コースタイム
1日目 上市駅7:15=7;40馬場島8:00〜12;25早月小屋
2日目 早月小屋4:40〜8:00釼岳8:50〜11:20剣山荘12;05〜12:35釼沢小屋
馬場島の登山口 |
8月7−8日 山を初めて間もないころ、北アルプスで初めて登った山が立山と釼岳だった。何も分からないまま同行者の後を追ったため印象は少ない。写真も記録もないので今回はその穴埋め山行です。前夜、夜行高速バスに乗るため東京駅、八重洲口に行く。乗り場のヤンマージーゼルビル前に行くと沢山の人がバス待ちをしていた。近くでビールを飲んでから乗り場に行ってみるが何の案内もない。5分前になってもバスは来ないため乗り遅れたかと心配になってちがうバス会社の案内をしていた方に尋ねると信号二つ先に待っていると教えていただきあわてて走った。私を待ってすぐ発車だった。乗り場とは随分と離れていて知らないと乗り遅れるだろう。(キラキラ号、富山まで5500円、もっと安いのもあったが満席) 上越自動車道ー上信越道ー北陸道の荒磯海SAで最後のトイレ休憩を取って最初の停留所の富山で降りた。 通勤の人が傘を差しているのにびっくりした。雨は予想外だった。 コンビニで買出しをして地下道で反対側の富山電鉄駅に行く。 立山行きの電車には登山客が多く乗っているが滑川行きは登山客は一人だけです。 上市駅で降りると予約した旭タクシーの方が出迎えてくれた。 雲の多い空ですが雨はふっていません。馬場島まで7400円の出費、単独行は不利だ。 |
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立山杉の巨木 ザックと1,2mのストックを参考に |
「 釼岳、早月尾根を経て」の石碑のまえで朝食を食べていると一人の若者が通り過ぎて行った。この青年とはほぼ同じコース(大日岳に登っているので大分ちがうか)で下山の立山駅で同じ電車に乗った。「試練と憧れ」の碑を見て、登山道に入る。早月尾根は山頂まで2300mほどの標高差がある長大な尾根です。日帰りする人もいるようですが小屋泊まりでノンビリ行きます。 立山杉の出迎えを受ける。姿。雰囲気は屋久杉に近い物があり、その樹形は畏敬の念を抱かせる。 曇りのため幾分暑さが和らぐ、1000mから100mの高度をあげると表示が出てくる。展望はないのでこの案内を目安に登り続ける。 雲の切れ間より小窓の厳しい尾根の一端が見られた。 ノリウツギの満開の白い花が気分をやわらげてくれる。ホツツジのカールした花弁もかわいい。 登山道の整備が良くとても歩きやすい。こまめに手入れをしているのが良く分かる。 |
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ノリウツギの花盛り |
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ほっとする、小さな池、 この先で新しい道になる |
頭が丸い三角点のような石柱を過ぎるとまもなく2000mの案内に着く。最初の案内から1000m登ったことになる。モミジカラマツが目立つようになった。イワイチョウの群生が見られると小さな池が見えてきた。 イワイチョウの花は残り少なく葉だけがびっしりと敷き詰めていた。 良く見ると小さなスミレ(何スミレかな?)がいっぱい咲いていた。 池を過ぎるとまもなく新しい尾根道になった。旧道は左をまいているが崩壊かなにかで新しく尾根に道ができていた。まだ切り株や薮が邪魔で歩きにくいところでした。旧道と合流すると前方に釼岳が飛び出してきた。 そこは展望台で目の前には早月小屋があった。 小窓尾根の陵線は雲の中でした。小屋の手前にミヤマキンポウゲがきれいに咲いていた。伝蔵小屋の古い小屋名と早月小屋の二つの表札がつけられていた。 小屋の受付を済ませて、着替えをして庭のロープに衣服を干してから部屋でビールを飲む。 横浜と三重の単独行青年と同室、今晩はこの三人で快適な泊まりです。(素泊まり6000円) |
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展望台から早月小屋と釼御前 |
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夕方、雲海と小窓尾根 |
夕方、雲が切れてきたので外に出た。展望台に登ると、雲海がすばらしいながめです。小窓尾根も厳しい陵線を見せている。毛勝三山も見ごたえがある。この山先月の五竜岳から見た姿の印象が良く改めて近くで見ることができた。白馬岳と雪倉も見える。 富山平野は雲海に埋もれている。 奥大日の陵線とその奥には室堂方向が見える。 小屋に戻り玄関わきの物干し部屋で食事の準備をする。自炊は一人だけでした。 テン場には4張りですべて単独の方です。中に一本ポールのタープタイプのツエルトの人がいた。下が空いているので風通しはいいが寒さと虫には悩まされそうです。この持ち主は朝に馬場島で先に行った若者でした。 テント泊が理想だが釼沢への下山の難所を大きなザックで降りるため自重して小屋の素泊まりでした。 翌日あったので聞くと寒さには弱いといっていた。軽量化に挑戦中でいろいろと工夫しているようでした。 夜、1時ころ起きたときは満点の星空と富山の夜景がきれいだった。 |
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夕方、雲海と 奥大日岳 |
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振り返るといつも 毛勝三山が見える |
