玄倉川 弥七沢       平成17年12月4日

新松田駅8:55〜8:25弥七沢出合8:50〜10:25左俣出会10:30〜13:20稜線13:50
〜弥七ノ頭14:25〜15:45中川温泉


F1
左を登る
新松田駅で下りると、松井さんが前を歩いていた。3年ぶりだろうか、久しぶりにお会いして挨拶を交わす。今日の参加者4人が揃ったところでタクシーで弥七沢の出合まで行く(タクシー代7200円)。あまり水量のある沢ではありません。下りてみると道路の下はトンネルになっている。直ぐ上には堰堤があり、そこには工事用プレートに矢七沢のネームが見られた。右のステップを登り鉄橋を渡るとF1、6mスラブ滝です。この寒さでは誰も濡れたくない。当然巻き道を探すが両側がスラブで仕方なく左壁を直登した。意外といいホールドがあり殆ど濡れることなく通過したがウオームアップが出来ていない体には緊張する登りでした。続く4mナメ滝を過ぎると真ん中で水を飛ばすヒョングリの滝2段10mのF2が落ちている。左を巻き、小尾根の上から下を眺めると、前方には落ち葉に縁取られた綺麗な釜持ちの小滝が3個連続している。足をやっと置けるくらいの棚が見えている。一見簡単に行けそうにだが、踏み出して見ると足元は怪しい。しばらく躊躇するが何とかトラバースして3個目の小滝の上に降りた。


ヒョングリの滝の
巻き道より見る小滝

F2
ヒョングリの滝

F3
左に枝沢が入るとF3、7mが出てきた。松井さんトップで左側を超えた。その先開けたところで早めの休憩を入れる。ゴーロの先で右に枝沢が入る。その先両壁が背丈ほどのミニゴルジェ、樋状のナメと小滝があり、倒木を使って超えたり、ツッパリで超えることが出来楽しいところでした。ゴルジェが終わるところで正面にルンゼが見えて沢は4mスラブ滝で右に曲がる。先週の石船沢で怖い思いだし、落ち葉を払いのけながら慎重に登る。直ぐに2段7mのナメ滝が続く。中段にはしっかりと釜がある。ここは永沢さんトップで左壁を超える。左に少水量の枝沢が入る。直ぐに。スラブの中に1本のクラックが左上に向かって走っている10mのナメ滝が出てくる、F4らしい。クラック中ほどには残地ハーケンが見える。ここは左のやや緩やかな壁からクラックを伝って登ったら意外と簡単に越えられた。




F5
左のクラックを使って

足の長い人はツッパリで
そうでない人は倒木で


左俣出会
2段4m滝の真ん中に大石が挟まるCS滝の上に左から小枝沢が入る。その先、直ぐに左に4mナメ滝を持つ枝沢が入る。水量も1:3くらいはあるしっかりとした枝沢です。左俣では思い、現地確認をする。すると、その直ぐ上にテープの付いた涸れ沢が入っているのが見える。ケルンもある。右にはスラブも確認された。間違いなく左俣と確定した。もう一足、本流に進んでみると5mのナメ滝が見える。引き返して涸れた左俣に入る。石棚が続き、倒木を立てかけて足場にしたり、足を支えてもらったりして超えた。一ヶ所右を巻いて、懸垂下降で沢に降りた。2段4mナメ滝は永沢さんにお助け紐を出してもらい上がるが中間の釜の落ち葉に乗ってしまい靴をぬらす。腐った水はとても臭かった。6m石棚が出てきて左壁に取り付くが脆い岩でボロボロです。大きな岩が簡単に剥がれて落石した。私は諦めてクライムダウンする。別ルートで松井さんがクリヤーしてお助け紐を出してくれた。私は左のクラックを登ってみたら、意外とホールドがしっかりとしてスムースに超えた。




最後の直登を避けた
V字のスラブ
源頭部の様相になるころから小雪がちらつき始め、急に寒くなってきた。二俣が出てきて左に行くと、間もなくV字状ののスラブが見えてきた。いやらしい感じに見えたので左の支尾根に取り付き詰めてみた。やがて両サイドが切り立ったやせ尾根になり、その先で切り立った岩場にぶつかってしまった。正面の岩場はもろく危ういものです。右にトラバースするように細い獣道が見えるが落ちたら助かりそうにない。しばらく考えた末、ザイル確保でトラバースに賭ける事にした。ビレーを2ヶ所取り。先に進んで見たが回りこんだ先もいい状態ではありません。引き返して途中から潅木を頼って強引に登り、緩やかな尾根に出ることが出来た。ザイルを始末する指先はかじかむほど冷え込み、雪は本降りとなり、うっすらと白くなってきた。更に10分ほど登り、主稜線の815mの小ピークに着いた。この地点で手持ちの高度計は875mを表示していたので急激に低気圧が入ったことを示していた。雪の降り出したことも納得できた。V字スラブを直登していたらもっと簡単だったのか、右の尾根に取り付いたほうが良かったのか、ルート取りが難しいところでした。。



稜線の雪景色
見る々回りが白く変化してゆくのを眺めながら、大きなアセビの下で昼食をとる。今季初の雪景色を丹沢で遭遇するとは予想しなかった。沢靴は雪には弱く、濡れた指先は冷たくしびれてきた。ピンソールを着けて歩くが湿った雪は団子となり、あまり役には立ちません。いったん下り、上り返すと弥七ノ頭に着いた。3日前に見つけた762mへのテープも雪で見えなくなっていて、チョット探してしまった。方向が分かったら、後は薄い踏み跡を見失わないようにするだけです。急斜面に落ち葉と雪の滑りグッズに悩まされながら降りる。下見のお陰で762mから南西の尾根にも間違えることなく乗る(といっても大木の幹に大きく赤ペンキで矢印がある)植樹林に入りすっかり暗くなってしまったところをしばらく降りると湯の沢の堰堤の上部に出て、ブナの湯に急ぐ。温泉入り口の屋根を借りて濡れた靴を履き替えさせてもらう。冷えた足に温泉は最高でした。風呂上りのビールと程よい疲れも伴ってかバスでは熟睡してしまった。