葛根田川 北の又沢左俣〜大深沢関東沢〜東ノ又沢   
                                                       平成19年10月6日ー8日

コースタイム
1日目 盛岡6:00=7;00葛根田地熱発電所7;20〜大石沢出会10;00〜葛根田大滝11;00〜13:00テン場

2日目テン場7;00〜八瀬森湿原9;30〜9;35八瀬森山荘9;50〜関東沢左俣出会11;05〜12;45大深沢本流13;05〜三俣14;05〜テン場14;40

3日目テン場6;30〜登山道9;55〜三ツ石山分岐10;45〜源太ヶ岳11;30〜林道14;00〜14;10峡雲荘(泊)

4日目峡雲荘9;50=11;45盛岡



前夜、東北新幹線の「はやて」の最終便で盛岡に行き、ビジネスホテルに泊まった(ホテル代4000円)、夜行バスを予定でしたが、行楽シーズンのためか切符が取れなかった。翌朝、タクシーで葛根田地熱発電所まで行ったが(タクシー代9000円),3人旅なので出費はそれほどでもなく楽がでて嬉しい。ゲート前で、タクシーを降りると寒いのにびっくりする、風を避けるように発電所のパイプの陰で仕度をして歩き出すが、この辺り紅葉にはまだはやすぎるようです。地熱発電所の施設を見ながら道を沢沿いにとり、松沢を渡り、第2のゲートで入渓したが堰堤が2個邪魔をするので、もう少し先からのほうがいいのではないかと思う。水量はないが川幅が広く、何処を歩くか迷ってしまう。膝下くらいまでの渡渉を繰り返しながら進むと、水量のある明通沢が右に落ち合いう。



地形図の698mの枝沢にはお椀を伏せたような、人の頭のような、変わった滝が落ちていて、この滝には前回の時の記憶があった。この先。川幅が狭まりると、大きな淵になり、エメラルドグリーンと言うのか、吸い込まれそうな感じだ。いよいよ、U字型淵になる、水量が少ないことと、フリクションがいい岩肌のため期待した(いや、心配していた)ヘツリも快適に、中間部に係る見事なスダレ滝まで来た。その後も難なく通過した。すべて右側を通った。大石沢の出会を過ぎ、5m滝を超えると沼ノ沢出会に着いた。まもなく、連滝を持つ、中の又沢が出会う。20m滝を持つ枝沢が右に見えてくると、本流には手前の小滝とその奥に葛根田大滝が見えてきた。滝下まで行って記念写真を撮って、小滝に戻り、右の巻き道で超えた。広い河原歩きが続き、右に滝の係る枝沢を見送ると、滝の又沢の出会に着く。左側の台地に良いテン場を確認するが、まだ早いので先に進むことにした。





まもなく、810mの二俣に着く、良いテン場は見あたらなかった。大白森に向かう右俣のほうが水量が多い。左俣には8m滝があり、水流をまたぐようにして超える。沢幅も狭く、ゴーロとなり、テン場を探しながら歩くがなかなか見つからない。920m付近で砂地の平地に焚き火の跡を見つけ、雨の心配もないのでここをテン場とした。13時だった。ツエルトを張り終え、薪集めを済ませてから、キノコ探しに行くと中州に熊の足跡を見つけた。久しぶりの焚き火だ、ヌメリスギタケを味噌汁にして賞味した。大振りのナメコだ!アルコールの廻りも早く気持ち良くなったところで早々と、眠りに就いた。沢音が快く眠りに誘う。



2日目、熊の足跡の中州を過ぎ、930m付近で右沢に入った。ゴーロもナメ床に変わり、いやらしいヘツリが出てきたりして楽しい。この付近から周りの紅葉がきれいになってきた。スラブの大壁が右にそそり立つところを通過するとまもなく、20mナメ滝が出てきて、左の巻き道で超えた。ひき続き、2段8m滝が出てきて2段目はザイルを出して右のクラックから草付きを登り、最初に荷揚げをしたが重すぎて諦めた。体力のなくなったことを痛感したのです。2人が登った後、もう一度ザックを取りに降りた。1050mからは左よりに遡って、最後、2〜3分の藪をこぐと八瀬森湿原に飛び出した。湿原の周囲を色とりどりの紅葉が見事に取り巻き、苦労して沢を詰めたご褒美として待っていてくれたようです。感動の瞬間でした。八瀬森山荘に寄ってみた。毛布や布団があり、水も小屋前にに流れがって苦労することもない、静かでいいところだと思いながら休憩していたら、次々と6人もの人たちが到着して、賑やかになってしまった。





小屋の下の鞍部に戻り、関東沢の枝沢に向かう、しっかりと踏み跡があって登山道よりはっきりしているのにびっくりです。直ぐに沢筋が出てきた。1050mで右から水流が多い沢が合う。イワナがやたらと多くウヤウヤといる。浅い岩陰に逃げ込んだのを手づかみしようと何回も試みるがなかなか手が届かないし、冷たくて根負けしてしまう。左に3m滝の枝沢が合う、本流にも3m滝が係り両門の滝状になっているところを過ぎ1000mで関東沢左俣が右に出会うと水量も多くなって、昨日の葛根田川より水量は多い。2条5m滝を降りたところで、やっと、イワナ2匹を手づかみ出来た。3匹めは石の上に飛び出した慌て物がいたが掴み損ねてしまった。逃がしたのは大物だった。中州状のゴーロが出てくると、その先で大深沢本の本流に合流した。出会の大岩の上で昼食休憩をする。



