笠ヶ岳   平成24年8月19−21日  TOP  BACK

コースタイム
8月19日  松本駅11;05=12;30平湯13;40=14;15新穂高ロープウエー〜15;35わさび平小屋(テント泊)
8月20日  ワサビ平小屋3:45〜杓子平7;40〜11;00笠ヶ岳山荘(テント泊)
8月21日  笠ヶ岳山頂5;30〜雷鳥岩7;10〜槍見館11;10〜新穂高温泉露天風呂〜中尾温泉口バス停11;56=12;30平湯13;05=14;30松本駅

 
平湯で乗り換え
8月19日 曇り、夕立
8月9日に 釼岳に登り、その時、眺めた笠ヶ岳があまりにも美しかった。10年前に登ったがこんな尖った山のイメージがない。今回は宿泊費を削減するためテント泊です。交通費も節約です。松本まで青春18キップで行く(2300円)。高山行きのバスで平湯まで(2300円)平湯で乗り換えて新穂高ロープウエーまで(890円)交通費の合計5490円だった。松本ー新穂高ロープウエーの直通バスならバス代が2800円とさらに安い。
直通バスは季節限定で1日2本だけが難点です。青春18キップを使うと10;00発のバスには間に合いません。
そのあとは15;05となって待ち時間が長すぎる。
松本駅を11;05発のバスに乗った。乗客は6人ほどで登山者は私ともう一人だった。この方は横浜から来た方で今日はわさび平小屋までと同じでした。山話をしながら平湯で降りた。時間には余裕がるので温泉にはいる。待ち時間が1時間と温泉に浸かるに丁度良い。
露天風呂から笠ヶ岳が見えるらしいが本日は雲一色です。
12:40分のバスに乗ると横浜の方がまたご一緒になりました。
バスが走り出してまもなく夕立が降った、かなり強かったが止んででくれてほっとする。
誰かが、昨日槍ヶ岳で落雷があり、死亡したと話しているのを聞いた。最初信じられなかったがどうも本当らしい。
やっぱりこの時期は雷が怖い。

ワサビ平小屋
冷えたビール、果物
 
ロープウエー駅に着くとポツポツと雨が降っていた。林道歩きなので別段困ることもないが出だしから濡れるのはごめんだ。
ザックカバーを付け、傘を持って歩き出す。横浜の方とバスで一緒になった千葉の方と一緒に歩く。偶然3人が同い年で話は体力低下の嘆きあいです。
幸い雨はまもなく止んでくれた。下山してくる人は皆さん雨具を着ています。30分ほど前にかなり降ったそうです。
歩き出して丁度1時間で笠新道の登山口についた。下山してきたグループが休憩中、竹筒から流れ出す水が冷たそう、下山者の喉を潤し、生き返る命の水だろう。
程なく、わさび平小屋に着く、次々とやってくる泊り客で受付が忙しそうです。テント泊の申し込みは簡単でノートに記帳して400円を支払って終了です、早速テン場に行く、まだ一張りのテントもなく場所は選び放題です。
木陰の涼しそうなところに張って、水の調達です。水場は小屋前に流れる沢水で冷たく美味しい。トマトが冷やされていた。
小屋の前には木をくりぬいた水槽にビール、飲料水、りんご、オレンジが冷やされていた。
早速ビール(600円)を購入して、テントサイトで一日目の乾杯です。駅弁を買ってきたので料理の手間もなく美味しい夕食にありつけるのがうれしい。
明日はかなりの急登でテントを持っているのバテルこと、雷も怖いので早めに出ることにして6時ころには寝た。

ワサビ平
一人で前夜祭
この日は2張りだけでした

 
 
笠新道の登山口
前日撮影した物です
8月20日 晴れ
あまりにも早く寝たため2時半に目が覚めた。木々の空間に星が瞬く、高度も低いため寒さもない。熱いコーヒーと昨日のおにぎりを齧って朝の腹ごしらえは終了です。
3時45分登山口を出る、まだヘッドランプが必要だった。山頂まで高度1550mくらいあるだろう、時間は十分あるのでゆっくりと登る。4時45分になるとすっかり明るくなた。大きな石で固めた道は良く整備され歩きやすい、階段を登る感じです。
1800mの案内を過ぎたところで樹間に穂高の鋭い尾根が見えてきたが山を特定できない。
ハクサンシャジン、マルバタケブキ、フジバカマなど大型の花が多い。
ここは1920m、杓子平まで1時間30分と書かれているが私は2時間たっぷりかかった。この付近に来ると潅木に変わり、展望が開けて、お目当ての槍ヶ岳を確認することができた、これで先ほどチラリと見えてのは奥穂高とジャンダルムと分かった。なんだかすっきりした。

