焼石岳    平成19年9月2日〜3日

コース 水沢駅17:24=18:05ひめかゆ温泉(泊)5:45〜7:15中沼登山口7:25〜銀明水8;55〜姥石平9:55〜焼石岳10:15〜姥石平〜東焼石岳11:05〜12:45金明水避難小屋(泊)6:35〜8:10経塚山8:45〜12:15夏油温泉16:50=18:10北上駅


初日の宿 焼石パーク ひめかゆ
また、JR東日本の「大人の休日キップ」3連休のパスが利用できる期間が来た。何しろ、JR東日本の新幹線、特急は乗り放題で12000円ですから、移動の費用を節約するには最適です。車での単独行は不経済で運転が大変なことを考えると利用価値が高い、ただし、駅からの交通機関の連絡や車道歩きのなどで、場所の選択に苦労する。今回は焼石岳の縦走を計画した。前日の午後仕事が終わってから、東北新幹線に飛び乗って、水沢駅迄行った。ホームに下りると南部鉄の風鈴が爽やかな音色で迎えてくれた。バスの時間までスーパーで夕食などの買出しをしながら駅付近を歩くと、史跡やお寺が多く、昔はこの地方の重要な場所であったことが伺えて興味ある町だ、いつか、時間をかけて散歩したい所です。駅に戻り、17;24のひめかゆスキー場行きのバスに乗った。乗客は3人だけ、しばらくすると皆さん降りてしまい、一人だけになった。40分ほどでひめかゆ温泉に着き、「焼石パークひめかゆ」に泊まった。ここは温水プールまである大きな施設で、素泊まりで予約していたので夕食を持参してきたが、食堂も完備していた。素泊まりは4550円で山登りの前夜に温泉なんて最高です。少し、しょっぱいツルツル温泉だった。

中沼登山口
翌朝、温泉を後にして車道を15分も歩くと、ダム建設の見えてきて、予定の道は工事関係者以外立ち入り禁止となっている。ガードマンに聞くと登山口へは取り付け道路を歩いてくれと言われてしまった。胆沢川の左岸のかなり上部の山腹にトンネルが見える、大きく蛇行している道を見ただけでうんざりしてしまった。登山口まで3時間の予定でしたが、かなりオーバーしそうです。覚悟を決めて歩いていたら、胆沢トンネルのところで工事現場に行く軽トラが拾ってくれた。尿前川の左岸道と中沼登山口への分岐まで乗せてもらった。ここから15分も歩いたところに「峰谷山友荘」と書かれた小屋前でまた軽トラが止まってくれた。その人はこの小屋から金名水避難小屋に登山道の整備の資材を運ぶそうで、資材の積み込みが終わったら登山口まで送ってくれると言うので、しばらく待つことにした。この小屋は胆沢山岳会の管理小屋で、登山道の整備などのボランティアをしているそうです。しばらく待っていると別の車が通りかかり、この人たちもお仲間でこちらの車で登山口まで送っていただいた。お陰で、予定より2時間も早く、中沼登山口に着くことが出来た。

銀明水
登山口には秋田ナンバーの小型バスが2台止まっていて運転手さんに聞くと、今朝、30何人かの団体さんが登ったとの事でした。雨が降らないだけで儲け物という怪しい天気のなかを歩き出した。湿地の登山道には、時々、木道が出てくる。しばらくすると人の話し声が聞こえてきて、そこは中沼だった。ここで秋田の団体さんを抜いたあとは静かな歩きだった。つぶ沼コースとの分岐付近はお花畑での様相を感じさせてくれる。今はリンドウと咲き残りのミズギク、オニシオガマが見られた。咲き終わった物からも、花の時期には素晴らしいことが分かる。銀明水の広場に出て、備えの柄杓で湧き水を味わって、避難小屋に寄ってみた。入り口の戸が少しだけしか開かないため中に入れなかった。車に乗せてもらえたお陰で、ここに泊まる必要がないが、もし予定通りだったら慌ててしまっただろう。後で聞くと、この戸はレールが少しゆがんでいるから強引に開けると良いと教えてもらった。

