奥大井 沢口山      平成19年11月22日ー23日

コースタイム 登山口8;35〜木馬ノ段9;45〜大ミズナラ10;15〜10;30山頂
11;05〜富士見平11;20〜12;20バス停


SL列車


このところ山歩きから遠ざかっていてどこかに行きたいと思うのですが場所の選択に苦慮している。23日〜25日で松井さんと谷川付近と考えていたが松井さんが都合が悪くなり、雪もかなり降ったようで敬遠した。南ならまだ紅葉も楽しめるだろうと、静岡周辺をターゲットとした。PCで検索してると大井川鉄道にはSL車が走っていることを知り、これに乗りたいと、前日に寸又峡付近の宿を探すと奥泉駅の民宿に予約できた。この付近の山はまったく知識がなく温泉にでも入って帰ってもいいと、思っていたがエアリアマップを見ると寸又三山と言うのを見つけた。朝日岳、前黒法師岳、沢口山の三つが記載されていて一番手軽に登れる沢口山に登ってみることにした。旅費の節約のため早朝家を出て、金谷駅まで鈍行で行った。SL列車は全指定席で電話予約しておいて正解でした。紅葉の時期は団体さんが多く、ほぼ満席でした。


車窓の茶畑
大井川は広い河川に思いのほか細い流れだった。千頭駅までSLに乗り、その先はトロッコ電車に乗り換えた。アプトいちしろ駅でアプト式機関車を増結して長島ダム駅まで登ると、高度も増して、山深くなって、周囲の紅葉も色濃くなってきた。終点井川駅の一つ手前の閑蔵駅で下車して接岨峡の旧道を歩いたがチョト間違えて周辺をうろうろした。車道だった旧道はゲートがあって、車に気を使うこともなくのんびりと歩くことが出来た。渓谷はかなり下にあり、木々が邪魔してそれらしき美観は望めないが対岸の山腹にトロッコ電車が時々見えて、この眺めはいい感じです。撮影ポイントと書かれた場所に着いた、東屋もあって対岸の関ノ沢鉄橋を通過する列車を眺めるに最高のビューポイントでした。ここまでは接岨峡温泉から車で入れるが今日は誰にも逢わなかった。家並みが現れると接岨峡温泉会館があり温泉に寄った。電車の時間待ちには最高でした。温泉は地元の人たちが多く、狭いがいいお湯だった。


トロッコ電車の窓から
谷底を覗く、この枕木が燃える


接岨峡温泉に向かうと駅下の家のおじさんが家の庭を通ってゆくと駅に近いと通り抜けを勧めてくれた。日も暮れて湯冷めしそうなところで大変ありがたかった。電車に乗ると2両だけが暖房していて当然その車両に乗った。長島ダムの湖上の鉄橋の中間にある不思議な駅で、ハプニングがあった。「この先鉄橋の枕木が燃えているようです、確認のためしばらく停車します」と言うアナウンスがあった。おいおい鉄橋の枕木が燃えているとは穏やかじゃないよ、駅から接岨峡温泉駅には鉄橋の上を歩けるらしいが反対の上り方向は人が通るはずもなく燃える訳が分からない。興味本位で一番前まで行ってみると確かに煙が出ていて車掌さんが消火器を持って走っていった。やがて保安員も3人来て無事に消火終了したが、この上を走るのかと思うと気持ちが悪かった。火元は保安員のタバコの不始末らしいとのことでした。このため宿に着いたのは遅くなってしまったが夕食にはあり付け良かった。


沢口山の登山口
翌朝、寸又峡温泉に向かう一番のバスに乗った、おじさんおばさんのグループで半分埋められていた。山に行く様子でもなく温泉に行くには早すぎるしナンだろうと思いながら話を聞いていると、駐車場などの手伝いをするらしい。温泉町の手前の川沿いに駐車場が続くが車はほとんど見当たらない。温泉入り口でおじさんおばさん連中が降りると客は5人ほどに減ってしまった。終点で降りてトイレの前の広場に登山口の標識が見えた、広場ではお土産屋さんが開店の準備中でした。少し行くと登山コースの書かれた看板に日向山コースと猿並コースが書かれていた。ここは日向山コース登山口のようだ、ここで横浜から来た単独者と会った。秋葉に縦走するそうで大きな荷物だった。しばらくご一緒したが軽身の私は尾根に出たところで先行させてもらった。

大ミズナラの木
カメラマンの後ろが地獄のヌタ場
木馬ノ段という窪地に着く、この辺りからヒメシャラの木が目立つ、モミジも見られ程よく紅葉していい雰囲気になってきた。しばらく急登すると富士見平の広場に着いた。猿並コースはここで分岐している。やせ尾根を少し行くと尾根が広がり、僅かに下ると鹿のヌタ場に着いた。ミズナラの巨木があり看板も付いたので写真を撮ろうとしたが大きくて全部が入らないのでカメラを構えたまま後ろに下がると突然沼地には膝まで嵌まってしまった。一面落ち葉できれいな平地に見えたのではヌタ場でした。スニーカーのなかに泥と泥水が、ズボンの裾も泥だらけになって、その臭い事、情けない姿になったしまった。他にも嵌まった人はいないだろうか?気を取り直して先に進んだ。

正面の左肩部に崩壊があるのが
朝日岳
ところどころで木段が出てきて、急登を上りきると反射板が見えてきて頂上に着いた。東屋もある誰もいない静かな山頂には山方位盤もあってしばし展望を楽しみながら写真を撮った。光岳、聖岳、朝日岳、大無間岳と西方向の展望が良い、富士山も書かれているが雲の中のようでした。ペットボトルのお茶で靴を洗い干しながら、リンゴを食べ、熱いコーヒーを飲んだ。40分もいただろうか5人のグループが登ってきて、急に賑やかになってしまったので山頂を明け渡して下山をした。途中10人以上の人たちと挨拶を交わしたので、山頂は益々にぎわうだろう。富士見平から猿並コースを下りた。こちらのほうがやや踏み跡も薄く、歩く人も少ないらしく逢ったのは2人だけでした。

寸又温泉「美人つくりの湯」
下った先は駐車場で、朝はガラガラだったが車と人で溢れていた。温泉街を散策しながら最奥にある「美人づくりの湯」で汗を流してから土産に川根茶を買って、バスに乗った。今朝はただ広い空き地のような川沿いの駐車場が満車で順番待ちまでいるのにはビックリです、朝とは別風景を見ているようです。千頭駅も祭日のため大変な混雑でした。金谷駅で熱海行きに乗ったので帰りも各停で熱海まで来たため交通費を節約することが出来た。民宿も安く料理もうまかったし、これからの雪山の時期にはこの付近の山は良いと感じた。