薬師岳     平成19年8月12日〜15日

室堂7;40〜13:00五色が原キャンプ場(泊)6:40〜9;30越中沢岳〜13;20スゴ乗越キャンプ場(泊)
5;40〜10;00薬師岳〜13;00太郎兵衛平キャンプ場(泊)6;00〜8;30折立


麻の室堂
今年の夏休みは、うまく日曜日〜日曜日の8日間が取れたので思い切って室堂〜三俣蓮華〜湯股温泉の6泊7日の大縦走を企てたのです。出来るだけ軽くしたつもりが1週間の食料を入れると20kをオーバーしてしまった、これに水を入れると、果たしてどうなことやら。11日の夜、新宿から室堂行きのバスに乗るが、待合所の都庁の駐車場は思いのほか空いていた。

いつものことながら熟睡は出来ないまま、室堂に着いた。朝の7時と言うのにもう人が一杯、朝飯、昼飯の兼用にマス寿司を買って、水を2リットル入れて、いよいよ出発するが、その重さに、この先が思いやられる。天候は最高に良さそうで展望は楽しみに出来そうだ。この天候の良さが後々にアダになるのでした。


竜王岳から薬師岳を望
手前の台地が五色が原
室堂山への道に入ると、人並みも少なくなり山道になってきた。小さな雪渓を渡り、浄土山を巻き富山大学研究所で一休み、竜王岳に着くと展望が良く、今日のテン場、五色が原が眼下に見えている。薬師岳、黒部五郎、槍ヶ岳、水晶岳と今回の予定コースが広がっている。ザラ峠まではその名の通りザレタ下りでした。

右に崩壊した斜面を覗き込みながら進むと、青い屋根の閉鎖した小屋前を通り、分岐で、左に入ると五色ヶ原のテン場に着いた。広々として開けたテン場ですが、日陰がまったくありません、テントを張り終えて、小屋に行って、ビールを買って、水を分けたもらいテン場に戻ったが強烈な暑さに閉口です。

傘をさしながら日の陰るのを待って、食事の仕度をした。さすがに日が沈み、しばらくすると、テントの中も気持ち良くなってきた。夜中、今までに見たこともないすばらしい満点の星を眺めて、流れ星をいくつも見ることが出来て感動した。


越中沢岳から薬師岳を
翌朝、今日のコースは6時間の歩きで急ぐ必要もなく、早くテン場についても暑いだけと思い、6時半に歩き出したが一番最後のほうでした。

日が昇りだすと強烈に暑く、皆さん、早立ちした理由が分かってきた。左方向には雪渓と沼地の先に笠ヶ岳のトンガリが美しい、右に弥陀ヶ原の台地を眺め、やっと鳶山に着いた。急坂を下り、越中沢乗越、上り返して越中沢岳に着いたときは暑さで頭がボーとしていた。今日の目的地のスゴ乗越小屋も小さく見えているがまだ先です。

スゴ乗越し下りながら休憩場所を探すが風がなく鞍部に出ても暑さは同じ、ハイマツの日陰は通行に邪魔でいい場所が見つからないまま、スゴ乗越しに着き、ここで藪の中に日陰を求めてしばらく昼寝をした。この後も10歩歩いて立ち止まる、この繰り返しでようやくスゴ乗越のテン場に着いた。

ここは狭く、もうテン場は一杯に近くて、いい場所は諦めていたら、若者のグループが少し移動してくれたお陰で、いい場所を確保できた。その後も続々と到着して通路もないほどにテントで塞がれてしまった。水は小屋前に蛇口から自由にもらえてありがたい。水取りのついでに、小屋前のテーブルで小屋泊まりの人たちとしばらくビールを飲みながら雑談をして時間を過ごす。

小屋も満杯状態でこの後も団体さんが着くと言うことで厳しいようだ。テン場に戻り、食事作りをするが野菜や卵を持ってきて料理している人はいなかった。皆さん食料で軽量化をしているようで勉強になった。


黒部川源流を望む
3日目、昨夜は思いのほか冷えたようで、テントに朝露が一杯付いていた。砂地のテン場で濡れたテントを畳むと砂が付着してしまい、始末が悪いことを知った。重くなったテントを背負って、テン場を出るたのは、今日も最後だった。

快晴、暑くなりそうで、小屋前で水を多めに補給してから歩き始めた。5;50、太陽がが昇ると、急激に気温が上昇し、太陽の光が恨めしくさえ感じてしまう。間山を越えて森林限界に出ると展望が良く、黒部川源頭部が近くなった感じがする。有峰湖を眺めながらようやく、北薬師岳に着く、その先には赤黒くキレ落ちた斜面に金作カール雪渓がきれいだ。狭い稜線の先に薬師岳がとがっている。

薬師岳の頂上で360度の展望を堪能して、薬師岳山荘の降りて、あんみつを食べながら休憩をした。テン場手前の沢でテントやテントマットの砂を洗い落としてテン場に出た。ここは広いテン場ですがすでにめぼしき所は埋め尽くされていた。少し傾斜はあるが、平地を見つけ設営をして、早速水場に行き顔と体を拭いた。

水は水道になって流れ放題になっているし。トイレも水洗で気持ちが良いものです。ここでも日の沈むまでの暑さを過ごすのにひと苦労した。頻繁に水場に行っては水浴びをし、後は笠をさして何とかしのぐだけでした。山に入って3日間雨はもちろん雷さえ鳴りません。こんな夏山は初めてです。

日焼け止めを塗りながら歩いたのですが手袋をしなかったためか手の甲が日焼けで腫れてきて、ストックを握るのに不自由、首の周りもブツブツになって来た。明朝の体調で先に進むかを決めることにして眠りに就いた。


中央に太郎平小屋
4日目、日焼けはひどく、それに食料は計画より、はるかに少ししか消化してないため、ザックの重さは一向に軽くならない。ここから先はエスケープするルートはなくなるので折立に下山することに決定した。6時になってもテン場にはまだ残っている人も多く、今までのように急き立てられるようなこともなく、のんびりとした出発でした。

賑やかな太郎小屋の前を通り過ぎると、道は車道のように広く平坦で歩きやすくなった。白山の山並みを眺めながらの歩きは快適です。剣岳を見納めにして、眼下の有峰湖に向かって下降、やがて樹林帯に入り太郎坂を急下降すると折立に着いた。バスの乗り方が良く分からないので、適当に並んでいたら予約している人がいて、先に乗って、残った席は自由だった。

予約していたのは4人だけでした。出発しようとしたらバスが故障で別のバスに乗り換えたりして、かなり遅れて富山駅に着いた。近くに観音湯と言う銭湯があると言うので団体さんにくっついて行くと、営業時間前だった。オープンするまで近くのすし屋で時間をつぶしてから風呂に入った。ここは山の人たちのために営業しているそうで、

まもなく閉鎖するかもしれないそうです。風呂の前のコンビニから重いザックを宅配便で送りナップザック一つで帰郷した。初めてこんなことをしてみたがお盆で混雑した電車に乗るには大きなザックを持ち込むのは気がひけることを思うと安いものだった。