「Aの魔法陣ガンパレード・マーチ篇リプレイ『幸せを運ぶアグリッパ』」 作:室賀兼一(ニンジャ) このリプレイはエンターブレイン刊、芝村 裕吏/アルファ・システム著のTRPGシリーズ 「Aの魔法陣」最新刊、「Aの魔法陣ガンパレード・マーチ篇」の遊び方例を紹介するために執筆されました。 このリプレイは原作であるゲーム「高機動幻想ガンパレード・マーチ」、および TRPG「Aの魔法陣」を知らない人でも読んで楽しめるリプレイを目指して執筆していますが、 アルファ・システム社ホームページ内 「高機動幻想ガンパレード・マーチ」の公式サイトなどを確認するとより楽しく読むことができます。 (google検索ワード→「ガンパレード・マーチ」) ルールは最新版を使用していますが、運用には筆者プレイグループの独自裁定を使用しています。 また、読みやすさを優先する為に編集を加えています。リプレイ記事は読み物なので、あくまで参考にとどめ、 実際に遊ぶ際はそのゲームのセッションデザイナー (Aの魔法陣ではゲームマスターのことをセッションデザイナーと呼びます)の裁定に従ってください。 なお、このリプレイ記事には性別、思想、信仰に由来する差別を増長する目的はありません。 「プロローグ:ガンパレをTRPGで遊ぼう!」 セッションデザイナー(以下、SD):      録音は入った? でははじめましょう。      まずはプレイヤーと各自のキャラクター(PC)の自己紹介から。 ヒッシー:      プレイヤーも紹介するんですか? SD:そうそう。どれくらい経験あるの? とかお互い知っておくと楽ですので。    だいたいこんな感じでよろしく。  1:キャラクターの名前:担当:呼び名  2:プレイヤーのAの魔法陣の経験  3:プレイヤーの好きなTRPG(あなたの魂のTRPGは?)  4:プレイヤーにとって戦争を扱った作品と言えば何?  5:キャラクターの性別、外見年齢  6:兵科、技能、不幸  7:大まかな設定。なんで兵隊になったか。 くさいけ:      俺たちは不幸なんですか。 SD:うまくいけばゲームの結果栄光に包まれるかもしれないですけど、まあ最初ですから。    不幸欄については、キャラ紹介の最後でさっき配った不幸表を振ってね。 てれのん:      フヒヒ、いきなりオリジナル運用(笑) エレナ:     (SDの本名)くーん、TRPG経験無いのは大丈夫なの? ヒッシー:(激しくうなずく) SD:そこは大丈夫。読書や映画、テレビとかで物語を現代人はいろいろ見てるはずなので、    「TRPGは物語をトークするゲームだぜ」「ライブ感が大事だぜ」というのさえ頭に入ってればOK。    あとSDと呼んでください。 エレナ:はーい。 SD:あとはまあ、戦闘とかに関しては野郎どもががんばるよ。な! くさいけ:いやまあやれっていわれればやるんだが。 てれのん:っ【ツンデレ】 くさいけ:ツンデレじゃねーよ!(笑) SD:で、自己紹介は誰からやる? エレナ:(辺りを見回して)じゃあ、私から。 二宮絵玲奈(にのみやえれな):事務担当です。呼び名はエレナ。 Aの魔法陣はほとんどやったことがありません。SDの話を聞いたことがあるくらいです。 TRPGは昔付き合いで参加したぐらいで、あまり経験ないです。 戦争かー。映画のプラトーンとか?  キャラクターは18歳で、兵科はおかあさん/調達係。性別は女です。 SDと相談して追加技能で射撃と参謀をとりました。 設定としては、親から独立するために志願しました。 てれのん:ぷらとーん!ぷらとーん! SD:なんでまた18歳で独立を? エレナ:父と折り合いがつかなかったんで、えーいって感じで。 SD:OKOK、じゃあ不幸表を振りましょう。 エレナ:(ころころ)…「不思議な転校生こと(となりのPC)の世話係に任命される」。 くさいけ:俺か! よーし。 エレナ:あんまり不思議すぎないようにしてくださいね。 SD:つぎー。 ヒッシー:わたしいいですか?  菱井愛(ひしいあい):整備担当です。呼び名はヒッシー。 エレナさんとおなじくAの魔法陣の経験はありません。 好きなTRPGはリプレイで読んだダブルクロスです。 戦争はよく分からないです。ロードオブザリングとか? 14歳の女の子で、兵科は整備兵/技術者です。追加技能で車両運転を取りました。 家族の足手まといになりたくないため志願しました。大検の勉強中です。 不幸は……(ころころ)…「若くして亡くなる事が決まっている」。えっ! てれのん:フヒヒ、過労死とか。病弱とか。 SD:具体的にはゲーム中に何とかできる不幸に設定するといいですよ。でも振りなおしはダメー。 ヒッシー:えー。じゃあ、なんか最近周りの人とかが不幸続きで、次は自分の番だと思ってることにします! くさいけ:不幸って俺たちかよ!! SD:ナイスプレイナイスプレイ。次はてれのん。 てれのん:はいー。 名前は鈴木大地(すずきテレノ):偵察担当。てれのんです。 ラテン系日本人で、カターナとサムライが大好きです。 プレイヤーはSDとAマホを遊んでました。 魂の故郷はアレクラスト大陸。 SD:ソードワールドRPGやね。 てれのん:ぐらーしあす。戦争万歳、「300」サイコー! エレナ:ちょ。