爺ヶ岳ー鹿島槍ヶ岳 平成24年10月3日ー4日 TOP BACK
コースタイム
10月3日 扇沢10;05〜13;35種池山荘13;45〜爺ヶ岳中峰14;50〜15;50冷池山荘(テント泊)
10月4日 冷池山荘5;05〜6;40鹿島槍南峰7:05〜北峰7;35〜9;40冷池山荘10;20〜冷乗越10;40
〜高千穂平11;45〜西俣出会13;30〜大谷原14;45=15;10大町温泉16;20=長野駅
柏原新道登山口 先行者がいます |
10月3日 曇り 久しぶりに鹿島槍に行ってみた。長野新幹線の一番電車で長野駅に行き、特急バス扇沢行きに乗る。乗り継ぎも25分と大変便利です。(バス代2500円)扇沢には予定よりやや早めの10時5分に着きました。直ぐに柏原新道登山口に移動する。橋の手前は工事中です。駐車場には工事関係者の車が多いが登山者用は空がありました。 登山口には標高1350mと書かれている。種池山荘が2450mほど、ということは1100mの登りになる。ストックを出して歩き始めた。曇り で日差しはないが林間のため風がなく蒸し暑いあるきです。 八ツ見ベンチを通過する。ケルンを過ぎて一枚岩付近から紅葉が見られるようになってきた。石畳まで高度を上げると鮮やかな赤、黄色、が斜面一面を埋めるようになってくるが陵線付近はガスが垂れている。 アザミ沢にかかると幾分明るくなってきて陵線も見渡せるようになる。今が見ごろと、山腹を彩っている。 下山してきた人に紅葉をバックにしてシャッターを押してもらった。 まだ、緑も多いので最高の見ごろは1週間ほどあとかもしれない。 |
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アザミ沢を過ぎると 紅葉も見ごろ |
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種池山荘付近は 一面にチングルマの綿帽子が |
ガラ場からもいい景色が眺められた。鉄砲坂を過ぎると樹林は終わり草紅葉の斜面が出てきてすぐに種池山荘に着きました。 ガスが立ち込める小屋前ベンチは人影もなくひっそりとしていました。汗を拭き一休みしてから先に進んだ 小屋付近御斜面は草紅葉できれいだがかすで霞んでいるのが残念だ。 くすんだ赤い葉と細い棒に綿毛が傘のように、これが一面に広がる。チングルマの紅葉です。花にも勝る可憐な風情を見せてくれる。 ミネカエデの黄色、ナナカマドの赤がハイマツの登山道を見事に飾ってくれる。 時折、ガスの切れ間に現れる紅葉は息を呑むほど鮮やかで振り返ると小屋の赤い屋根が斜面の彩りに実に良く溶け込んでいる。 |
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種池山荘を振り返る |
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ウラシマツツジ |
登山道が砂礫の道になり爺ヶ岳南峰に着いた。中峰に向かう砂礫の尾根道にはウラシマツツジがその赤さを誇らしく広げていた。 白一色の中峰山頂は誰もいない 、吹き抜ける風だけが聞こえ、頬に冷たかった。 濃いハイマツには雷鳥がいないかと、注意しながら歩くものの姿を見ることが出来なかった。 ハイマツの緑の先には赤黄色の彩りが広がり、さらに白い帯をなす谷がガスの中にフェードアウトしている。 この谷が棒小屋沢戸なり十字峡で黒部川に落ち込むのか、と想像すると下ノ廊下を歩きたいと思いは巡るのでした。 やや急な下降になりしばらくすると冷乗越、赤岩尾根分岐点についた。登山道の中央に石のモニュメントがあった。 この赤岩尾根を下山するとはこのときは思いもしませんでした。 |
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石のモニュメントが置かれた 赤岩尾根 の分岐 |
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冷池山荘 |
