'77 FENDER PRECISION BASS
(Narrow Neck) Black/Maple SOLD

“プレシジョン・ベース”のネックのナット幅(0フレット部)は, '68年頃までは時期によって約42〜43mmと幅広であったため, ジャズ・ベースのような細いネックを希望するひとは少なくなかったはずだ。 しかし,その対処方法として'60年代('69年頃まで)には, オプション(割増料金)でナット幅の狭いネックを選択することができたにもかかわらず, オーダーをするひとは稀だった。 実際,現在のヴィンテージ市場でそうした仕様のプレシジョン・ベースを見かける機会はほとんどない。 これは,特別注文扱いとなってしまうことによって, その製造に要する時間が嫌われたためだと思われる。 その後フェンダーでは,'69年前後からプレシジョン・ベースのナット幅を約40mmに変更するが, それでも同時期のジャズ・ベースの約38mmと比べるとまだ幅広だと言える。 そこで一定の需要を見込んだフェンダーが, '75年頃にレギュラー・モデルとして発表したのが このジャズ・ベースと同じ約38mmのナット幅のネックを持った, プレシジョン・ベース“ナロー・ネック”仕様だ。 しかし,意外にもセールス的には失敗に終わり,'80年頃には生産は終了してしまった。
プレシジョン・ベースは,それまでボディ材にアルダーを採用いていたが (ただし'56年頃までのモデルとブロンドおよびナチュラル・フィニッシュは除く), '74年後期頃からはアッシュ材に変更されている。 また'76年途中からのシリアル・ナンバーは, それまでのネック・プレートへの刻印(通称プレート・シリアル)から, ヘッドのブランド・ネームのデカールの下に移動(通称ヘッド・シリアル)している。