それ古代戦。 てれのん:そるだーど・でる・むすきゅろ! SD:人選ミスったかなあ。性別と年齢、兵科と不幸を出してね。 てれのん:年齢性別は17歳男!      兵科はオペレーター/海兵隊。追加技能は偵察と砲術!      不幸は……(ころころ)……この出目は! SD:「(隣のPC:ヒッシー)と立場が入れ替わってしまう」。 てれのん:むーちゃす・ぐらーしあす! くさいけ:死んだ!死んだ! エレナ:あんまり惜しくないとか言っていいのかしら(笑) ヒッシー:ありがとう、わたしのために(笑) SD:いい最終回だった。ではラストー。 くさいけ: 前川啓作(まえかわけいさく):火力担当です。あだ名は不本意だけどくさいけで。 視力の問題でパイロットになれなかったんで砲兵になりました。メガネ男子です。 民間人だったときは演劇部に所属してたりしてました。 AマホはSDと少し遊んでます。ガンパレの経験はあんまりないですがSDからフォロー入ると信じてます。 魂のRPGかー。俺はGURPSかなあ。妖魔夜行? 好きな戦争作品はエヴァンゲリオンです。 てれのん:エヴァンゲリオンは戦争映画なのか(笑) くさいけ:エヴァンゲリオンは俺の青春だったんだよ! エレナ:うわー(笑) ヒッシー:?? どうゆうことですか? SD:怪獣を相手に戦車とかミサイルとかロボとかで戦うアニメだったんです。彼的には。    さ、兵科と技能と不幸をだしたまえ。 くさいけ:兵科は砲兵/無線兵。年齢性別は14歳男です。      技能は追加で夜戦と慈悲を取りました。ヒーロー的に!      不幸は……(コロコロ)……あ。 SD:「みにくい欲望に突き動かされてしまう」。 てれのん:ただいまのヒーロータイムは4秒でした。フヒヒ くさいけ:俺オワタ! エレナ:私はこの子の世話をするのね……(笑) 「4人のプレイヤー、よろしくお願いされるのこと」 SD:さて、みなさんには事前にゲーム「高機動幻想ガンパレード・マーチ」の公式サイトを確認してもらって    いますが、概要はだいたいつかめていますか? 4人:はーい。 SD:今日のゲームでは、大人たちがぼろ負けした結果がんばって兵隊の真似をすることになった、    学生兼なんちゃって軍人(学兵)の幸せを探す物語を作って遊びたいと思っています。 ヒッシー:なんちゃってなんですね(笑) エレナ:どうやって遊ぶんですか? SD:Aの魔法陣では、SDが設定していないことはプレイヤーが決めてしまってよいというルール    (設定の空白ルール)があります。    もちろん世界観設定を無視したり、SDの頭の中を見せたりするわけにはいかないので、    SDと相談したりSDに質問したりして、決まってない範囲を確認しながら設定を決めていきます。    で。実は今日のSDは戦闘データしか用意していません。 くさいけ:おい(笑) SD:いやいや大丈夫。用意してないのは決めようがないからというだけなのでご心配なく。    キャラクター作成の際、皆さんにはキャラクターの不幸を決めてもらいましたが、今日はこの不幸が    解決されるお話をしたいと思います。    キャラクターたちが出会い、お互いの不幸を知りつつ、その中で誰かの不幸をなくして幸せにするという    お話をやるわけです。 くさいけ:なるほど。 SD:で、どういう話をやるか決まったところで、物語の終了条件とその達成難しさをSDが設定して、    皆さんに伝えます。    これをみんなでがんばってクリアできたら、今日のゲームは成功ということにしたいと考えています。 ヒッシー:戦闘データは何に使うんですか? SD:原作のガンパレード・マーチでもそうなんですが、プレイヤーがこれでいける! と思った時に限って、    無遠慮に幻獣が侵攻してきます。    みなさんは幻獣を何とかしつつ、幸せになるための最後の一手を戦場で打ち込むようにしてください。 エレナ:えーと。ちょっと整理しますね。     1.今日の不幸な人を決める     2.出会い、不幸を知る     3.不幸をなくす=幸せにする      3.5.幻獣が出てくるのを対処する      3.5.1.幻獣に対処しながら不幸をなくすを達成する     こういうこと? SD:おお。さすが。その通りです。 てれのん:フヒヒ、4.生き残る は必要ですか? SD:ヒッシーと入れ替わるのはともかく、死ぬのは幸せじゃないだろ(笑)がんばってあがいてください。 ヒッシー:AGAKEですね! SD:AGAKEですよ! 今日はよろしくお願いします。 4人:よろしくお願いします。 「4人の学兵、熊本に集うのこと」 SD:さて。まずは皆さんの活動する舞台を設定します。 菊池戦区: 熊本北部に位置する1999年熊本戦の激戦区のひとつ。菊池川と迫間川の流れる水辺の町で、酪農、林業、 果物栽培の他、昔から米どころとしても有名。水利を得やすい関係から、自動車および電子機器関連工場が 多く立地する。1954年に温泉が湧出してからは歓楽街を含む温泉街としても栄えた。 バカボンのパパの出身地区でもある。 四人:バカボンパパ(笑) SD:バカボンパパは今日のゲームに出てはきませんが(笑)。    