伝統的なフェンダー・クリーン・トーンに加え,
ハードなディストーションをも生み出せる“フェンダー75”は'80年に登場したアンプだ。
出力は,75ワットと15ワットの切り替え方式。
コントロールは,ボリューム,トレブル,ミドル,ベース,リード,リバーブ,
リード・マスター,マスター・ボリュームとなっている。
各トーン・コントロール(トレブル,ミドル・ベース)にはプル・スイッチが組み込まれており,
プル(ON)することでそれぞれのブーストとなる。さらにブライト・スイッチも装備。
フット・スイッチによりクリーンとディストーションのサウンド切り替えが行なえ,
ディストーション・モード時には
リード・コントロールでディストーションの深さを調整,リード・マスターでディストーション・サウンドの音量を調整。
マスター・ボリュームでは,全体の音量を調整する。
電源スイッチ横に位置したパワー・コントロール・スイッチで,
出力を75ワットと15ワットと切り替えられるようになっている。
背面パネルには,エフェクト・ループ(Y字ケーブル使用)やライン・アウト端子も装備している。
スピーカーはエミネンス製フェンダー・オリジナル15インチ。
真空管は,プリアンプ部に12AX7を3本,12AT7を2本,パワーアンプ部に6L6GCを2本使用している。
アンプ・サイズは約55cm(高さ)X約57cm(幅)X約25cm(奥行),重量は約27Kg。
当時,フェンダーとしては相当の自信作として発売されたが,
その後'82年に“II”シリーズ(ツイン・リバーブIIやデラックス・リバーブII,スーパー・チャンプなど)が発表されたことで,
次第にラインナップの中での存在価値が低くなってしまい,'82年に生産中止となった。
そうした経緯で,2年強という短い生産期間しかなく流通量の非常に少ない伝説的アンプと言える。
日本国内の'82年最終定価は\270,000と,ツイン・リバーブIIとほぼ同じという価格設定であったほど,
回路的に凝ったアンプであった。
当店は,経済産業省から特別承認を受けたヴィンテージ・アンプ等の販売店です(平成18.04.11商第6号)。
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