仙ノ倉谷 西ゼン      平成18年10月1日

コース ゲート6;00〜6;20吊橋〜7;10ケルン〜8;00東ゼン出会〜8;35第一スラブ入り口〜9;50第二スラブ出口〜10;00藪道入り口〜11;10登山道〜13;30ケルン〜14;25ゲート


入渓ポイントのケルン
松井さん、平野さんを誘って、かねてより、行きたいと思っていた西ゼンに行ってきた。新座駅に前日の18;00集合して、松井さんの車で越後湯沢のマンションに移動した。松井さんがグループで所有する一室を今回はねぐらとして借してもらった。お陰で快適に寝ることが出来た。翌朝は平漂新道のゲートまで移動した。すでに5台ほど停まっていて、いずれも沢に行く様子です。曇り空に夕方の雨も心配されるが、降らないことを期待して6;00にはゲートを出発した。林道終点の吊橋のところにも2台停められていて、5人ほどのパーティーが準備中でした。西ゼンは大賑わいのようです。先月に下見に来たときは落ちていた吊り橋は修繕されていた。橋を渡った河原で朝食を済ませてから歩き出す。ケルンのある入渓点に着くと、先客がいた、その後からも続々とやってきて狭いところに10人ほどがあふれてしまったので一番先にに入渓した。

東ゼンとの出会のナメ滝
水量が少なくゴーロの石の上を拾って行くと、まもなく左にダイコンオロシ沢が入るが中洲状に見えて、見逃しそうです。ゴーロはイイ沢までで、その先はお目当てのナメが登場してきた。6m滝を越えると東ゼンの落合に着く。東ゼンのナメの奥には大滝らしきものが見える、西ゼンは見える限り、広いナメとナメ滝が続いている。緊張と期待を待たしてくれる。一休みして松井さんリードで、ナメ滝に向かった。乾いたところを選ぶとフリクションも良く、快適に登れるが、草付きになると、実に良くすべる。最初は右の草付きの踏み跡を行き、2段20mの手前で沢に降りるが私は草つきを登り過ぎてトラバースに苦労した。早めに降りたほうが安全なようだ、特に今回のように水量が少ないと傾斜はあってもナメの中のクラックやシワを拾うと意外と簡単に登れる。前方には第一スラブの右側の広がりが見えてきた。核心に入る前に休憩、休憩中に2人組みに抜かれた。

東ゼンのナメ

第一スラブ入り口
2段7m滝
沢が狭まり、5mチムニー滝が出てくる、ここは左の丸いカンテが登りやすそうだが最後で詰まりそうなので、更に左の壁を登った。遡行者が多いのでしっかりと踏み跡が出来ている。超えると、第一スラブ入り口の2段7m滝になる、先ほどの2人組が写真を撮っているので先に行く、左側の草付きに登山道のように踏み跡があるので簡単に超える、少し草付を行き、降りやすそうなところで早めに沢に下りた。踏み跡はそのまま先に付いている。コケつきのナメを避けるとフリクションは良く、歩きやすそうなところを拾うと気持ち良く歩ける。左から枝沢が入るが水はほとんどなく、簡単に通過した。高度が上がり、周りの潅木の緑に赤や黄色が目立つようになり、つい立ち止まってしまう。第一スラブが終わる手前で、紅葉見物の休憩をする。振り向くと怖いような斜面が見えて、良くぞ登ったと感心する。休憩中に先ほどの2人組が追い抜いていった。

第一スラブで

第二スラブ入り口の滝
2段15m
第一スラブが終了となる4m滝が出てきて、先行の2人組みがザイルを出していたので私と平野さんは右を巻いた。松井さんは直登したが最後のところが渋かったようです。第2スラブ入り口の2段15m滝下に着くと、先行2人組が右の踏み跡も登ったところで思案中です。トラバースが難しいようで、左を行くようにアドバイスをしてくれた。一見、右のほうがしっかりとした踏み跡があり、良さそうだが沢に下りるのには懸垂することになるようだ。我々は左のやや垂直の壁を登り、草付を少し入ったところで早めに滝上に降りた。後は左側の歩きやすいところを選んで登る。左から枝沢が入るが問題なく渡れた。渡った先でスラブの余韻を楽しむように、大休憩をした。後続者がスラブを這うように登ってくるのがはるか下に見える。大休憩中、2人組がまた、先行していった。

第二スラブ中段から上部を見る

第二スラブ終了してホッとした処に現われる
7mスダレ滝
第2スラブの残り半分は左右どちらからも行けそうだが最後の滝下には右側からのほうが良さそうに見える。そこで水流を渡って右側に出て斜上するようにルートをとったが滑った岩と急斜面が見た以上いやらしい。滝下に向かっている狭いバンドに登って見ると踏まれた跡がしっかりあった。もう少し右寄りまで行くと、この道に乗れた感じだ。2人組は左から登ってハーケンを打っていた。下山のときに聞いたら確保の練習をしていたそうです。この間に我々が又、先行することになった。第2スラブ終了点の2段4m滝は下は一歩水中に足場を取って上り、上は右側を登って超える。7mスダレ滝を左から小さく巻く、その先に2段5m上2条滝を越えると沢は急に狭まり、二俣になり、右にはいる。すぐに左に枝沢が入るので右に行くとまもなく、笹薮にぶつかり、右の笹薮に踏み跡が見られるところに着く。笹の根元に湧き水をペットボトルに汲み、一休みする。

源頭部、まもなく水が消える

最後の詰め
松井さんトップで藪に突入する。踏み後はあるが背丈以上の笹が被っていて、歩きにくい、一箇所、崩壊地があった。笹が腰くらいななり歩きやすくなって、笹の切れたところで、ピンソールを装着した。前方に鞍部が見えて来ると、すぐに小さな池塘に出た。そこが登山道だった。緑のじゅうたんに織り込まれた紅葉が遡行の終了を祝ってくれた。稜線の風は冷たく、雨具を着る。ガスが出きたので、平漂山は諦めて下山をした。松井さんが快調に飛ばして下りてゆく、平野さんと私は展望と遡行の余韻を楽しみながら下りる。途中、第2スラブの入り口の滝を右から上ったという単独者に会った。トラバースしたが結局沢に下りることが出来ずに、登山道に這い上がったということです。展望台で、西ゼン第2スラブの全景、東ゼンの大滝を眺めながら、この急傾斜を本当に登ったのかと、感激してしまう。今度は東ゼンにも挑戦したい気分になった。下山後はマンションでお風呂に入って、越後湯沢駅前の中野屋さんでそばを食べ、打ち上げをした。念願だった西ゼンはいい沢だった。蕎麦屋を出ると雨降りだった。天気も遡行を応援してくれたようだ。

登山道脇の池塘

下山道から見た、第二スラブの全景