8月9日 晴れ 物干し部屋で軽くパン食を済ませて外に出ると薄暗い、泊まりの方の食事は5時と聞いたので皆さんより早めに出ることにした。4時45分もう懐電も不要となったので歩き出した。小窓尾根、毛勝三山は昨日は雲海に浮いていたが今朝は谷底まで見えている。天気はよさそうです。 10分ほど登ったところで、小屋を振り返ってみていると、テント泊の人が抜いていった。 少し登ると奥大日岳と前釼岳の山頂が明るく光ってきた。日が昇るにつれガスがわいてくる。刻々とその様相が変化する。 富山の町や富山湾はだんだんとはっきりと見えて来るのが不思議です。 2400mを過ぎると小窓の頭から伸びる小窓尾根がど迫力で迫ってくる。 大日小屋も見えてくる。薬師岳も頭だけを見せてくれる。5時44分に小窓の鋭利な岩陵に強烈な光をもって朝日が昇った。 雪渓も光っている |
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小窓尾根に朝日 |
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2800mを過ぎると 室堂平の奥に 薬師岳、黒部五郎、笠ヶ岳が |
いよいよ岩陵が見えてきた。陵線上は風が強い、ミヤマキンポウゲ、マツムシソウ、トウヤクリンドウ、トリカブトと花が豊富だが花が風に煽られて一斉になびく。マルバタケブキ、クルマユリなど大型の花は飛ばされそうになる。 2800mの案内に着く。毛勝三山が大分下に見えるようになった。 早月川の白い筋の先には富山湾が、うっすらと能登半島もうかがえる。 剣御前、室堂平、薬師岳、笠ヶ岳がぐっと見やすくなって、最後の岩陵に突入した。風景を楽しむ余裕はなくなる。 白ペンキのマークを追って慎重に登る、鎖場もあるが足場はしっかりとして登りやすい。 剣沢への分岐に出ると下のほうから声が聞こえる。剣沢から登ってくる人が沢山見える。 カニのタテバイ、横バイといわれる 衝立のような岩に這うように動く人が見える。 すばらしい眺めより先に下山で一番の難所に目が入ってしまった。 登ってきた早月尾根もなかなかの鋭い尾根で良く登ったと眺めなおす。
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早月尾根の鎖場 |
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釼岳の山頂 |
山頂は結構な人がいた。順番を待って記念写真を撮ってから360度の展望を満喫する。 山頂に立った人たちの顔は険しい岩場を乗り越えた安堵感と達成感にいい笑顔です。どこか誇らしげなところもあって、可愛くさえ見える。 山に登る良さを感じる瞬間、こんな天気ならなお更のことだこの山は登山のすべてを与えてくれる気がする。 一般登山道でもっとも過酷な山、気力と体力と精神力を試される山だ。 グループが到着すると、お互いに握手をし完成をあげる。 名だたる山々が揃い踏みし登頂を祝福してくれる。 雪渓も多く、その模様は自然の絵画のようです。八ツ峰の荒々しい尾根の付け根にテントと人影が見える。長次郎谷から尾根を目指すのだろうか。見下ろすだけでゾッとする谷間です。小一時間展望を堪能した。 |
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雄山の奥に槍ヶ岳 |
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カニのタテバイ、ヨコバイの 鋸状の岩場 |
さて、山頂の神社に一礼して下山をする。早月尾根の分岐から程なくして上がってきた若者が「タテバイが終わった」と叫んだ。見るとそこは下りのヨコバイの始まりだった。ナンバー10の鎖場のプレートがあった。 下りの最難所の始まりでもあります。太く新しい鎖がしっかりと取り付けられているので安心して体重をかけられる。問題の一歩めはやや外めの岩場に足を置いた。その後は足場も大きな岩があってさほどの苦労もなく下る。 5mほどの垂直梯子を下ると物置小屋があった。 少しだけ歩きやすい道を進むと頂上で眺めた屏風岩に取り付く。一枚目を登りトラバースして二枚目の屏風は直登、トラバース、直登で鋸の先端で乗り越す。 12番プレートの平蔵の頭から小さなチムニーの岩場を下りきると難所は終了です。ここで一休みしている人が多かった。 上方には登りの人の列が見えた。 前剣山頂で休憩をする。剣山荘、釼沢小屋がはっきりと見られる。
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鋸ノ刃の岩場を登る登山者 |
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一服 釼で 釼沢が近くなった |
気の抜けない道が続き、一服 釼に着くと漸くほっとする。岩場の殺伐とした景色が緑に変わると昂ぶった心も穏やかになるのが分かる。 緊張が途切れるところだ。剣山荘の裏で写真をとっている人が見える。近づくと雷鳥の親子が登山道で砂浴びをしていた。なんと無防備な鳥だろう。5人ほどの登山者に囲まれても逃げる様子は全くありません。 小屋で水を頂く、無料で小屋の水道から分けてもらった。小屋の前のベンチで五竜岳、鹿島槍を眺めながら昼食を作る。日差しがとても強い、日陰が欲しいほどだ。明日の行動を考えて釼沢小屋に移動して宿泊した。(素泊まり6000円、シャワーあり、水豊富、テン場10分広い) 自炊は食堂が使われていないときとのこと、オリンピックの女子レスリングを観戦しながら早めに済ませた。 、二段ベットの8人部屋は丁度満員でした。私以外は明日、釼岳にアタックで早々と床に就きました。 |
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釼沢小屋前で 釼に雲が出始めた |