生保内川ー五番森ーカラノ沢     平成18年9月23日〜24日

コース1日目  田沢湖駅〜10;05シトナイ沢出会10;30〜生保内川〜イワヤ沢出会(泊)
2日目テン場7:00〜大滝下8:35〜五番森鞍部11;50〜カラノ沢下降〜荒沢出会14;45〜16:00荒沢橋16:25〜18;20赤渕駅


生保内川に入渓したところ
JR東日本の「大人の休日倶楽部」3連休パスを利用して、今期、2回目の秋田です。お彼岸の連休でこまち1号は満席でしたが、30分前に臨時のこまちに乗ることが出来、9時15分には田沢湖駅に降り立った。前回もお世話になった、観光タクシーの高橋さんにシトナイ沢出会いまで入ってもらった。2ヶ月前の時には荒れていた林道も補修工事が入って良くなっていて助かった。シトナイ出会は前回、腰まで浸かった本流の堰堤も足首程度の水量になっていて、工事用車両が渡っていた。タクシーの運転手さんも今年は異常なくら水がい少なく、代わりに熊が沢山出没しているので注意するように云われた。山に餌がないらしい。生保内川の右岸林道を歩くと、終点には3台の地元ナンバー車と自転車が停まっていた。キノコ採りのようです。水量の多い枝沢が入ったところで、キノコ採りのおじさんに会った。80歳の元気の良い人で、舞茸2株を収穫したと話してくれた。この後、7〜8人のキノコ採りに会うことになるが、いずれの人も収穫は少ないようで、今年は不作のようです。

イワヤ沢の大滝
釣竿を出しながら河原歩きをするが1尾釣り上げたあとはピタリとアタリがなくなった。釣師が先行しているようですし、キノコ取りに多く入っていては仕方ないと諦めながらも竿を出す。時々会うキノコ採りの人に、五番森に行くと言うと、珍しいところに登ると不思議がられた。イワヤ沢出会の左岸に整地されたテン場があったので早々とテントを張ってから、上流に向かって竿を出しながら行ってみたが、まったくアタリがなく、期待していた、イワナがない寂しい夕食となってしまった。翌朝はイワヤ沢を五番森目指して遡行を開始した。イワヤ沢というのも名前も、定かではなく地元の人はイワイ沢と教えてくれる人もいた。岩手県側に岩井沢があるのでここはイワヤ沢とした。薄暗い沢はコケの付いた丸い岩が多く、とにかく良くすべる。倒木と藪をのしばらく行く520mの二俣に着いた。左俣の奥には3本の滝が見える。右俣に入ると、最近倒れてらしいミズナラの大木が行く手を塞いでいる、枝の上をこわごわと越えると、正面に滝が出てきた。8mナメ滝とその上に5mのS字滝が見える。昨日、キノコ採りの古老が大滝で以前滑事故があったと聞かされたのがここらしい。直登は無理なので、左を巻くが尾根に這い上がるまで潅木も少なく、泥壁が見た目より急でロープを出した。

3段7m滝 右を巻く
S字滝も一緒に巻くと、右に枝沢が入っているのが見えた。巻き終わった滝上には左に枝沢が入った。680mで三叉状になるが右は水がほとんどない。真ん中の沢を進むと、3段7m滝が出てきた。上段は樋状でくの字になっている。ここは右から巻いた。巻き道から更にその上に5mのナメ滝が見える、一緒に巻くか思案するが倒木を利用すると何とか越せそうなの滝下に下りた。倒木を使って超えることが出来た。ミニゴルジェになって、樋状の流れになってきた、奥多摩の小沢の感じだ。水線を快適に歩くと、コケのきれいな6m滝が出てきて、ゴルジェも終わり、笹の原になって大きく蛇行するようになって来た。沢が大きく北に曲がるところから獣道を拾って、五番森と979mの鞍部を目指した。最初背丈ほどの笹がやがて4mくらいになって密集するが薄いところを拾って何とか鞍部に出た。

五番森の鞍部
鞍部は笹も低く、ブナの疎林で、左には五番森の南峰がこんもりと見えている。一息入れて、岩井沢へ向けて下降を開始するが、すぐに、猛烈なネマガリダケに掴まってしまった。背丈の倍もある、密集帯を何とか避けようとトラバースを試みたが笹の力に負けてしまい、無駄なことがわかった。ここは笹の向きに沿って、とにかくひたすら下方に進んだら15分と、意外と早く、突破できた。笹薮の狭く急な枝沢を下り切ると、6m滝と4m滝が出てきたので一緒に懸垂下降した。左から本流が入ってきたが水量は多くない。その後はロープを出すところもなく、ゴーロを歩き、やがて流れが緩やかになってくると、堰堤が出てきた。最初の3個は左から降りた。カラノ沢の出会は堰堤ではっきりしなかったが、右岸に仕事道を見つけた。しばらくすると左岸に渡り、その先で荒川に出合った。ここからは車道のような林道を歩き、荒川橋に到着する。靴の履きかえをして、退屈な長い車道をひたすら歩く。薄暗くなった道の両側は何も作られていない荒れた田圃は何か、うら寂しいものだ。やっと民家が現われ、ホッとするがまだ先は長く、堰堤の先で橋を渡り、国道に出るともうすぐ駅です。6時20分すっかり暗くなった赤渕駅に到着した。

カラノ沢 懸垂下降した滝
上の6mも一緒に懸垂した
明日は永沢さんが用事で帰るのであと一日をどうするかが問題だ、とりあえず、行動がし易いようにしたいのと、お風呂に入りたいこともあって、田沢湖駅に戻った。朝お世話になったタクシーの高橋さんに紹介していただいた駅前の松月旅館に宿を取った。永沢さんもお付き合いして泊まってもらった。ビジネスマン用の安宿だが雰囲気も応対も良く、気に入った。風呂を浴びてすっきりした後、旅館の近くのラーメン屋で祝杯の美味いビールを飲んだ。翌日は天気がよかったのでバスで八幡平へ登り、盛岡に下りて帰ってきた。紅葉は草紅葉が始まったばかりでした。3日間とも天候に恵まれた旅でした。