西鎌尾根ー槍ヶ岳ー北穂高岳ー涸沢岳  平成25年9月26日ー29日

コースタイム
9月26日 新宿バスセンタ7;00=平湯11;40=ロープウエー駅12;30〜16;00鏡平山荘
9月27日 鏡平5;25〜双六小屋7;10〜10;25千丈乗越10;50〜11;50槍ヶ岳山荘12;15〜12;40槍ヶ岳13;20〜13;40槍ヶ岳山荘
9月28日 槍ヶ岳山荘5;45〜南岳7;45〜11;30北穂高小屋
9月29日 北穂高小屋5;15〜5;18北穂山頂5;45〜最低コル7;05〜涸沢岳8;10〜8;25穂高岳山荘8;40〜10;00涸沢小屋10;10〜13;30徳沢13;50〜15;05上高地バスセンター

 
雨のシシウド
9月26日
先週の雲ノ平に引き続き、北アルプスに行く。槍奥穂高の縦走を計画したが奥穂高岳は踏むことが出来なかった。しかし、3000mのピークを6座を堪能する。 先週、雲ノ平への時に眺めた西鎌尾根が印象に深く、この尾根を歩いたことがない事もあって、実行した。

槍ヶ岳だけではもったいないので大キレットー北穂高岳に足を延ばした。
新宿バスセンター7;00発の飛騨高山行きバスに乗る。今回も台風の接近する中心配しながらのアプローチでしたが
雨に降られることもなく平湯温泉ー新穂高ロープウエーまで順調についたのに歩き出すと雨が落ちてきた。

傘をさして歩く、ワサビ平小屋によって先週のお礼をする。台風で連泊したのは一人だったので覚えていてくれました。
蒸し暑いので雨具を着ることなく傘を差して鏡平山荘まで歩いた。
下山してくる人が鏡平より上は晴れていたと話してくれたが山荘付近は霧雨だった。
鏡池も濃霧で槍ー穂の姿はぼんやりとしていた。

雨より汗で濡れた衣服を乾燥室にぶら下げた。
5時半ころ、雲が取れてきたので急いで鏡池に行ってみた。夕日が陵線を照らし先週の朝日で見た景色よりさらに美しい。
これから歩くコースを眺めると気が引き締まる思いです。
 
鏡平山荘
雨上がり、夕暮れの槍ヶ岳
 
北穂ー奥穂ー西穂
 9月27日
夕べは満点の星空、しかし谷間の空は狭かった。小屋前で小屋番さんにデジカメを押していただく。「今朝はー7度で寒いよ」の声に送られて歩き出した。
先週より色付く葉が多い、弓折岳分岐の手前で朝日が槍ヶ岳の左に昇る。西鎌尾根ー槍ー北穂高ー奥穂高ー西穂高の陵線が一目で見渡せる。壮観な北アルプスの看板スターの揃い踏みです。槍ヶ岳の尖頭、大キレットの切れ込みが期待と不安をかき立てます。
弓折分岐で笠ヶ岳ー新道を周回して日帰りする青年と別れた。
双六岳が見え出し、黒部五郎が見えてくると花見平に着く。白砂の広場は霜柱で敷き詰められ、ザックザックと足音が快感です。
谷間に白く登山道、双六の山荘と鷲羽岳の頭が見えてくる。テン場の池はほぼ全面結氷していた。
テントが3張り、静かな朝を迎えていた。
 
朝日に映える
双六岳
 
樅沢岳で
西鎌尾根のトレース
樅沢岳までは意外と近い、山頂標識があるところは見晴らしが少ないが、直ぐ先にもう一つ樅沢岳の標識があってそこは見晴らしが良い。
先週のルートである双六岳ー三俣蓮華ー鷲羽岳ー祖父岳は見慣れた風景になったが良く歩いたと感心する。
野口五郎岳、餓鬼岳、燕岳、大天井岳の眺めも良い。 
西鎌尾根が長大だ、槍の穂先まではっきりと見渡せるが遠い。
北釜尾根の鋸状がとても鋭く、大苦戦して登ったのを思い出します。
砂地のピークを巻くと穏やかな尾根道になるが左に硫黄尾根が今までの景観を一気に変えてしまう。
煙を出していてもおかしくない赤茶けた恐ろしいような尾根だ。
その尾根が合流してくる付近は緑があり、ダケカンバの葉が黄色い毬形に点在して荒々しい眺めを和やかにしてくれる。
硫黄乗越を過ぎると硫黄尾根の奥に野口五郎岳がこちらも白く見える。この二つが湯俣川をはさんで白く目立っている。