みなさんは、ここ熊本は菊池戦区にある私立菊池女子高等学校というところにプレハブ校舎と    整備ハンガーを立てさせてもらって、戦争や日々の訓練につとめています。    (googleマップ検索キーワード→「菊池女子高等学校 熊本」)    今日は死んだ部隊長に替わって新しい部隊長が着任してくるということで、    みなさんはその出迎え準備をしているところです。 エレナ:もう死んでる(笑) ヒッシー:えっと、それってわたしの不幸が…… てれのん:べつにヒッシーのせいじゃないよ、アミーゴ。戦場ではよくあることさ。 SD:副官だったエレナには引き続き、後任の指揮官を補佐するよう辞令が出ています。    後任はもうすぐ着任するはずですが…… くさいけ:じゃあ車で校門まで乗り付けます。 エレナ:出迎えたほうがいいのかしら(笑) SD:OK。エレナは校門に向かった。みんなはどうする? ヒッシー:ついていきます。やることもおもいつかないし。 てれのん:後任の指揮官、興味あるネ! ついていきます! くさいけ:車の扉が開いて、颯爽と出てくるメガネ男子。メガネ男子! エレナ:「ようこそ、えーと、着任を歓迎します」で、敬礼? くさいけ:格好を付けて、びしっ(敬礼)「前川啓作です。小隊長を拝命しました」 ヒッシー:あの、よろしくおねがいします。 てれのん:フヒヒ、歓迎するヨ! くさいけ:女の子を見たとたんやに下がる俺。 くさいけ:「小隊の子?(o^-')o」 エレナ:えー。 ヒッシー:え゛ー。 SD:ナイス欲望に忠実プレイ くさいけ:「みんなのことは資料で確認してるよ。      これから幻獣と一緒に戦っていこう!(@゚ー゚@)ノ∃ □ =ノ 勹♪」 SD:縦書きにしたとき困りそうだな。ともあれ、新部隊「前川小隊」はこうして誕生した。 エレナ:そこはかとない不安が…… 「プレイヤー、だれの不幸をやっつけるか相談するのこと」 SD:運命的な出会いができたところで、ここでみんなの担当と不幸を確認しよう。 エレナ :事務担当:「不思議な転校生ことくさいけの世話係に任命される」 ヒッシー:整備担当:「若くして亡くなる事が決まっている」が、てれのんの立場になってしまう。 てれのん:偵察担当:「ヒッシーと立場が入れ替わってしまう」ために、若くして亡くなる運命を背負う。 くさいけ:指揮官/火力担当:「みにくい欲望に突き動かされてしまう」。 SD:皆さんは協力して、一人を選んでその不幸を解決すれば今日のゲームは成功になります。 てれのん:不幸の解決ってどうやるんですか。 SD:今日のところは、以下のいずれかを達成すれば不幸が解決できたことにします。 ●特殊な判定:幸せ判定  今日のゲームでは不幸な設定をなくす方法として以下の二点を提案しています。   あ.不幸な設定をもとに、一定数の人を幸せにする   い.不幸な設定から不幸さをなくす  (重要)キャラクターが幸せ状態か否かの判定には参加プレイヤーの全会一致が必要です。 ヒッシー:あ.は結構大変そう。 エレナ:い.はだれかが不幸じゃなくなればいいんですね。 てれのん:なら、ヒッシーと僕に関して言えば、生き残れば達成の予感。 くさいけ:それでいこう。ヒッシーの不幸「若くして亡くなる事が決まっている」を解決する。で! SD:承知しました。 「プレイヤー、ミッションの内容を確認するのこと」 SD:我はこれよりM*から始まるゲームの目的を提示する。 「M*菱井愛さんを幸せにする:難易修正18000:ターン数2:ペアリング4:  抽出条件は夭折する運命の回避に関係するもの」 ヒッシー:えっと、M*って何ですか? SD:今日のゲームの終了条件です。菱井愛さんを幸せにするを達成できたら、今日のゲームは終了。    難易修正はそれを達成する為の難しさで、今回はちょっとむずかしめ。ターン数は自分の手番の    回ってくる数だと思ってください。    ペアリングというのは一度の判定で一緒に行動する人数です。    今回は4人でゲームしているから、ペアリング4は全員で1行動をするという意味です。 くさいけ:難易修正18000、2ターンということは、一回の行動につき難易修正9000ぐらいの行動を      成功させればいいと。 てれのん:自分の持ってる技能の範囲内でなんか行動すれば、技能レベル×300の修正がもらえます。      全体の行動の中で、技能その他をうまいこと使って修正を稼げばいいんですね。 エレナ:技能以外ではどんな方法があるんですか? SD:修正表というものを配りますね。行動の際、この表にある、たとえば準備を万全にしているとか、    士気が高いとかを達成できていれば、修正表の内容に応じたポイントを得ることができます。    この修正は部隊の規模が大きいほど、大きくなります。今回の私たちの場合だと、    根源力の合計は8000なので基数は2。表の修正値の2倍の値が修正として入るようになります。 てれのん:おいしいご飯を食べたとか、十分休息しているとかをらしく語っておいて、      行動のときに「休息十分だから【士気が高い】です!」と言うと。 SD:とすると、ああそうだね、じゃあ修正いくらいくら×基数2をあげよう。となるわけです。 エレナ:なるほどー。