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こういった「戦・役・乱」等の区別は正式に定められたものではありません。
教科書出版社が、最も適切な用語と考え記載しているものです。
もちろん、誤りがあれば教科書の検定時に指摘され改善されるものですから
大幅に逸脱した用語の選択ではないはずです。
同じ歴史事件が教科書によって名称が異なるのはその為です。
(例:朝鮮出兵・慶長の役。日中戦争・日華事変。)
正式に定められたものもあります。
近・現代の戦争には戦争の要件があります。
宣戦布告を行って初めて「戦争」と呼ばれます。
宣戦布告を行なわないと「事変」と称されます。
(例:北清事変・満州事変・日華事変。)
ですが今日、ニュース報道で諸外国の宣戦布告を行なわない武力衝突を戦争と報じられることもありますし
事変と呼ばず、侵攻・事件などと称される事もあります。
(例:ベトナム戦争・クェート侵攻。)
かつて「大東亜戦争」と呼んだ戦争が敗戦後「太平洋戦争」と呼ばれる様になったことは著名ですが、
日清戦争も明治の頃には「明治十七八年戦役」「明治十七・八年の役」等と呼ばれてました。
当時、建てられた戦争慰霊碑には大抵、そう彫られています。
結局、多くの人が用いられる言葉が歴史用語として伝えられていく気がします。
細かく別けても「戦争」は人が集団で争い、殺し、傷つけあう行為には変わりありません。
学校の試験や入学試験等では教科書に沿った回答が求められますが、日常の会話や小説・ドラマ等では
大雑把な「戦・乱・役」でも良いのでは…と私は思っています。
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