 

笠新道で日の出
左に槍ヶ岳が見える
 
 
杓子平で
笠ヶ岳とカール
「 ここは2100mです。槍、穂高の眺めが一望できます」の案内のところで偶然に日の出を見ることができた。5時59分、中岳付近だった。
日が昇ると、どんどんと気温も上がる。谷間のガスが一段と濃くなって谷間を埋め上昇してくる。焼岳、乗鞍岳はまもなくベールに隠されそうだ。急登にあえぐ中、シモツケソウ、オオヤマリンドウが励ましてくれる。
オガラバナの翼果が面白い。オトギリソウの群生ちのわきにクマイチゴらしき赤い実を見つけた。
大きく熟れた物を一つ食べてみるがさほど甘みがなかった。
お花畑を通り過ぎると、狭まった道を5mほど登ると、前方に笠ヶ岳が飛び出した。杓子平に到着したのです。
広いカールの一番尾高みが目指す笠ヶ岳です。先月登った幌尻の陵線とカールに似ている。
高山植物の宝庫らしいが目立つ花はなく緑一色です。アサツキ、ミヤマリンドウの小さな花だけは見つけた。一ヶ月早いと良かっただろう。
下山コースのクリア谷への尾根は険しそうだ、手ごわい、でも面白そうだ。笠ヶ岳山荘もはっきりと見えている。


杓子平で
クリア谷への尾根
 

抜戸岩
この間を通る

 見晴らしの良い、草原の道を登る。小屋を6時ころ出たという人たちが続々と下ってくる。杓子平を過ぎても結構な急登が続きます。そんな時、チングルマ、ハクサンイチゲ、ダイモンジソウなどに励まされる。ミヤマダイコンソウが一面に咲くところがあった。白い丸印のペンキマークを追ってひたすら登る岩場もあったりする。
陵線に出るとすぐ下の弓折岳との分岐に休憩中のグループがいた。双六小屋がやってきた人たがザックを置いて笠ヶ岳をピストンするところことでした。抜戸岩を通り過ぎたころから、怪しげなガスが一気に吹き上がってきた。
登山道にはミヤマリンドウが咲いて、小さい花だが群生しているためよく目立つ。
ちょっとだけ階段道を登ると大きな石の敷き詰められた広場に着く。
小屋は目の先だ、水場の矢印があったのでよってみた。2分の下りで、水場だった。
雪渓の伏流水が雨どいで木桶に流れ込んでいた。
一口飲む、冷たい、美味しい、顔を洗うとほてった顔が冷たくなった。2リットルを補給した。
テン場を通過する。まだ誰も張っていない。怪しい雲があり、夕立や雷が嫌なのでしばらく小屋で様子を見ることにした。
小屋はまだ出発組が終わったばかり静かなベンチで休憩をする。先ほどまで見えた山頂は濃いガスに被われている。下りてくる人は一応に何も見えませという。時折、薄くなるがまた雲に被われるの繰り返しだった。暇なので山頂に行く、10分ほど歩くと山頂だった。
一緒に登ってきた新潟の方と話しこんで山頂で2時間ほど居座った。何も見えなかった。
小屋に戻り天気も安定してきたのでテントの申し込みをしてビールを買ってテン場に下りた。
もう、12張りほどのテントができていた。西日が暑い、3000mのところにも虫がいる。
夕食はアルファー米にキーマカレーで済ませる。日が落ちてからテントに入った。


水場すぐ上方が雪渓」

 
 