事前準備が大事なんですね。 「前川小隊、謎の小包からヒッシーの運命を知るの事」 SD:さて、ヒッシーを不幸から救うことをプレイヤーたちは選択したわけですが、キャラクターはそんなこと    知りようも無かったり。そりゃそうですよね。ヒッシーがなんで若くして亡くなる事になるかすら、    誰も知らないんですから。というわけで、1行動目はSDから課題を出します。 「T*ヒッシーの若くして亡くなる運命の原因を知る:難易修正8000:ターン数1:ペアリング4:  抽出条件は夭折する運命に関係するもの」 SD:このT*から始まる当面の課題をクリアするようなアクションをして、    技能や修正を出していってください。質問は随時受け付けます。 ヒッシー:あの、SD。この運命って私が決めるんですよね。 SD:そうですね。みんなで相談したり案を出してもらったりして、これだというのを決めるといいです。    皆さんは調査に専念するだけにして、具体的な設定はSDに決めさせる、でもいいですよ? てれのん:罠だ。 くさいけ:罠だな。 エレナ:ガンパレについて詳しくないんですけど、ガンパレで早死にする理由としてどんなのがあるんですか? SD:戦死や戦災に巻き込まれるが一番多いですね。    あと、密告されて謀殺される、実験ラボに送られるといったありがたくない死に方もあります。 ヒッシー:実験ラボはいやですー。密告って何を告げ口されるんですか。 SD:幻獣たちに共感して、幻獣側の人間としてテロ行為などをしつつ幻獣の支配領域で暮らすようになった、    「幻獣共生派」という人々がいまして。    彼らのシンパであった場合、ばれるとおおむねひどいことになります。 エレナ:殺伐としてるんですね。 SD:戦争の世界なので……。    まあ、ヒッシーの場合は周りの人が不幸続きで次は自分の番、ということなんで、    偶然の戦死とかだと解決しようがないから、そのあたりを軸に考えてみるのがいいんじゃないかなあ。 ヒッシー:うーん。何か狙われているとかかなあ。 てれのん:幻獣共生派の明るみになって欲しくない事実を知らないうちに握っているとか。 くさいけ:「そういえば亡くなった人からアグリッパ像を預かっていました」とか(笑) エレナ:「アドルフに告ぐ」ですか(笑) ヒッシー:じゃあ、それで(笑) SD:戦争ものらしくなってまいりました。    では、みんなが今日の訓練を終えて、避難した住民の家を接収した宿舎に戻ると、菱井さん宛で    小包が届いている(笑) ヒッシー:差出人は誰ですか(笑) SD:「同上」としか書いていないが、宛名の筆跡には見覚えがあるような気がしなくもない。    やけに重いが…… てれのん:「オーウ、実家から届け物ですカー?」と、玄関の様子を見に来ます。 SD:玄関ではヒッシーが差出人のない小包を持ち上げています。 てれのん:「うん・ぱと!」突き飛ばしてヒッシーに覆いかぶさります(笑) ヒッシー:ちょー、おまー! SD:小包は玄関から放り出されました。大きくガシャンと音がした。    …………玄関の外では雨がしとしとと降っている。静かだ。 エレナ:騒ぎを耳にして登場、で、いいでしょうか? 「これはいったい、なんの騒ぎ?」 くさいけ:「おお。あたらしい訓練か。さあ続きを」一緒にやってきます。 てれのん:「…………アブナイトコロデシタ」 ヒッシー:「いいからどいてくれません?」(笑) エレナ:小包が爆弾でないことを確認しつつ、拾って食堂に持ち込みます。 ヒッシー:「エレナさん、どうしよう。何だろこれ」 エレナ:慎重に小包を開けると…… SD:中には割れたアグリッパ像が(笑) アグリッパ像の中には便箋が入っていますね。    書いてあることはさっぱり分からないのですが、何かの暗号のようです。 くさいけ:「これは!」 ヒッシー:「隊長、これ分かるの!?」 くさいけ:「いいやさっぱりわからん」 ヒッシー:がくっ くさいけ:「このアグリッパ像、直して美術室に置けないかな」 てれのん:「オーウ、貧乏くさいデスネー」 くさいけ:「物資窮乏のおり、使えるものはなんでも使え、だ!」(笑) 「で、何かの暗号だと思うんだが、副長、なにかわかるか?」 エレナ:エレナには何か分かりますか? SD:暗号の専門家でないとわからなそうだなというのは分かりました。    軍で暗号の専門家といえば情報科ですね。読んで字のごとく情報の高い人が集まっています。 ヒッシー:わたし、情報技能もってます! SD:いいですね。これが何らかの暗号であることは間違いなさそう。    専門家に渡せば、重要な情報を引き出すことができるでしょう。 てれのん:「これは一体どうしまショー」 エレナ:差出人は「同上」だったんですよね。筆跡に見覚えはありますか。 SD:エレナは見覚えがあります。死んだ前任の小隊長ですね。    出荷した日付は小隊長の死んだ1日前になっています。 くさいけ:前任者の名前と死因、兵科を知りたいんだが。 SD:交通事故らしい。名前は中林。ヒッシーとは同郷で、階級は十翼長(みんなより1個えらい)。    兵科は憲兵/指揮官。 エレナ:ともかく、私たちだけでは対処できません。この便箋は信頼の置ける筋に預けましょう。     