敬称は略させていただきました。また、発言内容はメモをもとにしていますので、正確性、信頼性に問題があることをご承知下さい。(文責:五賀)
第一部 批評会 船橋中央公民館にて 13:30 - 16:30
1 舟の会会員レポート(宮本美津江 岡田行雄)
うわー。大幅遅刻して、宮本さんのレポート聞きのがす。すみませんっ。
レポートの焦点は、お二人とも「新聞投稿」との関係にあったように思いました。
(村田耕司は朝日新聞千葉版「歌壇」(藤田武推薦)に投稿しており、それをまとめたものが今回の歌集)
今回、もっとも話題になったのは、この千葉「歌壇」の存在であったようです。
2 批評 司会の采配で順次発言
★藤原龍一郎(解説執筆者)
自分のなかに歌いたいものがある その強さのため伝達力は希薄になる
人にない歌が作れる
我孫子の歌 日常にのみこまれて行きたい自分とそうしたくない自分の葛藤
ねむりより醒めざる男このままに我孫子までゆくのかわれもゆこうか
現在の歌集状況はつまらなさにみちている
書きたいものがあった(70年代)
それが消えた(80年代)
活性化のために必要な歌集だが、歌壇が受け入れるかどうか。
★藤田武
解説はわかりやすいところをピックアップしている感じがある
わかりやすさについて 難解という圧倒的な会場意見あり わかりやすさとは何か、について発言活発
★依田仁美(司会)
ほかの誰にも似ていないという根拠は
★藤原
言葉の感覚 富士の歌が代表的
いまなにか途方もなくてあの富士め原形とどめぬ大爆発を
★田島邦彦
詩的共感があればわかるということでいいのではないか
常識的な歌はこの歌集にはなじまない
既成のものにさからった歌をつくろうとしているが読者の反発をまねく可能性も
未来を先取りしているのか、過渡期の歌か
独善が過ぎた部分もあるのではないか 8割ある 5割まではゆるす
★社会的には、常識的な歌が危険な場合も(藤田)
★ルビ 漢語の問題は 後ろにいくにつれ、エネルギーが減退している(五賀)
ルビ、漢語の成功、不成功について、発言交錯
★森田好子
作者を知っていて味わうと 手堅い感じがわかる
デカダンスとかニヒルとかではないと思う
歌に自信があって他人を酷評する人なので、歌集に中途半端はないねと言われていた
理解ではなく、一生懸命な姿勢が伝わる
セクシャルな表現は作られたもの 頭のなかで ではないか
家族詠は少ないが、よいものがある
★前田えみ子
エゴンシーレ リビングには飾っておけないたぐいのもの
反発と痛み、魅力を感じる
隠しておきたいものを暴く
緊密な文体で成立させる歌の世界 ドラマがある
漢語やルビも勉強になる
★関原英治
セックスの歌には耽溺よりも浮遊感を感じる
実体ではない美学の世界
必ずしも難解ではないが言葉へのこだわりが独善になる傾向
★内山咲一
千葉歌壇で見たときの鮮烈さ
一首のほうが力があり、歌集全体としては弱まる感じ
新聞というものを背景にしていること 投稿の特殊性
制度からのがれようとするもがき 時代へのメッセージが全体にある
挨拶する著者
ものすごい数の人が発言したのですが、日高堯子さんの、「この歌集を読んだら熱が出てしまいました」がすごかったです。発熱させる歌集って。
お店の酒を飲み尽くすまで飲み放題って、そのあとのことは、わからないー。