'68 LES PAUL CUSTOM Black
SOLD

'61年からの製造中止期間を経て,'68年に再生産が始まったレスポール・カスタム。
'60年までのオリジナル・レスポール・カスタムは1ピース・マホガニー製ボディに 3基のハムバッキング・ピックアップ('57年からの最終仕様)がマウントされたモデルであったが, '68年からの再生産モデルはレスポール・スタンダードと同様に, メイプル・トップ/マホガニー・バック・ボディ,2ハムバッキング・ピックアップ仕様となっている。
再生産された初年度の'68年モデルは,ネック・ヒールのボディへ埋め込む部分(中子)が フロント・ピックアップ・キャビティ内の中央部までの長さを持った 通称“ディープ・ジョイント”方式であることや, センター2ピース・メイプルのトップ(アーチも深め)に1ピース・マホガニー・バックのボディ (オリジナル・レスポール・スタンダードの仕様), 通称“1ピース・マホガニー・ネック”など, '60年までのオリジナル・モデルに準じる木加工の仕様が見られる。 また,搭載されているハムバッキング・ピックアップが, コイルに仕様されているワイアーの絶縁体などに違いが見られるものの, '63年頃までの“P.A.F”ピックアップと同様に“スクエア・ウィンドー” と呼ばれる小さな四角い穴が開けられたボビンを持っている。 このような仕様から,'68年モデルは非常に評価の高い年式である。
その後'69年初頭には, ネック・ヒールの中子はピックアップ・キャビティ内の前部に届く程度の長さに短くなり, ピックアップは上部にアルファベットの“T”状のマークがレリーフされた 通称“Tボビン・ハムバッカー”が搭載されたのを皮切りに, 同年前半には,ボディ・トップが3ピース・メイプルに(アーチも浅くなる), ネックも3ピース構造を持った通称“3ピース・マホガニー・ネック”に変更されていった。 そして'69年後半にはボディ・バックが中央の薄い部分を含めて3プライのサンドイッチ構造に, それと前後してネック裏側のヘッドつけ根部分に “ボリュート”と呼ばれるこぶ上のふくらみが設けられている。
また,この'68年モデルのヘッドのブランド・ネーム“Gibson”の“i”には, 上部のドットが入れられており,これを'68年モデルの外観的特徴のひとつとするひとが多いが, '68年の末には“i”のドットがないものも登場してくる。