いいですよね隊長。 くさいけ:賛成(笑)「で、だれに預ける?」 SD:だれか知り合い(コネクション)で使えそうな人はいませんか。 ヒッシー:えーと〜。「芝村舞」は使えますか? SD:暗号解読は手伝ってくれるでしょうが、預けるのは難しいかもしれません。 てれのん:僕のコネに「芝村準竜師」という人が! SD:準竜師は軍の上層部の人間です。彼なら力に?なってくれるでしょう。 エレナ:コネクションの知り合いは信用が置けますか? SD:おける。    ……はずです。少なくともこのゲーム中では。    といったところで、そろそろ技能と修正の提出に行ってみましょうか。 てれのん:コネクションの芝村準竜師に連絡を取って、直接手渡す約束を取りつけます……だと、      話術技能5は使えますか? SD:使える。技能の効果は100%。修正1500を得る。 くさいけ:無線技能5で連絡を取る際の無線通信を担当します。 SD:ほう。無線は効果60%。修正900を得た。 ヒッシー:えーと……野外技能5で、面会場所の目星をつけるとか、できますか? SD:野外かー。効果50%。修正750を得る。 エレナ:準竜師さんにこっそり会うのに密会技能5は使えますか? SD:200%使える。修正3000を得る。 ヒッシー&エレナ:それでお願いします。 SD:合計で修正6150。T*の解決にはあと1850足りない。修正を出していこう。 くさいけ:「保有している他の技能の支援が得られる場合+300の修正」を出します。      密会の場所が野外なら、地形把握は使えませんか。 SD:通った。修正300×2(基数)。 ヒッシー:「ゆっくり慎重にやっても時間的余裕があって、実際慎重にやる場合+500修正」は出せますか。 エレナ:「完全補給状態の場合+500修正」も出せませんか。 SD:ともに通って合計1300×2。基数2なので2倍されて修正+2600で、これでT*は成功です。 ヒッシー:やった! SD:準竜師とは翌早朝、町外れの公園で落ち合うことになった……。 「前川小隊、密会へ向かう途中で出撃命令を受けるのこと」 SD:さて、2ターン目です。残り難易修正は10000まで下がりました。    ヒッシーの運命を変えるべく皆さんは上役である準竜師に連絡を取りました。密会は翌早朝の予定です。    無線を切ったみなさんですが、さてどうしますか? エレナ:10000修正を稼ぐのって、結構大変じゃないですか? くさいけ:一人あたり平均で1200修正出したとして、4800修正。      のこり5200を修正で稼ぐのは厳しいなあ…… てれのん:戦闘で使える修正は結構あるんですけどねえ。 ヒッシー:戦闘しなきゃ駄目かなー。 エレナ:「とりあえず、食事にしません?」 くさいけ:「よし、温泉街に行こう」 エレナ:下心を感じるからいやです(笑) ヒッシー:同じくー(笑) てれのん:フヒヒ、さすが欲望に忠実(笑) くさいけ:いや、士気を高めるのが目的であって……(笑)      「せっかくの温泉地だ、粗末にすると罰が当たるぞ」      といいつつ双眼鏡をとり出す俺(笑) エレナ:のぞき氏ね!(笑) 双眼鏡を取り上げつつ、食事の準備を始めます。 SD:はいはい。では、ご飯と風呂は普通に行えたということで。    菊池戦区は激戦区でしたが、みなさんは久々にのんびりとした夕どきを過ごしました。    とくに何もなければ就寝時間になります。 てれのん:むーちゃす、ぐらしあす! エレナ:家計簿をつけます。日課として(笑) くさいけ:「補給は足りそうか、副官?」と、手伝いつつ。 エレナ:「将来的には厳しいですね……なんとかしてみますけど」 くさいけ:「よろしく頼む」事務官がいないと弾も買えない、飯も食えない(笑) SD:てなことを言いつつ皆がそれぞれの自室に戻ると、寝静まった頃、非常呼集のアラートがかかる。    各部屋に置かれたスピーカーから勇壮な軍楽とともに第一種警戒態勢の指示が流れてきたよ。 くさいけ:きたきたきた。 てれのん:戦争、戦争ですよ。 ヒッシー:「ねむいのにー」 4人:急いで着替えて学校に向かいます。 SD:学校では教官からブリーフィングを受けられる。    住民からの通報で、東の菊池渓谷に大量の幻獣群が出現したらしい。    (地図を配る。googleマップ検索用キーワード→「菊池渓谷」) くさいけ:遠いなあ。 SD:出現位置は菊池戦区と同じく激戦区である阿蘇戦区をつなぐ要所です。    途中には発電所もあり見過ごせない、という判断のようです。 くさいけ:地図を拝見。うーん。とすると、仮の本陣は菊池渓谷水の駅キャンプ場あたりに設置かなあ。 てれのん:殺し間(キルゾーン)へYOKOSO エレナ:SD、出撃したとして、準竜師との約束の時間には間に合いますか。 SD:難しいところです。一撃で撤退に追い込んで即座に戻れば、あるいは間に合うかもしれない。 てれのん:一撃で撤退ですかア。敵の戦力は分かりませんか? SD:住民情報が元なので、詳しいことは不明。上層部では情報の真偽をいぶかしんでいる節もあります。 くさいけ:難しいな。うーん。 ヒッシー:自動車があればなあ。 エレナ:!      