双六岳ー三俣蓮華岳ー鷲羽岳ーワリモ岳ー祖父岳ー雲ノ平ー高天原 平成25年9月15日ー9月20日

コースタイム
9月15日 
新宿バスターミナル8;00=12;30平湯12;40=13;15ロープウエー駅13;30〜14;35ワサビ平小屋(泊)
9月16日 ワサビ平小屋(停滞) 

9月17日ワサビ平小屋5;10〜鏡平小屋7;45〜9:50双六小屋10;20〜11;25双六岳12;10〜13;15三俣蓮華岳14;30〜15;10三俣山荘(泊)

9月18日 三俣山荘5;30〜6:40鷲羽岳7;15〜岩苔乗越8:00〜8;45祖父岳9;00〜10;10雲ノ平山荘10;25〜12;40高天原山荘(泊)
9月19日 高天原山荘5;20〜水晶池6;10〜岩苔乗越7:50〜黒部源流碑9:00〜9;30三俣山荘10;00〜11;55双六小屋12;15〜13;40鏡平小屋13;50〜17;00ワサビ平小屋(泊)
9月20日 ワサビ平小屋6;30〜7;30ロープウエー駅7;55=8;30平湯11;05=12;30松本


飛騨高山行き
高速路線バス 
9月15日
念願だった雲ノ平へいよいよ踏み入れる。予備日を含めて5泊6日の日程です。台風18号のコースを心配しながら連休の初日を迎えた。案の定雨降りだった。強いので折りたたみ傘を大きな傘に替えて家をでた。新宿バスセンターで飛騨高山行きの乗ると翌日が台風直撃が予想されているなかを出かける人も少ないようで乗客は7人ほどです。

「八王子バス停を過ぎると座席は自由に空いているところに移動しても結構です」のアナウンスがあった。
甲府盆地に入ると雨も小降りになった。釈迦堂SAと諏訪湖SAで休憩をとって、松本ICで高速を降りた。
このころには雨は止んで明るくなった。安房トンネルを過ぎると平湯温泉です。ここでバスを乗り換える。

温泉に入ってゆっくりとしたいところだがノンビリしていて雨に見舞われるのが嫌で直ぐに新穂高ロープウエーへのバスに乗った。やや怪しい空模様だたが一日目の宿、ワサビ平小屋まで濡れることなく着きました。
小屋前には飲み物、果物が冷やされている。素泊まり5200円、なんと、お風呂にも入れてもらえました。

これはありがたい。泊り客は下山者ばかりで双六小屋、鏡平小屋の宿泊予定の人が増水の危険があると小屋の人に勧められ足を延ばした人たちでした。
台風情報とにらめっこをしながら、早く抜けてくれることを願って床についた。
 
ワサビ平小屋
2日間お世話になりました
 9月16日
予報どおり朝から雨降りです。京都、大阪は大きな被害があった模様です。出来たら鏡平山荘までに進みたいと12時まで様子を見たが弱まる様子がないため連泊することにしました。本を読んだりしながら過ごすと、3時過ぎに雨の中を2人が登ってきました。本日は3人だけでした。4時にはお風呂に浸かり、退屈だった一日が過ぎた。
翌日からの好天恵まれ、この停滞が実に有意義ななったのでした。

 
高度が上がると
焼岳と乗鞍岳が後押しを
9月17日
朝からすっきり、台風一過の好天気です。5時、まだ薄くらい中を歩き出すがしばらくは車道なのでヘッデンの必要もありません。
通行止めの橋のところから登山道なります。橋を渡ると奥円山ー槍ヶ岳のルートへ続くようです。

すっかり明るくなったころ秩父沢を渡る。最終水場の枝沢を渡り、チョボ岩の石畳を通過する。
振り返ると、焼岳が大きい、さらに登ると乗鞍岳が見えてくる。天気と同様、気分も足取りも上々です。

イタドリヶ原を過ぎるとシシウドが目立ち始めるとシシウドヶ原に着きます。
ベンチもあり休憩によいところです。シシウドの白い花が一面に広がる。アザミとトリカブトの紫がアクセントとなっています。

 
 
シシウド平のシシウド
 
鏡池の定番、槍ヶ岳ー奥穂高岳の陵線
逆光が残念です
今朝は冷え込みが厳しく、熊のおどり場の木道が白くなっています。アザミ、クルマユリも寒そうです。足を滑らさないように注意しながら進むと 鏡池に着きました。凛とした早朝の空気、波のない水面はまさに鏡です。逆さ槍ヶ岳にデジカメを向ける。

奥穂高に伸びる険しい山々と穏やかな西鎌尾根のラインと対照的な眺めに見とれる。よく写真で見る眺めだが実物は何倍ももすばらしい。テラスの水溜りは薄氷が張っていた今年の初氷の出会いだった。。鏡平山荘のベンチで休憩をして先に進んだ。
高度を上げる従い鏡平の小屋と池が小さくなってゆきます。

