楢ノ木尾根ー雁ヶ腹摺山ー黒岳ー大蔵高丸ー湯ノ沢林道     
 平成21年11月22〜23日

コースタイム 1日目 営業所=上和田〜大峰〜大樺ノ頭〜雁ヶ腹摺山〜大峠(泊)
2日目 大峠〜黒岳〜9;10白谷丸10;20〜11;45大蔵高丸12:40〜天目山温泉15:08=15;20甲斐大和駅


上和田小学校を見下ろしながら
登山口へ
日曜日と勤労感謝の祝日の連休です。去年の4月中途半端になって気になっていた楢ノ木尾根へ行ってみた。上和田へ行くバスの時刻を調べると朝一番は6;45に猿橋の営業所初の便だと分かる。当日では間に合わないので前夜、笹子駅でビバークして翌朝一番の電車で猿橋に戻るとちょうど間に合う。笹子駅に22時ころ降りたら先客に家なきおじさんが居たので外にテントを張った。0時過ぎに特急が通り過ぎるときがうるさいだけ人の乗り降りもなく静かでした。意外と暖かい夜で快適に寝られた。翌朝、カップラーメンで朝食を済ませて6;05の電車に乗って猿橋駅に戻り、駅前から20号国道へ出て、コンビニで不足の食料を買い足し、営業所のバス停に10分ほど歩いた。

紅葉の奈良子川の谷
竹の向行きのバスは乗客一人を乗せて出発する。紅葉見ごろの奇橋猿橋を右に眺めて一路、葛野川に沿って走る。上和田バス停で下車する。取り付きは去年来ているので気楽です。バス道を先に進むと左に登る。割れた道標を見落としたやすい。上和田小学校の緑の屋根と時計台が見るからに学校の感じだ。山全体が紅葉しているが色が暗くくすんでいる。今年は良くないのかもしれない。最奥の民家の手前の階段が登山口です。水無山まで雑木林の急登が続く、水無山山頂は南に寄ったところにあるので今回はパスする。稜線上から1298峰と大峰の鋭鋒が見えてくると、左の谷には奈良子の紅葉で埋め尽くされた集落が見下ろせるようになる。西沢の頭というピークと小さな祠を過ぎ雑木の快適尾根を行くと泣き坂ノ頭に到着した。

鉄塔越に見る大樺ノ頭
立ち枯れの木が目立つところを過ぎると鉄塔の下に着いた。前方には大樺ノ頭が見えてきた。白樺の林が目立つところだった。涸れたスズタケを過ぎるとこ小笹と落ち葉の広場に出た。ここでテントを張りたいようなとこらだった。左に姥子山の岩峰が見えるようになった。送電線の巡視路分岐に出ると、そこから背丈ほどのスズタケの藪に突入する。程なく藪も終わり大樺ノ頭に着いた。小広場の山頂の周りは疎林ですが一部展望も望める気持ちのよいピークだった。山頂標識の下にシオジの森と北方向にに矢印がされていた。大峠に下りて案内板を見たら下荒出沢とナガ沢の中間尾根にシオジの群生地があるようだ。少し進むと雁ヶ腹摺山が大きく見える。湯ノ沢峠から黒岳の稜線が見渡せる場所を過ぎると、雁ヶ腹摺山の最後の登りになる。北斜面には少し雪も見られる。ようやく見慣れた山頂に到着してほっとする。ここまで沢山のアップダウンの連続でダウンは少なくアップのところが長い、しかも急登ばかりでこのコースは逆コースが絶対楽です。

一晩お世話になった大峠の東屋
雁ヶ腹摺山頂から滝子山、三つ峠は見えるが富士山が雲で見えませんでした。大峠まで下りる。上和田から8時間かかったので疲れもあり、湯ノ沢小屋まで行っても連休でいっぱいだろうと思い大峠の東屋でテントを張った。風が冷たく強いが東屋のお陰でいくらかしのぎやすい。薄暗くなったころガサガサと音がするので覗いて見ると鹿が来ていた。黒岳から3人の若者が自転車で下りてきた。今晩の献立はナメコたっぷりの味噌汁に残ったおにぎりを雑炊にした。焼酎のお湯割りで暖かくなった。夜中2度ほどキーンキーンと鹿の泣く声で起こされた。東屋まで3頭が来ていた。小雪が舞う寒い夜でしたが東屋のお陰でそれほど寒くなかった。

白谷丸のカヤト
日川右岸尾根と南アルプス
2日目の朝です。水取りに行き、歯磨き、洗面ですっきりする。ナメコが残ったのでナメコ汁を再度作る。カップラーメンも食べる。昨日の疲れが残っている。今日の行動予定は特にない、黒岳に上がった様子で小金沢山に向かうか湯ノ沢に下りるか決めることにして歩き出す。コメツガの樹林を登ると最近登山道を整備したらしく、伐採された木が目立つ。樹林で見晴らしのない黒岳山頂はとうっすらと雪があった。カメラマンが独り居た野で暫く立ち話をした。白谷ヶ丸の展望が樋と勧めてくれたのでそちらに向かう。樹林を抜け、カヤトに出ると一気に見晴らしが良くなる。南アルプスははっきりと稜線が見えるが富士山の山頂は雲がかかっている。小金沢に行くのはやめて湯ノ沢に下りることにしてここでのんびり雲の切れるのを待った。コーヒーを淹れ1時間以上もカヤトの中に寝転んでいた。富士山の雲も一瞬切れた。八ヶ岳、金峰山、国師岳も顔を出してくれた。

大蔵高丸の富士山
白谷ヶ丸の岩場に移動して奥多摩の稜線を眺めて湯ノ沢に下った。ちょうど昼食時、大蔵高丸まで登って食事にすることにした、大蔵高丸山頂は8人ほどが食事休憩で賑やかでした、少し移動しただけで富士山がぐんと近づいて見える。山頂のくもが取れ中腹になびく雲に変わった。ここで又小1時間過ごして南アルプスも霞んできたので下山した。湯ノ沢峠小屋を覗いて沢沿いの道を下る。車道に出たところで、大蔵高丸で一緒だった人が車で下りてきて拾ってくれた。おかげさまで天目山温泉にゆっくりと浸かることが出来た。交通のバスがちょうど来たので乗ると15;20には甲斐大和の駅に着いてしまった。このバス今季は今日が最終運行日だった。
1日目はアップダウンと急登に苦しめられたが2日目はいい日和に恵まれ充分展望を楽しむことが出来ました。