そうだ、SD、事務技能で車を借りることはできませんか? 移動に使うだけなんですけど。 SD:では、必要な発言力の100分の1の発言力で借りられることにしましょうか。    ただし、購入ができるタイミングがあれば(笑) てれのん:「こんなこともあろうかと」! ヒッシー:こんなこともあろうかと? って何ですか? てれのん:伝説級絶技という、このゲームの必殺技シリーズのひとつです。      規定のロールプレイ演目をクリアすることで、特殊な効果を得ることができます。 SD:「こんなこともあろうかと」は、必要な物品をあらかじめ用意していたことにして、    即座に購入することができる伝説級絶技です。 エレナ:便利ー。こんなこともあろうかとの演目はどんなものですか。 SD:こんな感じです。 伏線1 ケチな所を見せる 伏線2 ケチだといわれて言い返す 伏線3 粗末にする人に説教する 伏線4 物資不足の未来を予言する 伏線5 こんなこともあろうかと、といいながら用意していた装備を取り出す ヒッシー:今のところ出たケチプレイっていうと…… くさいけ:ふっふっふ。こんなこともあろうかと、細かくケチプレイしてたんだぜ。 SD:おお。偶然だと思うがまあ聞こうじゃないか。 くさいけ:アグリッパ像を直して使おうとする、で伏線一つ目、      物資窮乏のおり壊れたものも直して使うべき、と言い返して二つ目、      温泉地を粗末にするなと説教、で三つ目までクリアしている。というのは通りますか? SD:言ってましたね、そういえば。温泉地が苦しいですが、まあ。三つ目まで通った。 エレナ:じゃあ、家計簿を付けながら物資不足を予言してたので、四つ目も通りませんか? SD:おお。じゃあ四つ目まで通った。あとひとつ。 くさいけ:「実はここに着任時俺が乗ってきた車が」(笑) SD:うまい! 五つ目通って伝説級絶技「こんなこともあろうかと」が発動しました。      高機動車の発言力は500だから、百分の一で発言力5を払ってね。 エレナ:払います。 SD:エレナはくさいけの乗ってきた本部所属の高機動車を借りることができました。    ちなみに壊すと弁償、できなければ軍法会議で処刑されます。 エレナ:ひど! くさいけ:壊さなければOK(笑) SD:前川小隊は借りた車に乗り込んで現地へ向かった。夜もしらじらと明けつつある中、    菊池渓谷手前のキャンプ場についたよ。 くさいけ:渓谷の2km手前まで、高機動車で前進。 SD:前進した。 くさいけ:てれのんGO てれのん:偵察に向かいます。明るさ的に暗視装置は必要ですか? SD:いらない。 てれのん:じゃあ置いてきます。軽荷状態で、視程は望遠鏡使用で1180mあります。      (通常時500m+偵察技能1ごとに+30m、望遠鏡でさらに倍) SD:(電卓で計算)7分後、移動したてれのんは望遠鏡で渓谷を確認する。    菊池渓谷は阿蘇外輪山から湧き出た地下水が造り出した約6.7kmの渓谷だ。    地図上ではこんな感じ。    (拡大し、地形を表示させたgoogleマップを見せる。     googleマップ検索用キーワード→「菊池渓谷」)    敵の姿はない。 てれのん:「オーウ」 SD:どうする? てれのん:高機動車から500mの距離まで戻って、無線で報告します。 SD:戻った。みんなは渓谷の状況をてれのんから聞いた。 くさいけ:「どう思う?」 エレナ:敵は隠れたりするんでしょうか? SD:幻獣はあまりそういうのはやらないね。数が多すぎるか、サイズが大きすぎるので。 ヒッシー:「うーん。もう移動しちゃったとか」 てれのん:「そですネ。      道沿いに移動したとして、幻獣は阿蘇戦区に移動するか、こちらに向かうかしかないはずです」 エレナ:「足跡とか残ってませんか?」 くさいけ:「確認しよう。前進する」 てれのん:「フヒヒ、了解デース」合流します。 SD:行軍の痕跡を捜索する難易修正は2000 野外捜索に関係するもの。 てれのん:移動の方向まで特定すると、難易修正はどうなりますか? SD:難易修正4000 てれのん:フヒ、偵察技能3は提出できますか? SD:効果は100% 900修正を得た。 くさいけ&エレナ&ヒッシー:野外技能5を提出します。 SD:OK。ここを幻獣が通った痕跡はない。 ヒッシー:「えっと、どういうことかな?」 くさいけ:「偽情報だな」 てれのん:「僕らを引きずり出して、何の狙いがあったですかねー?」 エレナ:暗号暗号(笑)     「どこかから情報が漏れたのかしら?」 SD:情報漏えいの目星をつける 難易修正は4000 情報、幸運系。 エレナ:憲兵技能5は使えますか? SD:120%使える。1800修正を得た。 ヒッシー:情報技能5は使えますか。 SD:効果80%ぐらい。1200修正を得た。あと1000。 てれのん:フヒヒ。情報系は苦手です……無線技能5は通りますか? SD:正解。効果100%。 1500修正を得た。どうやら無線が傍受されていたようですね。 くさいけ:連絡で無線を使っていたのは……      「俺か!」(笑) エレナ:「ばかー!」(笑) てれのん:「準竜師が危ないデス!」 くさいけ:「急いで戻るぞ!」 