大深沢に入り、ゴーロを40分も歩くと、ナイアガラの滝に着いた。幅広で真ん中で二つに分かれている。右側が堰堤状でスダレに落ちていて、左のほうが水勢がある。右の流れの一番左側に怪しげで細いロープが残地されているがザイルを出して登った。滝上は一変して、ナメなって広がり、紅葉がとてもきれいで感動物でした。直ぐに仮戸沢、その先、北ノ又沢、東ノ又沢が出会う三俣に着く。東ノ又沢に入り、しばらくナメを楽しみながら行くと、突然ナメが消えてゴーロになり、そろそろテン場をと思いながら、歩くが適当な場所もなく1090m付近の右側の藪の薄い台地を手入れをしてテン場にした。思いのほか快適なテン場だった。2匹のイワナは味噌汁に入れてイワナ汁で頂いき、ナメコ、ナラタケ、ヌメリスギタケ入りののキノコ汁も作ったが、他のものを食べすぎ、翌朝、食べることにした。





明日の天気が気になり、ラジオ聞くが地元より遠い札幌が良く入る、何とか岩手地方の局を探しかろうじて聞くことが出来た。早朝から昼までは雨ふるとの予報でしたが寝るときは星空だった。朝方トイレにおきたときは降っていなかったが何時ごろだろうかターフをたたく雨音で起き出して、外に放置していたものを運び込んだ。樹林の中にテン場だったため雨の音も少なく済んだようだ。予定より早立ちをすることにして早めに朝食にした。昨夜作ったキノコ汁を温めお餅を入れて食べると、体が温まり、抜群にうまかった。6;30にテン場を後にして歩き出すが雨具のズボンが邪魔で脱いでしまったため下半身はずぶぬれで歩きとおした。3日目で疲れているためか時々バランスを崩しながら歩くためスピードは上がらない。テン場を出て1時間ほどしたところで、ゴルジェに4個ほどの滝が連続するところに着いた。



ゴルジェの入り口の4m滝を左から巻き、そのまま踏み跡をたどって直上して見たが、谷から離れていくので戻ってゴルジェの中に降りた。残りの滝は見た目より楽にクリアーできた。その後、釜持ちの小滝を幾つか越えて、1300mで右の南に向かう枝沢に入った。笹の被った狭い沢に変わり、雨のためか膝下くらいまで増水している。登山道に一番近づいた付近で藪に入ると、ほんの二漕ぎで1384mの僅か東側にの登山道に出た。草紅葉も終盤を迎えた湿地には雨に霞んだ地塘がやや寂しげに見えた。登山道は水溜りと流れに化して沢歩きの続きをしているかのようだ。1420m付近から背丈くらいの笹が登山道を隠し、笹原を泳ぐように進むと三ツ石山への分岐で突如仮払われた立派な道に出た。大深山荘分岐で右に折れて、源太ヶ岳までは快適な道だった。



源太ヶ岳手前から風が強くなり時々雹のようなものが顔を打ち寒くなってきた。エアリアマップで見ると源太のところで大深山荘との道と分岐して松川温泉に下るものと思い、頂上から崖を少し下ってみたが道ではない、引き返してもう一度見直すがよく分からない。雨でメガネが曇り地図読みがままならない。2万千の地形図で確かめると直ぐ分かったのでしょうが、しないまま、もう少し先で分岐しているだろうと、疑心暗鬼で下りだすが、川になった急下降の道は泥壁になっていて良くすべること、何回も尻餅をつきながら降りると、、かなり降りたところで山荘への分岐に着いた。帰ってからエアリアマップを見ると源太ヶ岳と書かれた位置が悪く、ピークから尾根を外して下っているのが読み取れた。沢歩きが続き、やがて木道が出てくるようになるとやっと水ら開放されてまもなく林道に出た。ここまでがんばってぶら下げてきたキノコは数え切れない尻餅のため無残な姿になっていた。残念ながら諦めて捨てた。



雨はやむことなく、松川温泉に着く、バス停がある峡雲荘で風呂に入れてもらう。玄関前にはお誂え向きに水道とポリバケツがあったのでお借りして汚れ物を洗わせもらってからから風呂に入った。白濁温泉でいい温泉だが蛇口からは水しか出ない、壊れているかと他の蛇口に移ってみたが同じだ。隣の人は水で洗っているが私には無理だ、湯船のお湯を被って風呂に浸かって、見ていると上がり湯で体を洗ったりシャンプーをしているのが分かった。ところがこの上がり湯がほとんどないのです。急いでいる人は水で我慢するのだろうか?風呂から上がり着替えをしていると、後姿に見覚えのある人がいる、なんと師匠が弟子10人を連れて葛根田から同じようなコースを遡行してきたのだった。出かける前からもしかするとこの時期、合うかもしれないと予想してきたが本当に逢ってしまった。フロントで今日泊まることが出来るか聞いてみると、12000円弱でOKだったので、温泉でのんびりして帰ることにした。



高城さんと師匠一行を見送り、部屋に帰って、外の手すりと、部屋の中にザイルで物干しを作り、満艦飾にぶら下げるが結構臭う、窓を開け放し風通しをよくしたりして気を遣った。お陰で翌朝までには、ほとんど乾いてしまった。翌日は地熱発電所を見に行くと、松川地熱館は休館日でした。宿でもらった温泉通行手形を持って松川荘の温泉に寄ってみた白濁湯は同じ、露天風呂はこちらのほうが開放感がある。9時50分のバスで盛岡に戻った。仙台まで在来線に乗ってみようかと思っていたが強風のため遅れが出ていたので、諦めて新幹線で帰郷した。最後の日だけは雨になったが天気もよく、沢泊を2日すると沢旅も充実した感がある。予備日も一寸贅沢に温泉を楽しことが出来、実に、良い山行でした。