仙丈岳ー間ノ岳ー塩見岳(仙塩尾根)    平成22年7月15日ー19日     TOP  BACK

コースタイム
1日目 甲府駅9;30=11;30広河原12;20=12;45北沢峠12;50〜16;35仙丈小屋
2日目 仙丈小屋5;50〜大仙丈岳7:00〜伊那荒倉岳9;30〜野呂川越11;40〜12;35両俣小屋
3日目 両俣小屋5;05〜野呂川越5;55〜9;00三峰岳10;00〜間ノ岳11;05〜12;05農鳥小屋12;20〜三国平14;10〜14;45熊ノ平小屋
4日目 熊ノ平小屋4;05〜北荒川岳7;00〜北俣岳8;45〜9;35塩見岳9;50〜塩見小屋11;00〜14;15三伏小屋
5日目 三伏小屋6;10〜8;10鳥倉登山口8;40〜9;10駐車場=10;07伊那大島駅
 

 
出発点の北沢峠
7月15日
夏山のシーズンの目安となる海の日を有効に使うのにいつも悩む、今回は東北は梅雨の晴れが多いだろうと飯豊山の縦走を計画した。ところが出かける前日になると前線が東北地方に押しあがり雨の予報に変わってきた。関東地方の一部だけが晴れになっている。急遽 、南アルプスの仙丈岳〜塩見岳に変更した。
甲府駅で9時30分発の広河原行きのバスに乗ると、北沢峠へのバスは昨日の雨で運行中止でしたが12時からは動く予定だと説明があった。心配しながら広河原に着いた。幸い、12時20分のバスから運行しますとのこと、ほっとした。バス停の仮設テントで昼食を作りながらバスを待った。野呂川出会で3人の釣師が降り、2人が乗った。この2人は午前のバスが運休だったので歩いてきたらしい。北沢峠で降りたのは馬ノ背ヒュッテに向かう2人と仙丈小屋への3人の5人だった。
みんな一緒に歩き出した。大滝ノ頭で馬ノ背ヒュッテの2人と別れた。樹林が終わりハイマツに変わると濃霧と小雨になった。雨具をつけるほどではないが風が寒いので上着だけ着た。小仙丈岳に着き、岩陰で休息した。
仙丈小屋への分岐を過ぎると平坦な道になり、花が目立つようになった。キバナシャクナゲのお花畑が出てくると霧の中に小山見えた。
小屋の管理人さんは今日は誰も来ないと思っていたらしく、戸を開けるとびっくりされた。すぐに2人連れも到着して今晩の泊まりはこれで全員でした。食事のころになると頭が痛む、どうも高度に順応しないようだ。2人連れは青森から来て、明日は熊ノ平小屋迄行き、翌日は塩見小屋で、その先は蝙蝠岳経由で二間小屋に下るハードコースです。
私は高山病の回復を待ちながら、両俣小屋に宿泊することにして就寝した。

大滝頭
 
 
靄のかかる仙丈小屋を後に

7月16日
翌朝は朝食を食べ、外に出ると濃霧でした。小屋周りのキバナシャクナゲに別れを告げ一登りで仙丈岳に着いたがガスで標識だけの写真を撮って先に進んだ。まもなく大仙丈岳に着く。天気がよいと白峰三山や中央アルプスの展望が楽しめるだろうが残念です。代わりにライチョウが顔を出してくれた。ハクサンイチゲ、イワベンケイ、アオノツガザクラと花が多い道です。まだつぼみのマルバタケブキの群生地を過ぎると苳ノ平に着いた。ハイマツ帯、樹林帯と続くがガスの中のため黙々と歩くだけだった。伊那荒倉岳はピークらしくない樹林の中の平地だった。
 

 苳ノ平

 高望池
高望池はあまりきれいとはいえない小さなものだったが周りにはコバイケイソウの青々とした葉っぱがすがすがしく見えた。 シダが敷き詰められたコメツガの林が心地よい。ハイマツ帯は道を覆い行く先を隠すようなところもある。歩く人の少ないのを感じる。横川岳を通過、野呂川越に到着した。老木に赤ペンキで両俣小屋への分岐が書かれている。標識も打ち付けられた姿は痛々しくみえた。
両俣小屋に下る道は倒木が散乱するため、跨いだり、潜り抜けたりと歩きにくい道だった。樹林の間から川の流れが見えてくると小さな祠が祭られたところに着く。ここが両俣の出会だった。増水で左俣沢の登山道は使えないようだ。両俣小屋に着くと、昨日バスで一緒だった釣師3人がテーブルで食事中だった。泊まりの申し込みをしてビールを買い、木陰で飲む、五臓六腑にしみこむ、快感に浸る。時間も早いので木陰にツエルトを張って一眠りした。
小屋のコタツで一休み、コタツも今日までだと管理人のおばさんが言っていた。泊まりは6人ほどでゆっくりと寝られた。
 