ヒッシー:「あいあい!」アクセル全開で! SD:君たちは狭い山道をターンすると急ぎ菊池公園へと走った。    日は昇り、約束の時間は刻一刻と迫っているわけだが……。移動方法が車なのよね。 四人:(さわやかな笑顔) SD:早朝の菊池公園に着くと、見慣れない古ぼけたバンが公園入口に今まさに到着しようと……。 ヒッシー:回り込みます! エレナ:「確保!」 SD:怪しいバンを職務質問し逮捕する 難易修正は9000 憲兵系。 エレナ:憲兵5を提出します。 SD:100%通った。1500修正。 ヒッシー:情報技能5は通りますか? SD:そのままだと通らないが…… くさいけ:バンのナンバープレートを確認するのは? ヒッシー:それで! SD:70%通った。1050修正。 くさいけ:無線機を操作して、一帯の無線を封鎖する。無線技能5は通りますか? SD:いい手だ。90%通して1350修正。 てれのん:怒らせて乗員の暴発を誘います。話術技能は通りますか? SD:乗員は銃を抜いた。 てれのん:フヒヒ。では射撃技能を提出。こちらは完全武装なので装備修正もあわせて提出します。      さらに絶技「狙いをつける」発動。攻撃修正+1000×2!      「オーホ・ポローホ、ディエーンテ・ポル・ディエーンテ!(目には目を、歯には歯を!)」 エレナ:「士気が高い」ので修正+500×2! ヒッシー:「完全補給状態」なので修正+500×2! SD:静かな街に響き渡る銃声。乗員は無力化された。 四人:やったあ! 「前川小隊、暗号文を手渡し暗殺者を逮捕拘禁するのこと」 エレナ:無線封鎖を解いてもらって、本部に連絡します。憲兵隊を出してもらわないと。 SD:君たちの後ろにリムジンが止まった。同時に無線が入る。 くさいけ:とります。 SD:「俺だ」芝村準竜師だね。 てれのん:「オーウ、お久しぶりデース!」 くさいけ:おい(笑) SD:(無視して)準竜師「暗号文というのは?」 エレナ:「こちらです」リムジンにもって行きます。 SD:準竜師は窓を少し開けて、暗号文のかかれた便せんを受け取った。窓が閉まる。 エレナ:「この暗号を当初入手した中林十翼長は……」 SD:準竜師「聞いている。奴は俺の手駒だった」(笑) てれのん:フヒヒ 後出しキタコレ(笑) SD:準竜師「よくやった。そなたらに礼を。何かいいたいことはあるか?」 ヒッシー:「あの、その暗号があって、みんな死んじゃって。 それで、私に送られてきて、次は私の番だって思って」 SD:準竜師「ふむ」 ヒッシー:「準竜師は、……死なないで下さいね」 SD:準竜師「死なない人間はおらぬ。俺もな。       ただ、身辺には気をつけよう。そなたらの安全は俺が保障する。これでいいか?」 ヒッシー:「ありがとうございます!」 SD:戦闘を未然に防いだんだ、これぐらいいいでしょう(笑) エレナ:「準竜師は今回の事件、真相はどこだとお考えですか?」 SD:準竜師「幻獣共生派の諜報活動、およびテロ行為と考えている。中林は残念だった。二宮戦士」 エレナ:「はっ」 SD:準竜師「中林同様に、前川十翼長を支えるように。       それと、俺への連絡は人を送れ。危険と思ったら無線は使うな」 くさいけ:ガガーソ! SD:準竜師を乗せたリムジンは去っていった。    かわりに、エレナから連絡を受けた本部の憲兵隊がやってくる……。    といったところで、我はこれにてM*より始まるゲームが達成されたことを証明する。    皆さんの勝利です。おめでとう。 四人:おつかれさまでしたー! SD:まさかの戦闘レスガンパレでした。野郎共には正直スマンカッタ。 くさいけ:いやいや、移動力重要!(笑) てれのん:ナイス事務官でしたね。レンタカー強かったー。 SD:最後に感想など聞きつつお開きにしましょう。 ヒッシー:なんか不幸が解決しました(笑)ガンパレは初めてだったんですけど、      捜査もの?って面白かったです。 エレナ:もっと戦場戦場したどろどろのを想像してたんですけど、勝ててよかったです(笑) てれのん:戦闘データは峡谷と公園のどっちを用意してたんですか? SD:菊池市周辺の地図は何枚か印刷してました。菊池公園とか結構熱い地形なんで、    戦闘やってもよかったかもですね。    (プレイヤーたちに地図を見せる。googleマップ検索用キーワード→「菊池公園」) くさいけ:おおー。城砦跡なんですね。これは燃える。あとで模擬戦やりましょう模擬戦。 SD:その前に、最後の締めで感想をどうぞ。 くさいけ:「俺たちの戦いはこれからだ!」 SD:機会がありましたら、またよろしくお願いします。お疲れ様でしたー! 「おまけサプリメント:幸せを運ぶXXX篇」 作:室賀兼一(ニンジャ) このサプリメントでは、今回のゲームで使用した特殊な判定処理についてフォローアップします。 これらは筆者プレイグループにおいて用いられているもので、公式的なものではありません。 使用方法と効能はリプレイにある通りですが、ゲームでの使用に際しては個々プレー卓でのSDの運用に 従ってください。 ●M*登場人物が運命的な出会いをする 難易度0  リプレイでは省略していますが、ゲーム冒頭に行われるこのM*は、プレイヤーへのチュートリアルを 兼ねています。