餓鬼岳    平成25年7月11日ー13日

コースタイム
1日目 白沢登山口4;10〜魚止ノ滝5;30〜大凪山8;05〜11;00餓鬼岳小屋11;45〜12;00餓鬼岳15;40〜16;00テン場
2日目 テン場5;40〜東沢岳8;45〜東沢乗越9;25〜ブナ平11;50〜13;00中房温泉

 
松本駅 大糸線
7月11日
海の日が来るといよいよ夏山の到来です。北アルプスの最北に位置する餓鬼岳に足慣らしに登りましたが手ごわい山でした。
梅雨明けご猛暑が続いています。三連休は天気もよさそう、気分良く家を出た。
11日の午後、中央線の特急あずさに乗るとあまりの猛暑のためかスピードダウンです。のろのろ運行し小淵沢駅で臨時停車する。ここで車両の点検などして松本には1時間ほど遅れて着いた。予定の大糸線には乗り遅れて次の電車で信濃大町に行った。
タクシーで白沢登山口までいてもらう(タクシー代3900円)、着いたのは19時半ほぼ暗くなった登山口駐車場にテントを張った。駐車場には1台が止めてあった。携帯も通じます。明日の天気予報を確認して就寝した。

 
 
4時は薄暗い 
白沢登山口
7月12日
朝から暑い、しかも蒸し暑いのです。 朝食を摂っていると1台がやってきてくらい中を歩き出していった。4時少し過ぎ、薄明るくなったところで出発した。トイレがあるところに登山口案内があった。トイレから10分ほど林道を歩くと白沢登山口の標識があり広場になっている。車高が高い車ならここまで大丈夫のようだが3台ほどの空き地です。少し下って最初の橋で沢をわたる。このルートはすべて素人が手作りで管理しているらしく橋もかなり怪しい物もある。
沢は荒れて梯子も仮の物もあり、くルートを見失うところもあります。北アルプスもメジャーなルートを外すとこんなにも違うのかと感じます。
お陰で、面白みも味わえます。2個目の橋を渡ったところで洗顔をしてすっきりとする。
久しぶりに沢歩きの気分だ。紅葉ノ滝が青葉の隙間の白い飛沫を見せて蒸し暑さも幾分か和らぐ。
 
一番目の橋
 
魚止ノ滝
 桟道に渡された橋も踏み外したら事故になりそう、ナメ滝とスラブも不安定な梯子と橋でクリヤーする。この付近はすっかり沢登りモードで楽しいところ、正面に5mほどのナメ滝が落ちている。これが魚止ノ滝です。高台で振り返ると滝の上はまだ3段の滝が続いていました。
魚止ノ滝を高巻きます。梯子で再び沢に下りるとゴーロの沢歩きになります。ペンキマークがしっかりしていて迷うことはありませんが増水時は苦労しそうです。
沢を離れて左の赦免委取り付くと間もなく最終水場に着きました。ベンチもあってよい休憩所です。
ここで炊事用の水1リットルを追加する。これで飲料水とあわせると3.5リットルと一気に重くなった気がします。
ここからは樹林帯の急登です。蒸し暑さもまして噴出す汗が目に沁みます。
サンカヨウの紫の実はとてもおいしそうに見えます。足元にショウキランを見つけました。

最終水場
橋の下に沢が流れている
 
 
尾根の途中に大凪山山頂がある
 ひたすら登る、北アルプスでも屈指の急登では内科と思いながら登る。漸く、大凪山に着いた。ピークの雰囲気はない、登山道の途中です。大汗の引くまで大休止です。案内標には山頂まで2時間半と記されていてまだ先が長い。
急騰が少し緩むが足は進みません、そんな時下山して来た方に小屋で1リットル200円で水を分けてもらえることを教えていただき、その後は炊事用の水は何回かに分けて頭から被ってしまった。
崩壊して白い模様を作る山肌が見られる。足元も薮がなかったらすくみそうに切れ落ちています。
足取りの重い中花が多く見られるようになったのがうれしい。
ゴゼンタチバナはかなり大き目のものが多い、オサバグサが群生しているのも見られた。安曇野に高瀬川が蛇行するのも気分が安らぐ眺めです。

シナノキンバイのお花畑
もう小屋は近い
 
 百曲り入口、あと1時間の木札から一番つらいところでした。ジグザグの急登をひたすら我慢の歩きです。
小屋まであと30分を過ぎると先が見えたこともあってやや足取りも軽くなった。
カラマツソウ、コバイケイソウ、ヒメイチゲ、オオバキスミレ、アオノツガザクラなど次々と現れてくれるのがうれしかった。
小屋の手前ではシナノキンバイのお花畑が出迎えてくれた。ここまで7時間を要した手ごわい山です。
ここをピストンで日帰りの人がいるのには感服いたします。
小屋に立ち寄ったが管理人さんはいないので先にテントを張りました。(テン場代500円)一番乗りです。

