。知らぬ間にあちこちを虫に食われたのか擦り傷かお湯が沁みるのである。高城さんは運転で飲めませんので奥さんと二人でビールで乾杯、うまい!水上駅で解散する。