 
荒涼とした硫黄尾根が
合流する

険しくなってきた西鎌尾根 
痩せ尾根が多くなると景色より足元重視、槍ヶ岳が近づき千丈乗越に着きました。槍平小屋からやってきた人と合いました。風の吹きぬけるので岩陰で小休止をする。 30分の休憩をしていよいよこのルート核心部に取り掛かる。ここまでは雄大な景色を楽しみながらの凌うせん漫歩だったがガレ場岩場の急登が足の運びを妨げます。立ち止まる回数が増すばかり。鞍部に小屋が見えているが近づきません。
小槍、大槍が蟹の爪のように天を突き刺す、首が痛くなるほど見上げるようになると槍ヶ岳山荘に着きました。
素泊まりを申し込むと北館の古い部屋に通された。2段ベット10人部屋だが5人ほどで余裕がありました。
部屋のさらに階段を登ると自炊だった。とりえは自炊場が近いことだった。
一休みして槍の穂先に向かった。岩場、梯子が少し渋滞したがスムースに登れた。
順番待ちで山頂神社でデジカメを一枚撮る。360度の大パノラマは見ごたえがあります。
雲も少なく展望日和に恵まれたようです。
歩いてきた西鎌尾根を眺めると長大です。硫黄尾根がここでも荒涼とした鋭い尾根は目を惹き付ける。
大キレットを越え、奥穂高への尾根も長大で荒々しく、北アルプスの核心部の縦走に昂ぶりを覚えるのでした。
富士山も雲の上にはっきりと見えたのもうれしい。


槍ヶ岳
 

 
子槍が大きい

槍ヶ岳山荘での雲海と富士山 
 9月28日
小屋前で日の出のショーを見て歩き出す、出来たら穂高山荘まで進みたいとおもうが。
飛騨乗越で朝日がまぶしい、少し登り、振り返ると槍ヶ岳がやや右に小首を傾けて見える。大喰岳のピークは登山道からやや外れて立つ、標識も簡素で3000mを越えるものには見えなかった。
雲海に浮かぶ八ヶ岳、富士山、南アルプスが壮大だ。
中岳の山頂、北穂高岳、奥穂高岳の奥に見える焼岳、乗鞍岳、御嶽がやけにやさしい感じの山に見えてしまう。
南岳までは余裕の陵線散歩でした。
南岳小屋で小休憩をしていよいよ本日の最難関に向かう。


南岳で
小屋とキレットー北穂ー奥穂
 
 
大喰岳の手前で
振り返る
 
マークを頼りに
こんな岩場が連続する
 ペンキマークがあってもルートが見えないところ、梯子、クサリ、と岩場を上り下りする。年とともに股関節が硬くなったため小またでチョコチョコと歩く。
以前、歩いた徳は何気なく通過したところも半歩の足りなさで苦戦をする。
A沢のコルで一休みして呼吸を整える。
4人の学生グループと単独の外人さんに抜かれる。
北穂小屋には11時半に着く。穂高岳山荘まで時間的には行ける。しかし、今日は土曜日で何処も小屋は満員だろうとおもう。早めに宿泊を決めたほうがよいだろうと素泊まりを申し込んだ。テラスで昼食を背ませて小屋裏の山頂でノンビリとする。

「今日は一枚の布団に2名の予定です」と言われた。大きな団体さんが宿泊で大混雑する。
予定通り一枚に2名でした。人の熱気で夜は暑いくらいでした。
この小屋は自炊には不都合です。自炊場はなくすべて外のベンチでするのです。
天気が良かったので問題は有りませんでしたが雨の時は苦労しそうです。


北穂高岳
本日はここまで
 

 
先行者を眺める

北穂高小屋のテン場で
分かれて、涸沢岳へ
 
9月29日
真夜中に外にでたら満天の星空と南に町の明かりがとてもきれいだった。後で聞くと塩尻と諏訪の町だそうです。
朝のベンチは夜露で濡れていた。立ったままで朝食を済ませた。
天気は引き続き最高に良く何処までも見渡せる。
北穂高岳の山頂で浅間山と八ヶ岳の間にご来光を拝む。日の出直前に空がオレンジ色に染まり山は黒い塊に見える、この時が一番きれいだとおもう。

団体さんの後を追って山頂を後にした。テン場で北穂分岐で団体さんとわかれて涸沢岳に向かうと前も後も人が見えなくなった。
厳しい岩場も天気の良さと展望のすばらしさで足取りは軽い。奥穂高岳が大分近くなった。ジャンダルムに人が見える。
前穂高への吊尾根も見事な曲線を見せている。前穂の北尾根の凹凸が強烈だ。
手前の涸沢のカールが谷に向かって落ちていてその先には色とりどりのテントが散らばっている。

 
 
涸沢岳、奥穂への道も厳しい
 
これを登りきると涸沢岳は近い
 最低のコルを通過する。長い鎖場と岩場をすぎると涸沢岳に到着した。
槍ヶ岳を振り返ると大分小さくなった。奥穂高岳、前穂高岳は目の前に迫った。
穂高岳山荘に下る。8時半とまだ早い。奥穂高に向かおうと目をやると上り下りの人で渋滞している。
切れ目なく続くのを見て意欲を失う。
涸沢の紅葉を気になるのでここで下山を決意した。
期待した紅葉はまだ早すぎたようです。ナナカマドの実は赤いが葉は緑濃く、ダケカンバが黄色を強くさせているだけだった。
本谷橋では休憩、暑い日です。沢水で顔を洗うとすっきりと爽快です。新村橋付近はサル軍団に出会う。河原にもいっぱいいます。
横尾の山荘にて月見うどんを食べる。

横尾、徳沢と単調な道が長い。明神につくと観光客で一気に街と化してしまう。
上高地バスセンターは混雑です。新島々行きバスも増発している。
待ち時間にビールを飲むと松本駅まで居眠りタイムでした。
天気、展望良し、縦走を満喫ですが足の衰えを実感した山行でもありました。

 
涸沢カールの紅葉は
まだでした

涸沢岳で
奥穂高岳が近い
穂高岳山荘も見える