弓折乗越広場から見る西鎌尾根と中崎尾根の眺めは槍ヶ岳の穂先までロープを張ったかのように伸びていて、ゆるやかに弛む眺めはたまらない。
 
弓折乗越で
西鎌尾根と中崎尾根に見惚れる
 
花見平
双六岳がその姿を見せてくれる
砂地の花見平は霜柱がびっしりと成長し、踏むのがもったいない。 穏やかな双六岳が近くなる、そして黒部五郎岳の姿が見えてくる景色がどんどん変わってくる。双六小屋です。

台風のため泊り客も少なかったのか静かな小屋のベンチで小休憩をした
双六岳へは見た目より急なハイマツの道を登ります。三俣蓮華岳を巻く道が2本あります。笠ヶ岳のピラミッドが均整が取れた美しさで尖っています。雲ひとつない空の先に白山がはっきりと見えます。

双六の山頂は360度の展望です。これから向かう、三俣蓮華、鷲羽岳、まで見て取れます。
花崗岩の白さが雪のように見える、燕岳の平坦な連嶺も大変目立ちます。
 
双六岳で
槍ヶ岳をバックに
 
双六岳から三俣蓮華に空中散歩
鷲羽岳、水晶岳、薬師岳が見放題
 三俣蓮華岳へは贅沢な陵線散歩です。目立ちませんが手前の丸山の方が大きいく高いのです。三俣蓮華岳山頂も大展望を欲しいままに出来ます。

水晶岳の先に赤牛岳、さらに立山と剣岳、大日岳がしっかりと見えています。
明日向かう、雲ノ平の台地と真ん中には雲ノ平小屋が小さい。黒部川の源流をなす谷が祖父岳を取り巻き離れ小島
のようです。やっぱり奥深いところだ。

山頂で1時間半、停滞して、急坂を三俣峠に下り三俣山荘に行きました。
山荘前のテーブルで槍ヶ岳、大天井岳をつまみにビールを飲む。天気が良すぎて暑い!夕方この両山の真ん中に満月が浮かび
秋を満喫だ

三俣蓮華で
笠ヶ岳が美嶺
 
 
三俣蓮華岳で
黒部源流が岩苔乗越に突き上げる
お国水晶岳左に祖父岳と雲ノ平
 
日の出に目覚めた双六ー三俣蓮華を
見下ろす、昨日歩いた陵線です
 9月18日
日の出前、三俣山荘のハイマツ越しに黒い槍ヶ岳を眺めて歩き出す。
三俣蓮華岳の山頂から徐々に明るくなるのを眺めながら登る。山荘に日が差し込むのを見て今頃小屋前で日の出を見ているのだろうと思い見下ろす。山頂で日の出をと急いだが手前の尾根で出会ってしまった。燕岳の上に昇った。

誰もいない山頂はもちろん360度の見晴らしです。
一番先に富士山が見えるかなと探した。常念と槍の間にしっかりと見えていました。
鹿島槍、五竜、白馬岳が昨日よりはっきりとして見えています。

5人ほどが次々と登ってきて山頂も賑やかになった。
水晶小屋が混雑するため、三俣山荘ー水晶岳をピストンする方多いようです。
薬師岳をバックに山頂写真を撮り、先に進んだ。
 
鷲羽岳
後は薬師岳

ワリモ岳ー水晶岳への痩せ尾根
 
 水晶岳の手前のワリモ岳が厳しく立ちふさがっているのが見通せる。
ワリモの頂上標識はルート上にありピークではなかった。
薬師岳ー黒部五郎岳ー鷲羽岳ー水晶岳の陵線が取り巻くなか雲ノ平で、その状況が一目で望めるところです。
ワリモ北分岐で水晶岳のルートと別れて左に下ると岩苔乗越に着く。
ここで黒部源流の道と交差する。祖父岳の山頂は広いためケルンがいくつもあった。
年配の方が一人休んでいました。室堂から入って、薬師沢小屋で停滞して台風を過ごしたそうです。
水晶に登り双六ー新穂高に下りるといって別れました。

祖父岳で
黒部五郎岳にカール
 
 
平原台地の雲ノ平
右に赤牛岳、左に薬師岳、中央の奥が大日岳
雄大な眺めだ
薬師岳ー北ノ俣岳ー黒部五郎 の陵線が伸びやかでとても雄大です。薬師は大きい。
雲ノ平への下りはおおきな岩が点在する庭園風なところを歩く。チングルマの綿毛が一面に敷き詰められている。
木道にぶつかると祖父岳を巻きながら三俣道に合流する。
テント場が下に見えて、直線なら近道だが植物保護のためハイマツの中を迂回するようにして下りてゆく。
やがても駆動になると小さな地塘が点在する湿地に出る。この付近が雲ノ平の見所なのか。
スイス庭園に寄り道する。岩とハイマツと地塘が織り成す自然美が堪能できる。
行き止まりにはベンチがあり高天原山荘と水晶池が小さく見えていた。
 