樹林帯に入って、直ぐに鞍部に着く、少し登り返すと冷池山荘に到着した。 小屋でテントの申し込みをすると3番の札を渡された。今日のの3人目らしい。水を1リットルと缶ビールを一缶買ってテン場に向かう。 ここのテン場は遠いのが難点で、10分ほど歩くことになる。疲れている上に荷物も増えて、負担は大きい。 斜面のテン場は平地が少ないので出来るだけ平らなところに張った。この日は4張りでした。 大宮駅で調達した鳥めし弁当と自宅からのきゅうりの糠漬けとビールが夕食でした。 駅弁は冷たくても美味しいので一泊目は結構定番です。 隣に若いアベックがテントを張った。五竜山荘から来たそうで10時間かかっている。明日の逆コースをたどるのえで、行動が長くなりそうです。 食事が終わると直ぐに就寝した。。 |
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布引山手前で 中央が剣岳 |
10月4日 曇り 真夜中に雨が降り、その音をなんとなく聞いた気がする。1時半に起きて外を見ると雨は止んで、濃霧が立ち込めていた。 寝なおして、4時の目覚ましで起床する。寒さはない、ここは携帯が通じたので夕べ天気予報を見ると晴れ時々曇りの予報だった。中秋の名月が過ぎたばかり、満月に近い月が雲の流れの間に見え隠れする。薄暗い5時にテン場を出た。5時半過ぎるとヘッドランプも要らなくなった。明るさが増し、雲海の上に剣岳〜雄山の山塊が見える、思いのほか近く、はっきりと見えるのに感激です。 つい、3週間ほど前に登った池ノ平山、小窓雪渓、三ノ沢雪渓と記憶に新しい、なんと言っても池ノ平山で眺めていた事故の現場が浮かんできた。 布引山の山頂では鹿島槍と五竜の陵線が見えていたが直ぐにガスが覆ってしまった。雲の窓のように剣岳の山頂だけが見えていた。 とても不安定な天気で明るいところと雲がひっきりなしに入れ替わる。上へ下へと乱舞する雲に不安を覚える。急に暗くなったかと思うと明るい光が差したりする。 鹿島槍への陵線はなんとなく赤茶けている。しかしハイマツの緑の帯とさらに錦が裾を広げ巧みに衣装を纏っているかのようだ。
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布引山から 鹿島槍へ、南峰と北峰の双子峰 |
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南峰からみた北峰も鋭い |
鹿島槍の山頂は誰もいない静かな空間だった。 白く湧き上がる雲、黒い雲、上空には秋空の雲が混在して、これらが何かに襲われたのか右往左往し不安を募らせている。こんな雲行きの隙を狙ったように山並みが見えるときに写真だけを急いで撮った。 鹿島槍の北峰を望むと絶壁を下降し、鋭い痩せ尾根の先だ。25分とガイドマップには書かれているが信じがたい。 足を向けるのに躊躇するがとりあえず、北峰に向かう。今までの道とは違って、踏み後をたどりながら急下降をする。 鞍部まで下ると一息入れられるが狭い岩陵尾根は続く。 小さくアップダウンをして吊尾根の標識が立つ分岐まで来た。振り返ると南峰が恐ろしいほど鋭い尖峰です。 ザックをデポして北峰に登った。 山頂は狭く、湧き上がったガスで瞬く間に真っ白の世界になってしまった。 キレット小屋への分岐に戻りザックを背負うとその重さはずっしりと肩に食い込みこの先に進む意欲をなくしてしまった。 もう、この時期はキレット小屋も営業を終了しているので刻むことも不可能です。気力がうせたら単独行は諦めが早い、撤退です。
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南峰から八峰キレット 五竜岳に怪しい雲が |
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南峰の急斜面 一息入れてから登り返す |
