米子沢    平成22年10月31日       TOP  BACK

コースタイム
林道入口駐車場6:40〜大滝下9;10〜大高巻きのはじめ10;50〜大高巻きの終了14:00〜16:15避難小屋16:40〜19:20駐車場

 
前夜、泊まったキャンプ場の
管理棟

昨年から平野さんに米子沢をお願いしていた。ようやく10月の最後の週に行きますとメールが入った。早速OKの返事を出して楽しみに待ったところ台風の影響で前日は大雨で日曜日もはっきりとした天気ではなく、前夜の出発の直前まで迷った。ウェザーニュースとにらめっこの末、一時の晴れ予報を信じて出かけた。平野さんと川越駅で2時に落ち合い車に乗せてもらった。高速道路に入ると雨はますます強くなって大雨です。赤城高原SAで平野さんの友達3人と合流して、越後湯沢のトンネルを過ぎると道は乾き何か薄日も差していていた。塩沢ICで下り、途中スーパーで買い物をして清水集落へ、そして巻機山キャンプ場の管理小屋に到着した。管理人さんがお湯を沸かして待っていてくれた。畳の部屋、寝具、煮炊きの道具、食器もすべてそろっていて使用してよいそうで実に便利な小屋でした。使用料は一人1500円でした。早速、平野さんが準備してくれた豚シャブを女性人が手際よく料理してくれ、お酒、ビール、焼酎で前夜祭をする。6畳間で寝たがカメムシの大群がいて気分は良くなかった。
 
 
見事な紅葉と大滝、

翌朝、曇り、天気予報は夕方から雨とのことです。林道に入るところまで車を移動して出発した。紅葉はすでに遅いがまだ残りが楽しめる。割引沢の天狗岩を眺めながら林道を行き、適当に沢に入ったがひとつ前の堰堤に出た。その先で真ん中が通り抜けられる堰堤を通過する。紅葉もまだこのあたりは楽しめるのでゴーロ歩きも苦にならない。ゴーロを歩着きが終わると最初のナメ滝が出てくる。ナメ沢の出会で休憩をして、ゴルジェ帯の巻き道を行く。薮の隙間から滝を眺めながら登るがすこし上りすぎた気がする。
沢に戻り大滝の手前で休憩、大滝もネットで見る同じ時期の遡行写真と比べると水量が多く、白波を飛ばして豪快です。大滝は右を巻いた。滝と紅葉、空には秋のうす雲気持ちよさそうに広がり、気分は爽快です。
昨日の雨で水量が多いため巻く回数が多い。第2のゴルジェ入口の滝も取り付くの腰の上まて浸かるため、ここも右から巻く。12mスダレ滝も一緒に巻いた。スダレを通り越して幅広滝になっていた。柱状節理の岸壁を見上げながら過ぎ、樋状滝は右のクラックを登った。この付近には雪の残りが目に付くようになった。
 
 
巻きながら眺めた
スダレ滝

 
樋状滝

 
大高巻きの始まり
ゴルジェ入口の滝

樋状滝の次が問題の高まきを強いられた滝です。1340m右に枝沢が入るところ、ここからゴルジェが始まるところです。水線を登るのがルートらしいのですが水が噴き出しているので右の岩場を登ることにした。平野さんがトップでザイルを出すが流れが悪く手間取ってしまった。後で思うと 岩の上に出たところで懸垂で沢に戻ると良かった。しかし水量を考えると果たしてその先をクリヤー出来たかが疑問です。安全を考えて巻き道に入ったが帰ってからネットで見るとこのルートに入り込み苦戦をしていることが分かった。
最初はそれなりの踏み跡だったが、やがて薄くなってきた。絶壁のトラバース道で行く手を失いすこし戻って薮を這い上がる。すこし登っては左にトラバースを繰り返す。潅木と濃い笹薮が動きを鈍らせ、体力の消耗させられる。一時は巻機ー朝日岳の稜線に逃げることも考慮したがそれはビバーク覚悟となってしまう。
薮の隙間から前方が見渡せるところで、なんとなく傾斜がゆるい斜面で降りられそうな場所を見つけた。その方向に向かいトラバースしながら下る。濃い笹薮のトラバースで疲労が増すがこの笹のおかげで懸垂をすることなく沢に下りられた。1500mのところだった。ゴルジェ帯は過ぎ大ナメ帯に下りられたことでみんなホッとした。2時間強の薮漕ぎ、高まきだった。
 
大高巻きの途中から眺めた
ゴルジェ、全部巻いた

 
高巻きが終了、
ほっとして大ナメを歩く

大ナメ帯も水流は白波を立てて流れている。まだ2時すこし前だがガスが立ち込めて薄暗く見通しが悪く心細いものがある。奥の二俣で進入禁止の札を確認して左俣に入った。この付近の沢筋は雪が積もっていた。
私のミスで避難小屋への枝沢を見落として15分ほど進んで気がつき戻って避難小屋に詰め上げた。小屋はすっかり戸締りされ入ることが出来ませんでした。4時を回ったところだったがすでに薄暗くなった小屋の脇で靴を履き替えて軽く食べ物を口に入れ、ヘッデンを点け、 井戸尾根を下った。薮漕ぎと水の冷たさで両足が攣ってしまい時々休みながら下った。天気予報どおり雨が降り出してきたが小雨で助かりました。7時20分ころに駐車場に戻った。初級の沢といえども水量によって難易度が大きく変わるのを教えられた。いい勉強になりました。12時間半の山行でしたが何より沢の初心者の女性2人が根をあげずに付いてきてくれたことに感激しました。