 
オオバキスミレも多い
 
餓鬼岳山頂
バックは野口五郎岳

昼食を済ませて山頂に行くとき、小屋でこれから唐沢岳まで行くのはどんなものか聞くと、暑いし雲が出てくるので明日の朝早く登るのが良いと教えていただいた。山頂でノンビリすることにした。これが大きな誤算になるのでした。
山頂の砂礫地にコマクサが3株ほど咲いていました。
展望は抜群、360度見渡せます。圧巻は目の前の北燕岳ー燕岳と燕山荘まで見えること、その後には槍ヶ岳の尖峰と小槍がはっきりと見えることです。蓮華岳、針ノ木岳、鹿島槍ヶ岳も大変近くに見えます。
裏銀座縦走コースの烏帽子岳ー野口五郎岳ー鷲羽岳の長大な陵線が見渡せる。
2時間ほど山頂にいただろうか、帰り際に携帯の電源を入れると通じる、明日の天気予報を調べるとなんと朝から雨になっていた。
これが本当なら、無理をしてでも唐沢岳に行けばよかったと悔いるが後の祭りでした。
テン場には5張りのテントが建った。後一張りで一杯だろう。

 
 
剣ズリの尖頭その後ろが燕岳
さらに後方に槍ヶ岳
 
槍ヶ岳をクローズアップ
やっぱり、かっこいいです
 
剣ズリに向かって下山開始です
7月13日
3時にテントをたたく雨音で起きた。予報では9時ころから雨だったが大分早いようです。
皆さん唐沢岳は諦めて下山するようです。 ピストンするのはもったいないので東沢岳ルートで下山することにしました。
雨は小雨だが北西の風が強い、登山道は岩陵の陵線の西側を通るため終始風の先例を受けながら進んだ。

それでも北アルプスらしい岩陵帯を歩くと気持ちがいい、昨日は終始樹林の中だったのでその鬱憤が晴らされた気がする。
テン場に咲いていたアオノツガザクラに別れを告げ、出発する。ハイマツの中にハクサンシャクナゲが沢山見られる。ピンクから白まで少しずつ違うのが面白い。
足元にはコケモモの小さな釣鐘状の花が沢山咲いている。

雨の石楠花
 

こんな岩場をアップダウンして行く
 
 岩場とハイマツのなかをアップダウンを繰り返し進む。花崗岩の奇岩は燕岳と同じ感じです。
振り返ると餓鬼岳は目立たないピークだ、唐沢岳は格好良くトンガリの峰で存在感がある。その陵線が落ち込む先には高瀬ダムのダム湖が緑の水面を見せている。登りたかった。
鋸の刃の岩陵尾根は東沢岳まで続く。東沢岳の山頂は標識もなくケルンが積まれた小広場だった。東餓鬼岳への尾根が伸び、歩きたくなる陵線です。ここが最後の展望台です。燕岳への2682.7mピークが近くなった。
ここから下って樹林帯に突入するともう展望はないが風は弱まり穏やかになった。
燕岳から餓鬼岳に向かう人、4人にお会いする。
東沢乗越は小さな広場で休憩によい、ビバークでテント一張りは大丈夫です。
 
東沢岳で
燕岳が近くなりました

登りたかった唐沢岳
左下にはエメラルドグリーンの高瀬湖が見えます
 
 
東沢乗越から
草つきの急斜面を下る
中房川源頭部は急下降ので始まる 。急斜面はヤグルマソウ、カラマツソウ、の花畑です。その中に丸い葱の花のような大型の花が沢山咲いています。ギョウジャニンニクの花だと思う。こんなに沢山咲いているのははじめて見ました。大型で目立ちます。
西大ホラ沢出会mで下ると雪渓がありました。この先はオオバギボシの群生地があり斜面一面に咲いていました。写真をとっていると団体さんが登ってきました。12名ほどの中高年グループで燕岳に向うそうです。結構厳しいルートですが面白そうに思い、いつか逆ルートで歩きたいと思いました。
何回となく渡渉を繰り返します。沢道はところどころが崩壊しています。ペンキマーク、ふみ後を注意しながら下ります。
堰堤の脇をヘツルように下ると北燕沢出会に着きました。




急斜面に咲く
ギョウジャニンニク
 

こんな沢を何回も渡ります
 
  ここからは沢から離れて巻き道を行く、広い河原に降りるとオダマキ、クルマユリなどが咲いていました。イロガワリというきのこを収穫し持ち帰ったが食べるまでは挑戦しなかった。初めて橋が出てきて右岸に渡る。その先で崩壊の激しい梯子橋を通過すると歩きやすい道に変わる。
サワギクとベニバナイチヤクソウの群生地がありその先は中房温泉の裏に出ました。
温泉やどの淵を歩き階段を登ると温泉の新館の玄関に出ました。去年の暮れに松井さんと燕岳に登り途中敗退で2泊したのを思い出す。バスは1時間ほど待ちがある。燕岳登山口に戻り、河原の湯に浸かり、バスに乗った。半年前に雪道を松井さんと歩いた道を車窓から思い出しながら眺めた。

下山にも7時間半を要する。登り下り供にハードな山でした。
 
燕岳登山口にある河原の湯で
汗を流す