見上げるような岩場を登り返して南峰に着くと朝は誰もいない静かな山頂には10人ほどがいました。周囲は何も見えません。 1時間ほど前には何とか見えていたのが不思議なくらいです。 冷池小屋まで今日のこれからの行動を考えながら下った。 小屋で赤岩尾根の情報とタクシーを呼ぶときの携帯の繋がるポイントなどを教えてもらい。 ベンチでパンを齧りながら 天気がよくなりそうなら爺ヶ岳で展望を楽しみ、陵線を紅葉を見ながら漫歩する。そして、種池山荘にテントを張るのも良いかと考えていたが一向によくなる気配がない。 初めてのルート赤岩尾根に魅力を感じ、こちらを選択した。 冷池を出て樹林から崩壊の進む斜面を登ると直ぐに分岐点につく。 道はこの崩壊斜面をトラバースするように怪しい道で始まった。 |
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赤岩尾根は崩壊地のトラバースで 始まった |
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北の谷は急峻 |
道も安定してくると紅葉がすばらしいのと布引山と鹿島槍の陵線から発生する鋭い尾根と谷間がなんと魅力的なことか、樹林帯をひたすら歩くだけと諦めていたため、その景観に見とれてしまった。紅葉もこの尾根の方が色鮮やかに感じてしまう。 右側の谷は深いが穏やかで緑が優先した癒しの谷です。爺ヶ岳からの冷尾根も穏やかで点々と色ずく斜面が続いていた。 いくつものハシゴを降りるが、ほとんどが手作りの丸木のハシゴです。 高千穂平という小ピークで休憩をする。鹿島槍スキー場が大分大きく見えてきた。 ここから樹林帯に入って一気に高度を下げてゆく、膝が悲鳴を上げる、だましながら第一ベンチの丸太に腰掛大休憩をする。クロベの木が多くなってきた。高度を下げ、ウルシが真っ赤になって紅葉の始まりを告げているところです。 西俣出会に着く。大きな堰堤があり、道は左岸に見られるが何処を渡るのか分からない。少し下ってみるがそれらしきところがないので今度は戻って堰堤に近づいて見ると堰堤の下が通り抜けられるようになっていた。
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南の谷は 穏やか |
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林道に携帯ポイント案内 |
ここからは立派な林道があり、歩き安くなる。しばらくすると携帯ポイントドコモFOMAのみ繋がりますの立て札のところについた。 携帯を取り出して電源を入れると見事繋がりました。冷池山荘で教えてもらったタクシー 会社に簗場駅まで頼んだ。 タクシーは連絡できたと歩きですと大きな黒い物体が道を歩いている。大きなカモシカがしばらく振り向いてこちらを見ていた野で急いでカメラのシャッターを押したら薮の中に逃げ込んでしまった。突然大粒の雨が降り出し、あわててザックカバーをしてコウモリ傘を差しながら歩くことになった。 ゲートを過ぎると橋の脇に3台の車が止まっていた。このルートの駐車場でした。橋の向こうにはタクシーが待っていてくれた。 バスの時間で簗場駅にしたが予想より早く乗ったので大町温泉薬師の湯に行ってもらった(タクシー代3600ほど、簗場駅は2400円) バスの時間まで1時間10分ありお風呂に入るのに丁度良い。 ザック置き場に荷物を置き、風呂に行くと誰も入っていません。でるまで誰も来ませんでした。何回か来たが随分と古びてしまったと思いながら入った。出た後で知るのですが新館が出来て皆さんそちらに入るそうで旧館にはほとんど入らないということを知りました。 入るときに教えて欲しかった。 温泉源は同じでしょうからノンビリできただけ良かったと思うようにします。 温泉上がりのビールは旨かった。温泉を出るとすぐのバス停で16;20も特急長野行きバスに乗った(2300円) 赤岩尾根は鹿島槍に最短のルートのようで日帰りしている人もいる。下りだけ利用したが紅葉のおかげか楽しい下山道でした。 |
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林道で見つけた ホウノキの実 |
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薬師の湯で拾ったカシワの実 |