SDはプレイヤーの必要に応じて、プレーを通じて世界観、行動処理の手順、 技能や修正の取扱いなどを解説してください。  このM*では、慣れたプレイヤーであるほど、ロールプレイによる設定の積み上げのみで解決しようと することでしょう。ロールプレイによる設定の積み上げによって課題を解決することを、ここでは ロール進行と呼びます。SDはルールに不慣れな人のサポートを優先して行い、それ以外の人には ロール進行を積極的に認めてあげて下さい。 ●M*PC○○さんを幸せにする 難易度((6〜7)×プレイヤー人数×2[ターン数])  このゲームの本編です。SDはPCにあわせて難易度を調整した後、難易修正に書きかえて提示して下さい。 2ターンゲームとして、最初の1ターンは以下のT*をプレーさせると展開が楽に進むでしょう。  T*PC○○さんの不幸の原因を知る:難易度(6)×プレイヤー人数×1[ターン数] ●エンディング処理  M*が達成された後、SDはPCたちの今後をプレイヤー立場として検討させてください。 リプレイでは省略していますが、SDはプレイヤーたちのプレーの状況および検討を見て、 ノーマルエンディング、トゥルーエンディング、ハッピーエンディングのいずれかを提示してあげて下さい。  ・ノーマルエンディング:ドタバタが今後も続きますorスケールアップして続きますエンド。   基本的にはこれを選ぶこと。    例)「俺たちの戦いはこれからだ」  ・トゥルーエンディング:大団円、だがその裏には悲劇的結末を迎える人々がいたエンド。    例)戦いを終え恩人を捜した主人公は、廃兵院で海を見つめる安楽椅子の男を発見する。  ・ハッピーエンディング:完全なる大団円エンド。全員がプレイヤーの豪腕(ご都合主義)で幸せになる。    例)プレイヤーズコールの通し。 ●幸せ判定  このゲームではPCが幸せになることをゲームの目的とします。  このゲームでの幸せは、以下を前提としています。   前提1.登場人物は個々の価値観が定義する幸せな状態になりたいと願っている。   前提2.幸せな状態とは不幸せな状態でない状態をいう。  また、このゲームでは不幸な設定をなくす方法として以下の二点を提案しています。   あ.不幸な設定をもとに一定数の人を幸せにする   い.不幸な設定から不幸さをなくす  (重要)キャラクターが幸せ状態か否かの判定には参加プレイヤーの全会一致が必要です。 ●不幸表(1D100)  PCの不幸な設定は以下の不幸表(1D100)を振って決定します。 このダイスロールを省略することはできません。  SDはダイスロールの結果がゲームの世界観と整合しないと認めた場合、プレイヤーに表を 振りなおさせることができます。  SDは不幸表の結果発生したキャラクターの役どころについて、基本的にPCを配役してまかなうように してください。 「不幸表(1D100)」 01-04:宝の喪失:(自分の価値観における)特別な宝を失っている。 05-08:敵の存在:尊属が殺害されており、復讐の決闘を行わなければならない。 09-12:復讐者:ひどい仕打ちをした相手に対し、同じ方法でやり返さねばならない。 13-16:親の失踪:親が失踪しており探す必要がある。 17-20:勇者:選ばれた勇者として悪を滅ぼさねばならない。 21-24:異界の魅力:動物や異界のものに好かれてしまう。 25-28:追放者:故郷から追放されており、遠い地をさすらう。 29-32:社会的闘争:社会的弱者であり、生存に闘争が必要である。 33-36:見るなのタブー:何かをしている所を「見るな」とタブーが課せられたにもかかわらず、それを見てしまった。 37-40:異界の規則:異界の存在ならではの規則に縛られている。 41-44:一目ぼれの代償:ある人物と恋愛関係にあるが、これを得るために難題を課せられている。 45-48:来訪者:異界の存在であり、日常世界にまったく適合できない。 49-52:変身:地域に住む動物の一種に変身してしまった。 53-56:性転換:実は性別が異なり、それを隠している。 57-60:持ち慣れない大金:元来貧乏であるが、突如として大金を得てしまった。 61-64:幽体離脱:自分の肉体から抜け出てしまい、簡単に戻れない。 65-68:夭折:若くして亡くなることが決まっている。 69-72:多重人格:制御できないもう一人の人格がいることが分かる。 73-76:入れ替わり:隣のPCと突然立場が入れ替わる。 77-80:転校生(の世話):普通の日常世界の住人だが、不思議な転校生(隣のPC)の世話係りに任命される。 81-84:スポ根:ひたむきにスポーツに取り組み、万難を乗り越えて選手としての能力を向上させ、勝負に挑まなくてはならない。 85-88:記憶消去:何者かによって、記憶を消されてしまった。 89-92:時の旅人:未来の常識で動いてしまい、しばしば非常識な行動を取る。 93-96:閉じた時間の住人:自分だけ気づいているが、自分はこの時空を何度も繰り返している。時空脱出のためしばしば特異な行動をとる。 97-00:醜い欲望:醜い欲望に突き動かされてしまう。