霧の焼石岳山頂
ガスは益々濃く、回りが見えない代わりに、足元の花が目立つ存在となって写真を撮る回数が多くなる。まだまだ夏の花が数多く残っていて楽しみながら歩けた。姥石平に出ると岩の転がる平原となって雰囲気が変わった。ゴーロの道を焼石岳まで行ってみたが濃霧で途中の泉水沼という標識がなかったら沼のあることさえ分からなかった。山頂標識を写真に撮るだけで、姥石平に戻ったら秋田の団体さんが着いたところだった。東焼石岳に向かうと今までとは一変して刈り払いがなくなって、腰まで被るところも出てきたので雨具のズボンだけを履いた。この後、金明水までこんな道だった。濃霧で広い尾根はルートを外しやすいが、ここはしっかりとロープで誘導してくれるので間違うこともなく六沢山に出た。潅木の溝状の道を下り草原の斜面に出るとまもなく、霧の中にぼんやりと建つ金明水避難小屋に着いた。小屋に入ると6〜7人が食事をしていた。なんと、今朝、「峰谷山友荘」で車に乗せてくれた人と、そのお仲間で、中沼から直登の沢沿いコースを登ってこられたそうです。刈り払いの予定だったが、天気が悪いので中止、休憩してから下山してゆきました。ただ一人Sさんだけは泊まって明日、刈り払いをするということで、この夜は二人だけの小屋泊まりでした。Sさんは前沢の方でこの山域に40年入っているそうで、暇があれば登山道の整備をしているそうです。他の山にも詳しく、いろいろな話を聞かせてもらました。小屋は新しく、湧き水が流れていて水の心配もなく、、トイレも水洗で実に快適な小屋でした。

お世話になった金明水避難小屋
昨夜遅く、雨音がしていたので心配しながら起き出すと、雲の上に栗駒山が見えて、良くなる感じです。Sさんの見送りを受けてきれいに刈り払いされた沢沿いの道を登る。しばらくするとSさんが小屋から、お別れの声を送ってくれたので、大声で「お世話になりました」とホイッスルとで返礼をした。こんなことは初めてで爽やかな気分になりました。経塚山の手前まで刈り払いがされていて、終了部には草刈機が置かれていた、Sさんが一人、黙々と機械を動かす姿を想像しながら通り過ぎた。賽の河原の鞍部でお岩沢と夏油川の源頭部を眺めてから経塚山に登った。山頂で30分ほど過ごし、雲の切れ間から栗駒山、焼石岳方向、牛形山などを眺めた。お坪の庭の手前で岩の隙間から涼しい風が吹いているところで休憩をした。水場を過ぎ、ロープが付けられた岩場を下降すると赤い橋で夏油川を渡り、登り返すと、林道に出た。やがて温泉の赤い屋根が見え出した頃、小川があったので汚れた雨具と靴を洗い、顔も洗ってさっぱりして、温泉に着いた。

経塚山から焼石岳を見る

元湯夏油の自炊棟
元湯夏油に寄った。この温泉に入ることも山登りと同じくらい楽しみにしてきた、バスの時間まで4時間半あるので充分過ぎるくらい時間がある。800円払って3時まで大広間で休憩が出来る券を買った。今の時間は5箇所のお風呂が楽しめる。先ず、内湯の「白猿の湯」に行く、石鹸が使用できるのはここだけで、山の汗を流し、気分が良くなったところで食堂で定食とビールで山行の無事を祝って、一休みした。外湯めぐりにでかける、「大湯」は熱くて足だけ入った。地元の人らしい方はどっぷり肩まで入っていたが他の人は入れなかった。隣の「疝気の湯」は温めで囲いもないので、川の流れを眺めながらのんびり出来た。パンツ一つで夏油川をを30mも下る、風呂上りには丁度良い川遊びで「目の湯」に入った。ここは囲いがあって先客がアルコールを飲みながら入っていたので、早めに出て、橋を渡り「真湯」に入った。時間よって女性専用になるそうで、今は混浴時間、もちろん男性陣だけだった。広間で3時まで昼寝をして、その後は外の東屋でごろ寝をしてバスを待った。バスは私のほかに一人乗せ、北上駅に着いた。予想外に花の豊富な山であることを知ったので、今度は花の時期に登りたい。尿前沢、合居沢の遡行もしてみたいものです。

夏油川と大湯

オニシオガマ

リンドウ

ヒオウギアヤメ

ギボシ