両俣小屋への分岐
 
両俣小屋
 
展望のよかった三峰岳山頂
7月17日
快適な眠りで気分よく起床できた。朝食をたっぷりと頂き、出かける。昨日とは変わり天気もよさそうだ。倒木の道を野呂川越まで登り、稜線に出た。アップダウンで小ピークをいくつか超える。開けたところでは必ず仙丈岳、甲斐駒ケ岳が見えていた。やせ尾根、クサリ場を通過すると三峰岳山頂に着く。1時間近く山頂を独り占めで360度の展望を堪能したがガスが出てたので間ノ岳に向かった。間ノ岳山頂に着いたときはガスも濃くたちこめ、展望はできなかった。早々に農鳥小屋に降りて昼食にした。このときは奈良田に降りてもいいかと思っていたが、小屋の人が身延への道が一部崩壊してバスが運休していると教えてもらった。そこで、雑然とした農鳥小屋は敬遠して、巻き道で三国平〜熊ノ平小屋まで足を伸ばすことにした。分岐からガレ場を急下降した、その後も小さなアップダウンのある巻き道で思った以上に長いものでした。途中、湧き水と小さな流れの水場とおいしい水があり助かりました。熊ノ平小屋は豊富な水場があり人気があるのか非常に混んでいた。
 
 
熊ノ平小屋へ巻き道の分岐
 
癒しの水場
 
北荒川岳より
塩見岳への稜線を眺める
7月18日
塩見小屋は予約なしはだめと聞き、今日は三伏峠小屋までの長丁場なので朝食は熊ノ平小屋で調達したペヤングの焼きそばをストーブに当たりながら済ませ、薄明るくなるのを待って歩き出した。安部荒倉岳ピークはパスして進む。
樹林帯を抜け、小さな岩峰に出ると北アルプス、乗鞍岳、中央アルプス、目標の塩見岳への稜線も見渡せた。今日は最高のお天気に恵まれた。鞍部まで下り、上り返して北荒川岳に着くと、一気に開けて絶好の展望台です。
この先、先行者の踏み後に引かれ、崩壊地の縁を歩くという危険な道を通ってしまった。
進入禁止のぺペンキを見落としてしまったのだ。このため管理小屋とテン場の確認ができなかった。北俣岳に着くと昨日、小屋での話し相手で蝙蝠岳〜二間小屋に行くという若者と偶然会い、挨拶を交わした。食事休憩をしていよいよ塩見岳に向かう、ハイマツの最後ののぼりを終えると東峰に着いた。山頂は満員御礼、写真を撮ってすぐ、西峰に移動した。こちらも混んでいたが離れた岩の上で仙丈岳からここまでの稜線を感慨深く眺めて下山した。ガレ場、岩場を急下降して塩見小屋に下りた。小屋でフルーツゼリーを買って食べた。久しぶりの果物は格別においしかった。
本谷山、三伏山で大休憩をしてようやく本日のコースも終了です。三伏峠小屋も混んでいた。海の日の連休では仕方ないとあきらめた。
 
塩見岳 東峰
 
仙塩尾根を眺望
 
三伏小屋のテン場

 三伏峠の看板
7月19日
今日は鳥倉のバス停までで、時間には余裕がある。一番最後のほうで小屋を出た、ちょうど日の出だった。まだ早すぎるので、水場によってみることにした。テン場の先、烏帽子岳への道を行きお花畑と書かれたところを通り過ぎてさらに下ると水場だった。意外と遠い。タンクとドラム缶があり、ホースからあふれ出る水を飲み、ペットボトルにつめた。
帰りに、お花畑の上に立つと朝日に照らされた前茶臼岳と奥茶臼岳の稜線が美しかった。
小屋に戻って下山開始。何箇所か乗鞍岳、中央アルプスが展望できるところを通過する。そのたび立ち止まっては最後の展望をしながら歩く。細い丸太の階段を何個か通過するが滑りそうでこわごわでした。
鳥倉登山口にはすでにたくさんの人が並んでいて、バスに乗り切れるか心配になるほどです。列にザックを並べて広場で休んでいると3人組みが下りてきてタクシーの話をしているのが聞こえた。タクシーだったら相乗りをとお願いすると快くOKを頂くことができた。林道を30分ほど歩き駐車場につくと予約のタクシーが待っていて、すぐに乗る。伊那大島駅に着くと2分で電車がくるというので3000円を支払い急いで下りた。(バスだったら2460円) 皆さんはそのまま温泉へ行きました。
おかげでバスより一本早い電車に乗れたし、乗った電車は上諏訪行きだったので上諏訪駅前のデパートの温泉でのんびりと汗を流して帰ることができました。ラッキーでした。
 
思いのほか遠かった
三伏峠小屋

 前茶臼岳と奥茶臼岳の稜線
 
鳥倉林道のゲート