笠ヶ岳のテン場
暑いです
 
日の出前
槍ヶ岳-西穂の陵線
8月20日  晴れ

夕方7時ころには寝たので3時には目が覚めた。満点の星、今日は天候がよさそうです。
熱いコーヒーを淹れる。星空を眺めながらの一杯、テント泊ならではのゆっくりした朝の時間です。早めにテントを撤収した。今日はクリア谷に下りるためザックを担いで山頂に行った。5時に着くとまだ暗く槍穂の峰がオレンジ色に輝いている。
 5時半の日の出まで徐々に陵線がはっきりとしてくる様子をデジカメに収める。甲斐駒の奥には富士山がくっきりと見える。雲海に白山が浮かぶ。
天気に恵まれ絶好の展望、360度遮る物はない。10日前に登った剣岳を眺める。
5時半、槍ヶ岳の左側の大喰岳付近に日が昇った。強烈な光に人々が歓声を上げる。そんな中、白装束の行者さんがほら貝を吹いた。
信仰氏が薄い私も気持ちが引き締まる音色だった。
朝日を受けて背後の雲海に笠ヶ岳の影ができた。その先に白山が浮き出ている。幻想的な光景も眺めることができた。




朝日の笠ヶ岳山頂
マブシー
 

笠ヶ岳で日の出を待つ人
中央は乗鞍、木曽御岳
 
 
中央に富士山
甲斐駒に重なっている
 
クリア谷へ登山道は
瘤の右側を巻く
賑やかだった山頂が静かになり、クリヤ谷に向かって下り始めた。出だしは大石の重なる不安定なところだった。
誰も降りてこない。大好きな一人旅が始まった。岩の重なる急下降が終わると尾根道に着き一息つける。焼岳、乗鞍岳、木曽御岳を正面にいつも見ながら下る。雲海の笠ヶ岳の影が少しゆがんできた。 
行く手の尾根はゴジラの背で迫力があって
緊張をしてくるが、山腹を巻くようにうっすらとトレースが見える。ちょっとだけ安心する。
潅木の道なのでトラバースも怖さはない。笠新道とちがい整備はされてない分歩きにくく、朝露はズボンの裾を濡らす。
日が昇るにつれ暑さが増してきたが幸い、西側を巻くため直射日光は避けられるのがありがたい。

目印の
雷鳥岩
 
 左から焼岳、乗鞍岳、木曽駒も
そろそろ見納めです

 雷鳥岩という四角い大きな岩で東側の斜面に移る。まもなくすると、前方が開けた絶壁の上に出た。西穂高岳、焼岳、乗鞍岳と見渡せる。ずっと見えていたこの眺めも見納めとなる。新穂高温泉の町も見えている。ここから谷筋に向かって下ることになる。急な岩場にはキンコウカの咲き乱れていた。潅木の薮と笹の道は急下降の連続となる。
終始、見えていた焼岳、乗鞍岳も見えなくなった。
ウツボグサ、がやけに大きい、背の高いシシウドの下から空を見たら別世界が見えた。登ってくる人に会う、この急登を軽やかに通り過ぎて行った。
沢音がかすかに聞こえてくる。トリカブト、クガイソウと背の高い花が多い。
水のきれいな小さな沢を渡るり大きな岩屋を右に見て下ってゆくと、
右手には鋭い岩峰を見る。一番大きな流れの沢を渡る。水量は少なく飛び石で難なく超えられた。増水時は足をぬらすことになりそうだ。
このコースで一番気になった渡渉も終わったところで昼食休憩をしていたら若者に追いつかれた。若者は小休憩ですぐに下った。これでこのコースであった人は2人だけでした。
緩やかな歩きやすい道になって難所も通過したこともあり足も軽くなった。オオクワガタを見つけ、ストックに這わせて遊ぶ。
久しぶりにオオクワガタを見た。道路に出たところは槍見館の裏でした。
新穂高温泉の露天風呂に飛び込む、家族連れが川遊びをしながら温泉入っていた。開放的で気持ちがいいが日当たりが良すぎて暑いのが難点でした。汗を流してさっぱりしてから中尾温泉口バス停に行く。このバス停は道路工事のため時間帯で乗り場がちがうようだが
よく分からなかった。抜いていった若者は一つ前の松本直通のバスに乗ったようだ。私も温泉入らなかったらドンピシャで乗れたと思う。
温泉にも入りたかったし、急ぐこともないので平湯乗換えで、松本駅に出た。

新穂高温泉の露天風呂
河原にあり、橋から丸見えです