'65 DUO-SONIC II White/Rose
SOLD
'64年中期にムスタングが登場することに伴って, それまで販売されていた“デュオソニック”の仕様変更が行なわれた。 主な仕様変更は次のとおり。 ボディ形状の“くびれ”部分が,左右対称から非対称(通称オフセット・ボディ)に。 コントロール・プレートが,ピックガードとの一体型から金属製の分離型に。 ピックアップ切り替えスイッチが, 1個のトグル・スイッチから各ピックアップ個別のスライド・スイッチ(ON/OFF/ON)に, などだ。 つまり,ムスタングのノン・トレモロ仕様的モデルとなったわけなので, トレモロ・ユニットをまったく使用しないプレイヤーならば, ムスタングよりもデュオ・ソニックIIを選択したほうが良いかもしれない。
デュオ・ソニックIIのネックには,24インチ・スケールの22フレット仕様と 22 1/2インチ・スケールの21フレット仕様が用意された。 (ちなみに、ムスタングでも同様に2種類のネックが存在する。) '64年以前のオリジナル・デュオソニックの時期には 22 1/2インチ・スケールの21フレット仕様のみであった流れで, デュオソニックIIでも22 1/2インチのものが多いようだが, この'65年製モデルは実用上演奏性の高い24インチ仕様である。
また'62年中期以降のフェンダーでは,ネック材のメイプルと指板材のローズウッドとの接着面が 曲面状をしている通称“ラウンド・ローズウッド”仕様のはずだが, この'65年モデルのように,ムスタングやデュオソニック,ミュージックマスターに限っては, '65年から'66年にかけてのみ接着面が平面状の通称“スラブ・ローズウッド”指板も見られる (その時期の全生産本数のうち4割程度と推測される)。 この時期はフェンダー・ギターの生産本数が全体的に増えてきたため, おそらく上級モデルにラウンド・ローズウッド仕様を優先した結果, ムスタングなどにはスラブ・ローズウッド指板用の 古い治具を使用しなければ製産本数をこなせなかったということだろう。