笛吹川 ヌク沢左俣右沢     平成18年10月9日 

コース 西沢渓谷駐車場6:35〜ヌク沢入渓点7:05〜8;10戸渡尾根登山道8:15
大滝下段下10;55〜大滝中段下11;10〜大滝上12:10〜12;15遡行終了12;50
〜14:05戸渡尾根14:25〜徳ちゃん新道15:15〜16:55駐車場


浅間隠山 山頂で虹を見た
7日〜9日で黄蓮谷に行く予定が前日の大雨と、近づく台風の悪戯でコースの変更に次ぐ変更の事態となった。7日の午後から天気は回復して、特に南は快晴の予報のため黄連谷を諦め切れなかった。増水が心配で中止を決定するが、後で7日〜8日で甲斐駒ケ岳に登った人の情報だと、晴れていたが、風が強く、8合目では樹氷が見られ9合目は一部凍結していたとの事、中止は正解だったとわかった。上越国境を越えなければ8日〜9日は良い天気と、確信をして、前日に武尊の川場谷に変更した。7日の夜出れば問題ないが、休みで、暇なので早めに出て、温泉によってからキャンプをしようと11時に新座駅に集合した。途中、どこかで辻本さんと合流することにして松井さんの車で出発する。渋滞の後ろについてしまい沼田まで5時間かかった。スーパーで買出しをして川場野営場に向かうが、時々雨も降る、いやな天気になってきた。野営場に付くと若者一人が着いたところで、他には先客はない。その後何台か到着したようだが、下の旭小屋に行ったようで、この夜は我々4人と若者の5人でした。外はすっかり本降りの雨、すき焼き鍋とアルコールで前夜祭はかまわず絶好調です。ラジオのニュースで白馬岳の吹雪で遭難者が出たことを聞きながらもし、明日の天候が悪いときはどこかに変更しようと、意見を出し合うがそれぞれ行きたい場所が違い、候補地を絞ることもなく寝てしまった。

大滝の下段の始まり
翌早朝に突風で起こされる。寝なおして5:30に起きてみると、雨、風は激しく、時折明るくなるものの、川場谷は断念する。武尊山を目指す人たちも到着するが皆さん思案のしどころで、中には登ってゆく人もいて、それぞれです。東京を出たときはこんな天気になるとは想像できなかったのは皆、同じようです。関東以南は良さそうなので、とりあえず、高崎に戻り地図を購入して再検討することにした。途中、旭小屋に泊まった若者一人が雨の中歩いていたので沼田駅まで乗せてあげる。高崎駅ビルの本屋でエアリアマップを購入、今日は浅間隠山に登り、その後、道の駅「みとみ」で泊まって、ヌク沢遡行と決定。浅間隠山は駐車場が満車で登山口の路肩に何とか停めて、ピストンをした。風が強く山頂は長居が出来なかったが、まづまづの展望でした。山頂できれいな虹が見られました。それにしても登山者の多さにびっくりです。秩父「大滝温泉」で食事と、風呂を済ませて、「みとみ」でテントを張ろうとしたが強風で、西沢渓谷の駐車場に場所を替えた。車2台を風除けにして、2張りのテントを設営した。トイレのないことを除くと快適です。

下段中央で
平野さんが、皆より、1時間も早く起きて、ご飯を炊き、味噌汁と卵とじ野菜炒めを作ってくれた。お陰で暖かい朝食をいただけた。残りご飯はそれぞれがタッパーに詰めたり、おにぎりにした。梅干、のり、オカカ、昆布の佃煮、漬物、を好みに添えてこれまた、豪華な昼飯弁当が出来た。西沢渓谷の遊歩道を行き、ヌク沢の標識のところから入渓した。すぐの堰堤は右から巻き、沢に下りる。水量は非常に多い。5m前後の滝をいくつか超え、6mのナメ滝は松井さんのリードでお助け紐を出してもらう。右に崩壊地が出てきて、5mの両壁が迫ったナメ滝は右から巻いた。右にナメ滝を持つ枝沢が入る。10m滝を右から巻く、左に枝沢が入ると、そこは登山道が横切り、すぐ奥には大きな堰堤が出てきた。一休みして、左から堰堤を巻く、対岸を登山者が巻いているのが見える。登山者は間違って登ったようです。