雲ノ平キャンプ場の分岐で
祖父岳を振り返る
 
奥スイス園から
越中沢岳、立山、剣の眺めが良い
 雲ノ平山荘は毛布がびっしりと干され、修理作業をしていた。
ベンチで軽食を食べ腹ごしらえをして高天原に向かった。
電波塔を過ぎると道は悪路になる。奥スイス庭園と書かれた湿地帯にはリンドウの花が多い、鮮やかな紫色だった。コケモモの実も沢山見つけた。時々立ち止まっては食べる。丁度食べごろ甘くて美味しかった。この付近は高原台地で立山、剣岳、越中沢岳の眺めが良いところだった。

湿原が終わるとシラビソの道を下る。アルミ梯子などで一気に急下降して高天原峠に下りる。
ここで大東新道が分岐している。岩苔小谷を渡ると間もなく岩苔乗越への分岐に着く。
小さな湿原に出ると高天原山荘です。北アルプスでは異色の雰囲気の空間です。
トイレの工事中で職人さんが4−5人働いていた。


高天原山荘の前
ホシイグサの生える小さい池
 
 
今回の目的地
高天原温泉は野趣豊か
 小屋の受付をすると2番目だった。二階の何処でも好きなところと言われたので端の布団を確保した。
今回の目的地の温泉に行きました。20分ほどだらだらと下り河原に出ると温泉です。先客が2人いた。
大好きな白濁の湯、囲いはなく野趣豊かな露天風呂を堪能した。上流部に湯船を製作中でした。女性風呂のようです。
この河原を上流に詰める温泉沢ノ頭に通じる。岩にペンキマークがありました。
小屋に戻ると明日は温泉沢を登り赤牛岳で読売新道を下るという青年2人組みに会いました。
 
水晶池は科上のようです
 9月19日
小屋前の湿原は下で白くなっていた。天気は良く歩くには快適な気温です。
昨日の道を少し戻り、岩苔乗越への道を行く、シラビソの林は薄暗くやや泥濘のある道です。水晶池に立ち寄りました。
水面に周囲の山と樹林が映り静寂の世界です。
谷筋の道は日当たりはなく霜で足元は白い、霜に覆われたヒョウタンボクの実の赤が鮮やかだ。この斜面はたぶんお花畑だったのだろう。やがて沢の音が大きくなると渡渉する。直線的に詰め上げると岩苔乗越に着きました。風が吹き抜けやや寒く感じた。
黒部源流に沿って下る。祖父岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳の裾を抉るように谷は深くなってゆく。
トリカブト、クロトウヒレン、アキノミヤマキリンソウとまだ元気に咲いている。
祖父岳の斜面に下山している人が見える。
祖父岳からの道が合流し、一登りで黒部源流の碑がたつ広場に着いた。
 
岩苔乗越から
黒部源流へ下る
 
三俣山荘
三俣山荘に向かい登る、テン場にでると見覚えのある風景だ。ここは一昨日に三俣蓮華から下った道でした。
三俣山荘のベンチで軽食を食べながら休憩をした。ハイマツの上に布団や毛布が広げられている野を見ると
今日も天気が良いと教えてくれているようです。 
三俣峠まで登り、そこからは巻き道でゆるやかな下りとなる。正面に終始、槍ヶ岳、奥穂高の陵線を眺めながらの散歩道です。
緑のハイマツの中に黄色や赤が斑点となっている。雄大な眺めに気分は爽快です。
双六岳への道に合流するともう直ぐに双六小屋に着きます。
12時だった、ここで今回初めての外食、うどんを食べて体力の回復をする。

 
三俣山荘のうどん
 
三俣峠から
草原のような巻き道を行く
正面易はいつも槍ヶ岳が見える

双六のテン場から弓折岳
 
 双六小屋泊まる予定だったがもう少し先に進めそうです。この先、鏡平、ワサビ平と小刻みに小屋があるので気楽に足を延ばせます。ありがたいことです。

鏡平で名物のカキ氷を食べてさらに足を延ばしました。新穂高駐車場から双六をピストンしている方とご一緒に下りました。
朝4時ころに歩き出したそうです。ワサビ平小屋に到着です。高天原から11時間、すべて巻き道を使いましたが頑張りました。

ヤレヤレこれで明日はノンビリと帰れます。
小屋前ベンチで大きなリンゴを頬張りました。
その夜、80歳の単独者と同室になり、双六小屋ー西鎌尾根ー槍ヶ岳ー東釜尾根に向かうと聞かされ、感服いたしました。


9月20日
80歳の御仁を見送ると残されたのは一人でした。小屋の朝は早く、6時になると静かなものです。ここは新穂高から登ってくる人が通過するので小屋の前は人通りがあります。
今日は金曜日と日、月の連休があり続々とやってきます。
7時55分のバスで平湯に行き、街中を歩いていると平湯民俗館という合掌作りの家を見つけ覗いてみたら温泉が併設されていた。
露天風呂だけで入浴料は寸志だったので早速、飛び込んだ。バス時間調整で1時間以上その間に見えたのは一人だけだった。広々とした湯船を一人独占、贅沢なこと、良いところを見つけた。
 

ワサビ平小屋