下段の最終部、その上が中段
堰堤の上は穏やかな流れで、5m滝、その先はナメが続ききれいなところです。右に枝沢が入ると小屋跡のような雰囲気のところとなった。逆くの字5m滝を過ぎると小滝が連続している。左に1;3のやや水量のある枝沢が入る。すぐに、右に4;1の枝沢が入ってくる、この枝沢の奥にはきれいな8m、スダレ滝が見えていた。ここで堰堤が出てきて、現地確認をするが、エアリアマップは文字が邪魔で読図がしにくい。この堰堤はバックウオーターがあって、右に巻き道が付いていた。しばらくすると踏み後が薄くなったが、その先の小尾根に乗ってみると下りるには懸垂が必要となるので、もう少し登り、ザレのルンゼから下りた。そこは大きな崩壊地でこの崩壊防止の堰堤だったのか。崩壊地を通り越し、右に小枝沢を見てガレ場を過ぎると4個目の堰堤が出てきた。

大滝の中段
左の急斜面から堰堤を巻くと上には作業道があった。この道を使って第5番目の堰堤も越えてしまった。ここで右俣を見落としたらしく、その後の遡行に確信がもてなくなった。後で思うと、頭の中の地形図が微妙に狂い出していた。階段状の滝がある枝沢が左に入ると、すぐに小さな平地で二俣となる。ここでしばらくどちらに行くかを協議する。辻本さんの記憶に従い右沢に入った、結果は良かったのです。いい記憶力でした。右沢に入るとすぐ左にきれいなスダレ滝の枝沢が入った。ここから沢は狭まり、樋状の流れに変わった。階段状の滝が連続する流れは水量も多く、白波を立ててずっと先まで続いている。普段なら水線も歩けるのだだろうが。今日は左のテラスを登った。この状態がしばらくあって、8mナメ滝を左から巻くき、滝上でちょっと休憩をした。このとき後ろの正面に富士山を見つけて感激する。僅かに冠雪した富士山は雲ひとつない姿でした。

中段下で
休憩後は、いよいよ、260m大滝登りが始まる。下段100mは右側を急登する。最後の5mは左側を登り、お助け紐を出してもらう。中段のテラスからも見事な富士山を見ることが出来た。ここで先行者2人が見えた。中段80mは左側と中央のクラックは水が流れているので右側を登った。高度感はあるものの、難しくはない。中段の終了点で先行の若者2人に追い着いた。上段80mは若者のルートを見てから登ろうと、しばらく待つが、せっかち中年組は待ちきれずに、松井さんが上りだした。左のスラブを登ったが途中右にトラバースしてから上の1〜2歩がいやらしい。もう一つ上に傾斜のゆるい8mナメ滝が続く。私と平野さんは左の巻き道を、松井さんと辻本さんはビレーをとって、水流を渡り右側を登った。右側のほうが楽だった。ここで大滝は終了した。

終了点
ここから、穏やかな、開けた沢に変わり、ほっとするところです。休憩の後、歩き出してまもなく、はっきりとした踏み後が横切るのを見つけた。ここで遡行を終了して左の尾根に入るか、もっと先まで詰めるか、相談をする。このまま詰めることにして歩き出す。15分も進んでみたが、穏やかなナメはまだ水量も多く、源頭部はまだ遠いように思われ、急遽、さっきの踏み後に戻った。沢から離れ左の尾根をしばらくトラバースをするが左沢にぶつかり、再び直登をした。ツガ、カラマツの疎林で藪はないが足が重い、息を整えながら、出たところは、戸渡尾根の2240m付近と思われる。靴の履き替えをしていたら、なんと、師匠が生徒3人と降りてきた。坊主谷以来の再開です。雨のため葛根田を中止して釜ノ沢西俣を遡行したとの事です。徳ちゃん新道を下り、大滝温泉で汗を流して、西武秩父駅前のラーメン屋さんで食事をして解散をした。